珍地名「月まで3㎞」の由来を調査 2つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

提供:テレビ静岡

 

浜松市天竜区には、「月まで3㎞」という何とも不思議な道路標識があります。標識が示す先は、天竜川のほとりにある「月」という地名。

ロマンチックな地名の由来を調査すると、2つの説が浮かび上がってきました。

 

トンネル周辺で発見「月まで3㎞」の案内板

浜松市天竜区にとてもロマンチックな地名があるということで、テレビ静岡の室伏真璃アナウンサーが調査しました。

 

向かったのは、浜松駅から北へ約30㎞の場所です。

 

まずは天竜川の上流、船明(ふなぎら)ダム湖周辺を捜索することにしました。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】
船明隧道の手前を左へ

国道152号線を北上し、船明隧道のトンネルには入らず、左へ分岐する県道360号線へ進みます。

 

少し歩くと何とも不思議な、「月まで3㎞」と書かれた青い案内板を発見しました。読み方は「Tsuki(つき)」。月へと導かれているようです。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】
「月まで3km」と書かれた案内板

ちょうど標識の写真を撮影している人がいたので、話を聞いてみることにしました。

 

写真を撮っていた男性:
Googleマップに載っていたので「月まで3㎞」を撮りに来たんです。月までは行かないんですけど、これだけ撮りに来ました

 

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左)テレビ静岡・室伏真璃アナウンサー 右)写真を撮っていた男性

話を聞くと「月まで3㎞」の標識と愛車のバイクとのツーショットを撮ることが目的で、隣の愛知県岡崎市から来たそうです。

 

3㎞先の「月」へは行かずに写真を撮るとUターン、このあとは、浜松餃子を食べて帰るのだとか。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

標識から3㎞先には、一体何があるのでしょうか? さらに興味が湧いてきました。

 

標識の先で見つけた「月橋」

室伏アナウンサーはもちろん、「月」の現地調査へ向かいます!

 

船明ダム湖の右岸を北上し、標識の先へ車を走らせること約6分。「月橋」を発見しました。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

一緒に「ここは浜松市月」と書かれています。

 

浜松市天竜区には、「月(つき)」という地名があるのです。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

 

月はボート競技の聖地

「月」は、ボート競技の聖地と呼ばれる場所でもあります。

 

毎年3月に船明ダムのボート場で、高校ボート部の全国大会が開催されています。

 

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毎年3月に高校ボート部の全国大会が開催

月橋から少し戻って、聞き込みのために「浜松市天竜ボート場」へ向かうことにしました。

 

ここにいる人に「月」という地名の由来を聞いてみましょう。

 

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三日月の形をした中州が由来

さっそく天竜ボート場を管理する天龍遊船の鈴木順三さんと鍬竹光次さんに「月」という地名の由来を聞いてみました。

 

お2人にとって「月」という地名は、もう慣れてしまって珍しくもなんともないようですが、由来は知っているのでしょうか。

 

天龍遊船・鈴木順三さん:
中州が三日月の形をしていたので「月」と付けたと聞いたことがあります

 

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左)天龍遊船・鈴木順三さん 中央)天龍遊船・鍬竹光次さん

船明ダムができる前、天竜川に三日月の形をした中州があったという言い伝えがありました。

 

さらに天竜ボート場の皆さんによると、別の説もあるそうです。地元の歴史に詳しい人を訪ねることになりました。

 

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玄関先で「月の石」を発見

もう一つの由来を調査するため、「浜松市立天竜自然体験センター 湖畔の家」を訪れました。

 

この施設に地元の歴史に詳しい方がいるそうです。

 

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テレビ静岡・室伏真璃アナウンサー:
さっそく、すごいものを見つけちゃったんですけど。月の石と書いてありますよ

 

施設に入ると、玄関先でなんと「月の石」を発見しました。

 

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本題に入る前に、湖畔の家の内山透所長に「月の石」について聞いてみました。

 

湖畔の家・内山透所長:
“ここの月”の石です。まあジョークでしょうかね。あの月の石じゃなくて、こちらの地区の石です

 

雰囲気のある石だったため、本当に月の石なのかと思ってしまいましたが、実は駐車場に落ちていた石ころ。地名の「月」にかけたジョークだったようです。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

 

南北朝時代の伝説が残る地名

ここから本題へ。「月」という地名に残るもう一つの由来を教えてもらいました。

 

湖畔の家・内山透所長:
南北朝の時代に戦に負けて逃れてきた一族が、ここをすみかにしたという歴史があります。月のように心が清らかな親方である楠木正成を思って、ここを月という地名にしたという説があります

 

この説は月にある「月光山 海蔵寺」に残る伝説からきています。

 

珍地名「月まで 3 ㎞」の由来を調査 2 つの説が浮上【静岡県浜松市天竜区】

南北朝時代の武将・楠木正成が命を落とした後、その家臣たちは天竜川上流に逃れ、野山を切り開き、村をつくったとされています。

 

その際、月のように清らかな心を持っていた正成を思い、「月」という地名を付けたといわれています。「月」という地名の由来には、こんなすてきな伝説もあったのです。

 

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満月の夜にはお月見を楽しむ

そんな月では今でも地元の人たちと月との関わりが特別です。

 

湖畔の家・内山透所長:
今でも観月会できれいな月を愛でて、ちょっとしたミニコンサートを開催しています

 

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湖畔の家で開催される観月会の様子

満月の夜には天竜川の水面にきれいな月が映ることもあるそうです。

 

三日月の形をした中州と、南北朝時代の武将への敬意。

 

2つの由来を持つ「月」という地名には、この地に住む人々のロマンと歴史が息づいていることが分かりました。

 

 

※この記事は、2025年11月8日にテレビ静岡「テレしずWasabee」で公開された記事を転載したものです

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