2025年10月、広島市の中央に建つ商業施設内に「広島もとまち水族館」が誕生しました。
光・音・香りを使った没入型体験ができる、新感覚の都市型水族館です。今回は、館内の8つのエリアの特徴や注目ポイント、限定スイーツや注目のお土産も含めた「広島もとまち水族館」の見どころをご紹介します。
目次
アクセス抜群!街ナカで「水といのちを巡る旅」
「広島もとまち水族館」のコンセプトは「水といのちのミュージアム」。
館内では、生き物本来の美しさを際立たせる照明や、エリアごとに変化する音響演出が施されています。美術館やシアターを巡るような感覚で過ごせる、ユニークなスポットです。
場所は、商業施設「基町クレド・パセーラ」の7階にあります。アストラムライン「県庁前駅」や、広島電鉄「紙屋町西」「紙屋町東」電停から徒歩約3分と好立地。地下通路を渡れば駅から直結でアクセスできるため、雨の日でも濡れずに移動できます。
ショッピングや観光の合間、平日の仕事帰りやデート、家族でのお出かけまであらゆるシーンで訪れたいスポットです。
「基町クレド・パセーラ」に着いたら、建物中央のエスカレーターで7階まで上がりましょう。
建物内に入ると、まず目に入ってくるのが壁面展示。
地球上のさまざまな生き物にまつわる数字がモチーフになっていて、じっくり読み込みたくなる内容です。
アートと水族館が融合!感性を揺さぶる8つのエリア
館内は8つのエリアで構成されており、それぞれのテーマに合わせて照明、音楽、そして展示される生き物たちが異なるのが魅力。順路に沿って進むごとに雰囲気が移り変わり、まるで物語のページを一枚ずつめくっていくような感覚を楽しめます。
旅の始まりを印象付ける「Welcome(プロローグ)」
「Welcome(プロローグ)」のエリアに足を踏み入れると、明るいエントランスから雰囲気が一変。
街の喧騒を離れた静寂な空気と、壁の展示をぼんやり照らすあたたかい照明が、一気に非日常感に浸らせてくれます。
さらに奥へ進むと、プロジェクションマッピングと水面がゆらめく水槽が展示された幻想的な空間が広がっていました。
水面のゆらめきと映像がシンクロし、まるで自分自身が水の中に溶け込んでいくような不思議な浮遊感が味わえます。
館内は撮影OKのため、ここでは雰囲気のあるシルエット写真が撮れるフォトスポットとしても人気なのだとか。
足元の水槽では、広島の名産・ニシキゴイたちが優雅に泳いでいます。
現実世界から離れ、これから始まる物語の世界へと没入させてくれるエリアです。
森に潜む多彩な命と出会う「Forest(四季のシーン)」
「Welcome」を抜けるとまた雰囲気が異なり、鮮やかな緑に包まれた「Forest」エリアが広がります。
ここでは水辺の生き物だけでなく、ミーアキャットやインコ、トカゲなど、陸や空の生き物たちの姿も。木漏れ日のような優しい照明に、野鳥のさえずりなどが聞こえる癒やしの演出が施されています。
中でも目を奪われたのが、美しい青色が印象的なコバルトヤドクガエル。
猛毒の持ち主で、鮮やかな体色は警告のサインなのだとか。ブラジルやコロンビアなどの熱帯雨林に生息しています。
オスは繁殖時期に鳥のように鳴くため、訪れた時期によってはその声を聞けるかもしれません。耳をそばだててみてください。
爬虫類は周囲と同化していることも多いので、近づいてじっくり観察してみましょう。タイミングが合えば、食事の様子を観察することもできます。
ここにいる2匹のマルメリハインコは仲が良く、毎日お互いの首元を毛づくろいしているのだとか。眺めているだけで幸せな気分になれる光景です。
水族館にはめずらしいミーアキャットの姿も。活発に動き回る様子がかわいらしく、ついじっと見てしまいました。
椅子に座って小休憩しながら、生き物観察もできます。
通称・幻の魚「ゴギ」も見逃せません。
日本の中国地方だけに生息する淡水魚で、広島県では天然記念物に指定されています。
一角にある「森の研究所」と題されたコーナーも必見です。
生き物に関する書籍や顕微鏡で昆虫の成長や模様など、知的好奇心をくすぐる展示が充実していて、まるで研究室のよう。
カブトムシやクワガタの常設展示や、幼虫がどんな成虫になるのかを見せてくれるハンズオン展示(直接展示物に触れて体験できる展示)などもあります。
アフリカ、東南アジア、南米と異なる森の断片がつながるイメージを表現した「杜の三連水景」は圧巻です。
異なる環境を再現した3つの水景が並び、森のさまざまな表情を体感できます。
動物、植物、昆虫の魅力をまるごと感じられる工夫がたっぷりと詰まったエリアでした。
生き物の存在に徹底フォーカスした「White(静寂のシーン)」
「Forest」の先にあるのは、真っ白な「White(静寂のシーン)」エリア。
