提供:ことりっぷ
新宿からのんびり電車に揺られること約2時間。四季折々の花が咲き誇る「箱根強羅公園」は、日本初のフランス式整型庭園として開かれた歴史ある公園。
美しい花々を眺められるだけでなく、名物カレーを味わったり、アクセサリー作りに夢中になったり、大正時代から続く茶室で点茶を体験したり。あちこち足を止めながら、歩くたびに心ほどけるスローな時間を楽しんで。
110年以上の歴史を持つ「箱根強羅公園」
中央にある噴水池は、公園のシンボル的な存在
新宿からロマンスカーを利用して箱根湯本へ。そこから箱根登山電車に乗り換え、終着駅の強羅駅から徒歩約5分ほど。
「箱根強羅公園」は、日本初のフランス式整型庭園として1914年に開園した、歴史ある癒やしスポット。敷地内には、ローズガーデンやおしゃれなカフェ、国の登録有形文化財に認定された茶室、ものづくり体験ができる施設などが点在していて、まる1日ゆったり過ごせます。
箱根登山ケーブルカー「公園上駅」から徒歩約2分の場所にある「西門」
入口は、「正門」(標高約574m)と「西門」(標高約611m)の2つ。
ゆっくり楽しみたい日は、園内をゆるやかに下りながら散策できる「西門」から。アクティブに過ごしたい日は、少しずつ園内を登ることで達成感を味わえる「正門」から。標高差約40メートルの傾斜地に広がる公園だから、気分次第でコースを変えられます。
噴水池付近の蛇口は、国の登録記念物のひとつ
111年前の開園当初から現存しているのが、噴水池や付近にある蛇口、石垣などです。歴史を感じる噴水蛇口は、鳥の形のハンドルがアクセント。煉瓦の囲いも、古き良き雰囲気が残っていて、公園の長い歴史を感じられます。
圧倒的な存在感を放つヒマラヤ杉
そして、公園の中心にそびえ立つ巨木は、開園当時からこの地に根付いているヒマラヤ杉。根元から空へと広がる枝ぶりは、まるでこの土地の歴史を語るよう。近づくと、どっしりとした風格に圧倒されます。
ローズガーデンで色とりどりのバラに心ときめく
蔓バラのアーチは、初夏だけのお楽しみ
「西門」から近い「ローズガーデン」は、花さんぽが楽しいエリア。毎年、初夏と秋には、ローズガーデンのバラが見頃を迎え、甘く華やかな香りに包まれながら散策が楽しめます。
まるで花のトンネルのような蔓バラのアーチが楽しめるのは、5月下旬~6月下旬ごろ。秋には見られない、初夏だけの特別な風景です。この時期になると、色とりどりのバラが絵画のような風景を作り出し、風が吹くたび、芳醇な香りがふわり。
「スマイルハニーローズ/くまのプーさん」
ガーデンにはさまざまな種類のバラがありますが、なかでも珍しいのが、「スマイルハニーローズ/くまのプーさん」というバラ。プーさんの大好きなハチミツを思わせる、鮮やかな黄色い花がかわいらしくて、名前の通り、見ているだけでスマイルになれます。
「ローズガーデン音楽会」は、2025年5月17日(土)~6月29日(日)の土曜・日曜日に開催
また、ガーデン内にある「音楽堂」では、春バラの季節限定で「ローズガーデン音楽会」を開催。ピアノ伴奏とともに、ソプラノの歌声や軽やかなオカリナ、フルートなどの演奏が行われます。ここでしか味わうことのできない、花と音楽が溶け合う、特別な時間を味わって。
「Cafe Pic」でお腹もこころも満たされるカレーランチ
噴水池を見下ろすテラス席はまた格別
花さんぽを楽しんだら、お腹を満たす時間。噴水池に面した、ゆったりくつろげる「Cafe Pic」へ。ノスタルジックな店内だけでなく、噴水池を見下ろすテラス席があるのもうれしい♪ 噴水のせせらぎが響く中で、穏やかな時間を過ごせます。
強羅園カレーに温泉卵をのせた「温泉玉子カレー」ハーブティセット(1,850円)
