提供:ことりっぷ
横浜は開港以来、欧米文化の影響を受けてきたハイカラな街。なかでも旧外国人居住地に近い元町エリアは、当時から外国人向けの日用品を取り揃える店が多く、その歴史は今も引き継がれています。明治時代に創業した花屋さんや当時日本では珍しかったヨーロッパ家具を作っていたショップなど、100年以上の歴史あるお店が点在するのは街の大きな魅力です。
今回はそんな歴史をたどるおさんぽを、異国情緒にあふれる横浜元町と山手エリアをつなぐ「代官坂」からスタートしてご案内します。
ペパーミントグリーンの外壁が印象的な「宮崎生花店」
代官坂の途中に建つ「宮崎生花店」
横浜開港後、山手は外国人の住宅地として発展し、多くの西洋館が建ち並ぶエリアとなりました。
その山手と日用品のお店が立ち並ぶ元町エリアとは、いくつもの坂道でつながっていて、その中の一つに代官坂があります。江戸末期に来航したペリー提督に横浜村の暮らしを紹介したとされる横浜村名主石川徳右衛門が居住していた屋敷がある坂道で、今はおしゃれなカフェやベーカリーが立ち並びます。
そんな歴史を感じる坂の途中にたたずむ「宮崎生花店」は明治6年に創業、150年以上続く老舗のお花屋さんです。
天井の高い店内
大正時代に建て替えられたというショップは、ペパーミントグリーンの屋根に白いドア、天井の高いお店は、周辺の西洋館の影響を受けたかのようなハイカラなつくり。大きな出窓には鉢物がたくさん並び、ショップ正面の看板にある「宮崎生花店」の「花」の文字は花びらのモチーフです。
奥には素敵な小部屋も
日常を彩る花からパーティーなど特別な日の装飾まで、地元でなくてはならない存在です。店内には生花のほかにもリースや小物使いなど、普段の生活に季節感をセンス良く取り入れるヒントがいっぱい詰まっています。
お花に囲まれるランチタイム「食堂ノチノチ」
花屋さんの店頭に看板が出たらオープンの合図
「宮崎生花店」の奥には小部屋があり、お昼時になると「食堂ノチノチ」がオープンします。
こちらは、すぐ近くでハンドメイドの雑貨やアクセサリーを扱う「ニチニチ」の店主による食堂で、こぢんまりとした隠れ家のよう。フレッシュな植物に囲まれる店内はすがすがしい空気が漂い、アットホームな雰囲気の中でランチタイムが過ごせます。
「日替わり定食」(1,200円)
メニューは日替わりの定食のみで、炊き立てのご飯と温かいお味噌汁、日替わりの主菜と2種類の副菜といったバランスのいい家庭料理です。有田焼をはじめ、お料理に合わせた器も素敵です。できれば予約してお出かけくださいね。
花に囲まれる窓辺のカウンター
明治時代に家具店として創業した「タカラダ 元町本店」
創業140年以上の老舗
代官坂をくだると、元町商店街につきあたります。開港当時は、日本に居留する外国人向けの日用品を扱う商店が軒を連ねていて、その伝統を引き継ぐお店が点在しています。
「タカラダ 元町本店」もそうした老舗の一つで創業は明治15年と古く、当時はオーダーメイドの家具店だったのだそう。今はテーブルウェアなど食器を扱いオリジナルデザインも評判です。
「ビフォー&ナウ」のシリーズ
バラをモチーフにしたローズシリーズの洋食器に加えて、目を引くのが開港当時の横浜と現在の横浜をデザインした「ビフォー&ナウ」のシリーズです。ロングドレスを着た貴婦人のモチーフの横に横浜ベイブリッジの図柄が並ぶといった横浜の今と昔が描かれ明治時代の宝田商店も図柄に。このシリーズは近郊のカフェでも使われています。
ローズシリーズのラインナップ
横浜の今と昔を描いたカップでほっと一息「Café Next-door」
カフェの前には水の湧く泉が残されている
元町商店街から一本入った仲通りたたずむ「Café Next-door(カフェ ネクストドア)」。明治時代には煉瓦(レンガ)や西洋瓦を焼く工場があり、湧き水を利用して港に停泊する船へ水の供給もしていたというエリアです。そうした歴史に触れながらのティータイムを「タカラダ」の「ビフォー&ナウ」のカップで過ごすことができます。
「元町ブレンドティー」(800円)
紅茶やコーヒーを「ビフォー&ナウ」でいただけるのは、地元ならではの楽しみです。系列店のフレンチレストラン「横濱元町 霧笛楼」のパティシエ自慢のスイーツとともに、ノスタルジックな気分に浸るひと時を過ごしてはいかがでしょうか。
気品あふれるティータイム
まるでカフェのようにおしゃれな路地裏のベーカリー「OtoU」
スタイリッシュな中に温かみのある店内
元町は日本における食パン発祥の地としても知られています。その影響もあってなのかベーカリーの数は多く、いずれ劣らぬ名店揃い。カウンターに美しいフォルムのパンが並ぶ「OtoU」はパンのアトリエとでも言いたくなるようなベーカリーです。
「あんぱん」(280円)
カウンターにはバケットやデニッシュなど30種類ほどが並びます。生地に湯種を練り込んだ食パンやカンパーニュはもっちりとした食感で、地元のマダム達からの支持を集めています。
小豆あんをたっぷり詰め込んだ「あんぱん」は黒糖の風味が後ひくおいしさ。最中をイメージして創作するなかで、和紙で包むように帯封をかけるフォルムになったのだとか。
隠れ家のようにたたずむショップ
山手西洋館の流れをくむ「えの木ていスイーツスタンド」
いちごやローズのスイーツが目白押し
元町さんぽの最後は「えの木ていスイーツスタンド」へ。山手の西洋館カフェ「えの木てい」の姉妹店で、こちらのお店でも本店同様にローズを使ったロマンチックなスイーツが楽しめるほか、クッキーなど焼き菓子のおみやげ品も揃います。
心地のいいテラス席
川沿いのテラスは心地のいい風が吹きぬけます。「えの木てい」創業当時から人気のシフォンケーキをカップ型にした「えの木てい グルメシフォン」やローズのソフトクリームたっぷりの「横濱ローズパフェ」など、ロマンチックなティータイムを過ごすのにおすすめですよ。
「えの木てい」創業当時から人気のシフォンケーキをカップ型に入れた「えの木てい グルメシフォン いちご」
異国情緒あふれる横浜の元町エリアをご紹介しました。元町商店街のショッピングも楽しみながら、楽しいひとときを過ごしてくださいね。
文:高橋茉弓