ベビーカーや車椅子でも無理なく移動できる、広々とした空間です。
壁面には、魚たちが住んでいる水槽が美術館の絵画のように配置されています。
主張するような色彩や過度な装飾が削ぎ落とされた「静寂」の中、生き物そのものの造形美や動きをじっくり鑑賞できる演出です。
海中をただよう感覚を味わう「Marine note(多様性のシーン)」
次は「海の奥深さと多様性」がテーマになった「Marine note(多様性のシーン)」。
このエリアに一歩足を踏み入れると、「海の中の音」を表現した不思議な音が聞こえてきました。
清涼感のある香り、深い青色の光や水面の揺らぎなど、自分自身が海の中をただよっているかのような感覚に浸れます。
中でも注目は、ミズクラゲの水槽「海月ミラージュ」。
手前がゆるやかなスロープになっているので、ベビーカーでの移動もスムーズです。
ゆらゆらただようクラゲの群れと、天井のミラーボールが放つ光のコラボレーションは、圧巻でつい見入ってしまいます。
ここでは、海の生き物たちの生態美をじっくりと鑑賞できるのも魅力。
円筒の水槽なので360度、あらゆる角度から観察してみたり、ただただぼんやりと眺めてみたり、思い思いに癒やしのひとときを過ごせます。
色彩の祭典「Coral(色彩のシーン)」
館内で最も色鮮やかで華やかなのが「Coral(色彩のシーン)」。
多彩な形と色を持つサンゴたちが、アート作品のように展示されているエリアです。
照明演出によって光の角度や色味が変わるたびに、水槽内の表情もがらりと変化します。
朝から昼、夕方から夜とサンゴ礁に太陽の光が差し込むイメージを表現しているのだとか。
サンゴの水槽の中で、カラフルな熱帯魚が泳ぐ姿はまさにフォトジェニック。
取材日は期間限定で公開されている、アカウミガメの赤ちゃんにも出会えました。
中央の水槽は大きなガラステーブルのようになっています。
椅子に座ってゆっくりと上から眺められるので、子ども連れにも人気のスポットです。
切り絵のインスタレーション「海の花鳥風月(神秘のシーン)」
次に広がっているのは、「The Sea Kachofugetsu(神秘のシーン)」。
色鮮やかな世界から一転、しっとりと落ち着いた雰囲気のエリアです。
演出は、全国各地で活躍する光の切り絵作家・酒井敦美氏が手掛けました。
日本特有の自然観と美意識を表す言葉である「花鳥風月」がモチーフで、壁面や床に投影された切り絵と、その中を優雅に泳ぐ魚たちが見事に融合しています。
四季の象徴として4部作の水槽が配されており、「春」をテーマにした作品ではサンゴ礁に住む熱帯魚・アカネハナゴイが、桜の花が描かれた水槽の中で優雅に泳いでいます。
ちなみに、アカネハナゴイは「海中の美しき花びら」とも呼ばれているのだとか。
瀬戸内海の「秋」をイメージした作品では、オニダルマオコゼやハナミノカサゴが悠々と暮らしています。
見る距離や角度で変化する展示なので、遠くから離れて眺めたり、近づいてじっくり鑑賞してみたり、違いを楽しんでみてください。
中央にあるのは、サンゴの大木をイメージした作品「珊瑚の木」。
深海を思わせるような濃厚な藍色の中に浮かび上がる光の神秘的な風景に、多くの人が足を止めて見入っていました。
写真映え抜群のフォトスポットです。
日本の美意識を凝縮した「Zipangu(黄金のシーン)」
クライマックスに近づくと現れるのが、「黄金」をテーマにしたラグジュアリーな空間「Zipangu(黄金のシーン)」。
派手さだけでなく、日本の「わびさび」や美意識を感じさせる落ち着いた和の意匠が散りばめられており、非日常感あるひとときを過ごせます。
季節ごとに異なる演出も見どころのひとつ。
取材日は、城下町「広島」の基礎を作った武将・毛利輝元(もうり てるもと)の没後400年記念事業(広島市との連携)の一環として、広島城と輝元の祖父である毛利元就(もうり もとなり)の甲冑一式のレプリカ展示も行われていました。
日本庭園になじみ深いデメキンが、睡蓮鉢の中で優雅に泳いでいる姿も。
金色の光に照らされた水槽内で泳ぐ、金魚やニシキゴイたちの姿は実に優雅です。
旅の終わりに余韻を味わう「Message(エピローグ)」
最後は「生命」や「自然との共生」をテーマにした「Message(エピローグ)」。
ここまでの広々とした造りとは打って変わった、コンパクトな空間です。
低音のバイブレーションが響き渡り、命の輝きや自然の尊さを静かに問う演出がなされています。
中央に設置されているのは「絶滅と進化の時を記す時計」。
時計は静かに時を刻み続け、生命のはかなさと絶滅の危機を訴えかけます。
文字盤の奥は水槽になっており、中には「生きた化石」と呼ばれるアジアアロワナなどが。
未来を表現する時計と、過去を表現する古代魚。
