提供:北日本放送
富山県の北西、能登半島の東側の玄関口に位置する氷見市。
海岸線からは3000m級の立山連峰が富山湾に浮かぶように見え、早朝に峰を赤く染めながら昇ってくるご来光は幻想的です。さらに日本海側有数の規模を誇る氷見漁港には、四季を通じて約300種類もの魚介が水揚げされ、特に冬のブランド魚「ひみ寒ぶり」は身が大きく脂がのった食材としてその名を全国に響かせています。
そんな氷見市ですが、少子高齢化や都市部への人口流出などから、2024年に人口戦略会議が公表した「消滅可能性自治体」のひとつに挙げられています。
「氷見がなくなってしまうと聞いて、居ても立ってもいられず、私の活動が、氷見の魅力発信や活性化に少しでもつながればと思っています」と語り、氷見市でカフェとレンタルスペース施設「オトギノハコ」を運営するのは、ハンドメイド作家の東海夕奈さんです。
カフェとレンタルスペース「オトギノハコ」
氷見市出身の東海さんは、現在23歳。名古屋の専門学校でデザインを学んだあと、ふるさと氷見にUターンしました。若い世代が進学や就職で都市部へ出ていってしまうことは地方の過疎化が進む一因ですが、東海さんは氷見へと戻ることに迷いはなかったといいます。
「ふるさとを離れてみて、改めて自然や食の豊かさ、人のあたたかさに気づき、氷見の居心地のよさを再認識しました」と、東海さんは微笑みます。
氷見の魅力を発信するため 開いたマルシェは30回以上
氷見に戻った東海さんは、新たな魅力発信や地域活性化をコンセプトにマルシェイベント「オトギノマルシェ」を開催。これまでに30回以上開催していて、累計約15,000人以上の来場者が訪れる人気イベントになりました。
そんな中、1日限りのイベントだけではなく、いつでも気軽に足を運んでもらい、氷見の魅力を発信できる常設カフェを作りたいという想いが東海さんの中で次第に強くなっていきました。
そこで、2025年5月にオープンしたのが「オトギノハコ」です。
200平米の平屋にカフェとレンタルスペース、委託販売棚
「オトギノハコ」があるのは、氷見市加納。国道160号沿いにホームセンターや家電量販店、ショッピングセンターなどが集まるエリアです。
旧酒店だったという平屋の店舗で、広さは約200平方メートル。
カフェスペースのほかに、ママ会や教室、セミナーなどで幅広く活用できる多目的のレンタルスペース、そして、クラフト作家の作品を委託販売する棚が設けられています。
オトギノハコという名前の由来をたずねると…
「私は、心ときめくお伽話とか童話が大好きなんです。元気をもらえるというか、自分の幸福感がすごく上がる感じがするというか。オトギノハコでは、イベントに来たときの高揚感やワクワク感を提供できたらと想っています」(東海さん)
氷見の人とモノが集まる出会いの場
「オトギノハコ」の半分を占めるのが、レンタルスペース。
約95平方メートルという広さで、イベント会場やワークショップなどの教室、本格的に店を始める前のポップアップストアやランチ会など、使い方は自由なんだそう。
「誰かの家に集まるには人数が多くて負担が大きいときなどに利用してもらえたらと思っています。持ち込みもOKなので、公民館みたいな感じで気軽に使ってもらえたらうれしいです」(東海さん)
ベビー服やアクセサリーなど 手作りの小物も
レンタルスペースの一角に設けられた白い棚には、ベビー服やアクセサリー小物など、クラフト作家さんの作品がずらりと並びます。
これらはすべて委託販売。これまでのマルシェイベントに参加してきた作家の小物などを扱っています。
「マルシェを通じて知り合うことができた作家のみなさんとのつながりもなにかのご縁。大切にしていけたらと思っています」(東海さん)
少量焙煎で香りと味わいを楽しむ カフェ「Cafe moca」
テーブルやカウンター席が設けられているカフェスペース「Cafe moca(カフェ モカ)」では、東海さんが焙煎したこだわりのコーヒーやスイーツ、軽食を提供しています。
「コーヒーは焙煎してからの鮮度にこだわっていて、コーヒー本来の香りや味わいを楽しんでほしいので、閉店後、少量ずつ焙煎しています」(東海さん)
コーヒーは全部で4種類。
紅茶のような風味や口当たりを持つティーライクな「ブレンド」、コーヒーらしいガツンとした苦みを楽しめる「本日のコーヒー」、カフェインが苦手な人にオススメの「デカフェ」、そして東海さんイチオシの「スペシャルモカブレンド」です。
自家焙煎にこだわる東海さんですが、スペシャルモカブレンドだけは“焙煎の師匠”と慕う富山市の「1000 coffee.」で焙煎してもらっているんだそう。
「焙煎の加減が絶妙、おいしいんです。私が焙煎したブレンドをオススメしたいところなんですが、コーヒー通の方には、スペシャルブレンドをぜひ飲んでもらいたいです」(東海さん)
クリームたっぷり! 香り高いコーヒーに合うワッフルサンド
東海さんこだわりの香り高いコーヒーと一緒に楽しむなら、「ワッフルサンドバナナ」がオススメ。ふわっとした口どけのワッフルにバナナをはさみ、たっぷりのクリームで包み込みんでいるんですが…写真の通り、クリームの量が半端ありません。
クリームは甘さ控えめでさらっとした舌触り。軽い口どけで、しっかりコクや苦みを効かせたコーヒーとの相性も抜群です。
「ケーキみたいな感覚で楽しんでもらえたらと思って作りました。ワッフルはもっちもちにこだわっていて、時間が経ってもしっとりとした食感を楽しめますよ」(東海さん)
ほかにも、ワッフルサンドバナナとは違う食感を楽しめる直径18cmのワッフルケーキや、県産コシヒカリの米粉をつかったマフィン、客からの要望でメニューに加わったというパスタやサンドウィッチなどの軽食も楽しめます。
ペット同伴OK 一緒にリラックスできるサードプレイスに
学生のころからカフェが好きでよく通っていたという東海さんにとって、カフェは特別な場所なんだそう。
「私にとってカフェは、自宅(ファーストプレイス)や学校・職場(セカンドプレイス)とは違う、気軽に立ち寄れることができて、ほっとできるサードプレイス。なので、ここが誰かのサードプレイスになれたらうれしいです。勉強やリモートワークでの利用も大歓迎です」(東海さん)
ちなみにカフェ「Cafe moca」の“moca”は、愛犬の名前で、カフェスペースはペット同伴OK。
わんちゃん用のカップケーキなども不定期で販売しています。愛犬と一緒にくつろぎのひとときを過ごすのもよさそうです。
オトギノハコ
- 住所
- 富山県氷見市加納445-3
- 営業時間
- 火・水・木曜日 11:00~16:00
日曜日 11:00~18:00 - 定休日
- 月・金・土曜日
- 電話番号
- 070-8598-5677
- 公式SNS
- Instagram「otoginohako」
※この記事は、2025年9月24日に北日本放送「nan-nan」で公開された記事を転載したものです。