お肉や野菜がごろごろ入った「強羅園カレー」は、食べ応え満点でランチにもぴったり。開園当初の「カレーハウス」で愛されていた味を受け継ぎ、じっくりと煮込まれた牛肉と地元野菜の旨みが詰まった一皿です。
選べるハーブティのセットと合わせると、より充実したランチタイムになりますよ。
「自家製コーヒーゼリー」(650円)
食後にデザートを食べるなら、小田原の老舗「スズアコーヒー」のオリジナルブレンドを使用した「コーヒーゼリー」を召し上がれ。ぷるんとしたコーヒーゼリーの上には、なめらかなソフトクリームがのり、鮮やかなチェリーがかわいらしいアクセントに。
スプーンで口へ運ぶと、ほろ苦いコーヒーの風味とクリーミーな甘さが絶妙に絡み合い、ひとくちごとに幸福感が増します。
「箱根クラフトハウス」で世界にひとつだけの思い出を
店内は木の温もりを感じる落ち着いた空間
ランチの後は、園内の「箱根クラフトハウス」へ。ここは吹きガラスや陶芸、とんぼ玉、ヴィンテージビーズのアクセサリー体験など、さまざまなクラフト体験ができるスポット。テーブルにはさまざまなクラフト材料が並び、創作意欲をくすぐります。
アクセサリーの種類が多く、どれを作ろうか迷ってしまうほど
数あるなかでもおすすめは、100年以上前のヴィンテージビーズを使ったアクセサリー作り体験。店内にはサンプルがずらりと並び、ピアス、イヤリング、ネックレス、ブレスレットの中から好きなものを選べます。
ヴィンテージビーズの優先順位をつけ、慎重に針金に通す
作りたいアクセサリーを決めたら、ビーズが並ぶテーブルへ移動。どの色を組み合わせるか、どんな順番で並べるか、ひとつひとつ悩みながら自由にデザインを考えます。
ここに並ぶヴィンテージビーズは、まさに時を超えた貴重な逸品。ビーズひとつひとつが異なる時代や文化を持ち、古いものだと7世紀ごろに作られたものもあるとか。
そんな長い時を旅してきたビーズたちを、自分の手で組み合わせていく……。この体験には、選ぶ楽しさ、作る喜び、完成したときの達成感が詰まっています。
左の顔がついたフェイスビーズは、1970年代にインドで作られたもの
仕上げは、スタッフの方が丁寧に整えてくれるから安心。撮影用のボードを借りて、完成した作品を写真に収めれば、とっておきの1枚に。最後はきれいに包んでもらって、まるで宝物のように持ち帰ることができます。
国の登録有形文化財「白雲洞茶苑」で点茶体験
苔むした巨岩が静かに佇む庭園は、一見の価値有り
続いて向かったのは、園内にひっそりと佇む茶室です。門をくぐった瞬間、雰囲気が一変。さきほどまでの賑やかさが遠のき、しっとりとした和の趣に包まれます。
こちらは、大正時代、茶人・益田孝さん(三井コンツェルンを設立した男爵)によって建てられた「白雲洞茶苑」。益田さんから原富太郎さんへと受け継がれ、昭和の時代には松永安左衛門さんが継承。国の登録有形文化財に指定され、今も大切に受け継がれています。
中には囲炉裏があり、素朴な田舎家といった雰囲気
お目当ては、お抹茶&お茶菓子に建物内部の見学料がついた「点茶体験」(750円)。「白雲洞」と呼ばれるこの茶室で、ゆっくりお茶をいただけます。

伝統ある空間ながら、気軽に楽しめるのが「点茶体験」の魅力。堅苦しい作法にとらわれることなく、思い思いのひとときを過ごせます。
差し出されたお抹茶を、そっと手に取り、ごくり。ほどよい苦みの奥に、やさしい甘みが広がり、心まで穏やかになっていくよう。静けさの中で味わうこのひとときが、旅の思い出にそっと刻まれていきます。

「箱根強羅公園」は、忙しい日常から心を解き放ち、自分らしさを取り戻すのにぴったりな場所。
花々に囲まれ、ものづくりに没頭し、おいしいカレーや風情ある茶室でほっと一息……。そんなゆったりさんぽを、1日かけてじっくり味わってみてくださいね。
文:安藤美紀