その対比が、生命のはかなさや尊さ、そして守るべき未来について、言葉以上に深く語りかけます。旅の余韻に浸れるエンディングです。
旅の思い出を深める体験コンテンツ
館内では実際に手を動かして参加できるコンテンツも充実。子どもから大人まで夢中になれる体験が多数用意されています。
巡って集める「STAMP BOOK」
「STAMP BOOK」(500円)は、来場の記念にぜひ手に入れたいアイテム。
各エリアに設置されたスタンプを集めていくスタンプラリー形式で、すべてのスタンプがそろうと一冊の絵本のような作品が完成します。
塗り絵ができる仕様になっており、持ち帰ってから遊ぶことも可能です。
世界にひとつの真珠を取り出す「真珠取り出し体験」
「Coral」エリアの近くには「真珠取り出し体験」(体験料1人1,000円)のコーナーも。
自分で選んだアコヤ貝から真珠を取り出すことができます。
取り出した真珠は、その場でキーホルダーやネックレスなどのアクセサリーに加工することも可能。
デザインによって価格は変わりますが、写真手前の「シンプルネックレス」(体験料込み2,500円)が一番人気です。チェーンはゴールドとシルバーから選べます。予約不要で気軽に参加できるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
限定カフェメニューも要チェック
鑑賞の終了後には、「Zipangu」エリアにあるカフェ「CAFE UMIHAKO(カフェ ウミハコ)」でひとやすみ。
黄金の茶室をイメージした店内で、水族館ならではのユニークでかわいいスイーツをいただきましょう。
イチオシは「ハリセンボンのパフェフロート」(1,000円)。
広島の老舗コーヒー店「おます珈琲」特製のコーヒーゼリーを使用しています。さっぱりとした大人の味わいです。
見た目のインパクト抜群の「フリソデエビのサンデー」(850円)も見逃せません。
甘酸っぱいベリーソースとチーズケーキのアイス、ココアビスケットが入ったぜいたくなスイーツです。
見た目もかわいい「カメレオンソーダ」(750円)は、レモンとマンゴー風味の微炭酸ドリンク。付属の青いシロップを入れるとカメレオンのように色が変わります。
そのほか、水族館の生き物をモチーフにした「チンアナゴチュロス」(400円)や、広島名産のニシキゴイをイメージした「うみはこアイス」(800円)などもあります。見た目もかわいく、味も本格的なメニューが満載です。
ミュージアムショップでお土産探し
最後は、エントランスにあるミュージアムショップ「UMIHAKO」でお土産探し。
オリジナルグッズや広島ならではの商品など、自分用にもギフト用にも欲しくなるアイテムが並びます。
特に人気なのが、オリジナルステーショナリー類。揃えて持ちたくなる、洗練されたデザインです。
もふもふ感がたまらないミーアキャットのぬいぐるみや、ここでしか入手できないオリジナルのエボシカメレオン、ニシキゴイのぬいぐるみもおすすめです。
そのほか、オリジナルTシャツ(3,000円)も必見!
真っ赤な1枚(3,300円)は、広島東洋カープとのコラボ商品です。
お菓子は、広島県産レモンを使用したメレンゲ菓子「れもんげ」(600円)がおすすめ。
口に入れるとシュワッと溶ける不思議な食感と、爽やかなレモンの香りが広がります。
「牡蠣まるごとせんべい」(12枚入り・1,600円)はここだけの限定品です。
※掲載価格は予告なく変更となる場合があります。
従来の水族館の枠を超え、光・音・アートが融合した幻想的な空間で、多様な「いのち」が息づくシーンを感じられる「広島もとまち水族館」。
街中のビルの中にありながら、一歩足を踏み入れれば日常を忘れるほどの没入感と癒やしが待っています。単に生き物を観察するだけでなく、自分と対話するような深い知的好奇心を満たせる、まさに「物語を体験する」場所です。
次の広島旅行では、ぜひこの新感覚の空間演出型水族館で、心に残るひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
広島もとまち水族館
- 住所
- 広島県広島市中区基町6-78 基町クレド・パセーラ7F
- 営業時間
- 10:00〜19:00(最終入館18:30)
- 定休日
- なし(パセーラ休館日・メンテナンス日に準ずる)
- 料金
- 【入場料】中学生以上2,000円、小学生1,200円、3歳以上は大人1名につき1名無料※2人目以降500円
- アクセス
- 【電車】広島電鉄「紙屋町西」電停または「紙屋町東」電停から徒歩約3分
【車】山陽自動車道「広島」ICから車で約15分 - 公式サイト
- 広島もとまち水族館
取材・文/曽我佳奈代、撮影/猪俣 淳
