歌舞伎の女形として芸の道に身を捧げる男たちの生き様を描き、現在大ヒットを記録している映画『国宝』。そのロケ地である兵庫県豊岡市の芝居小屋「出石永楽館(いずしえいらくかん)」で、映画小道具の特別展示が開催されています。
館内には主人公たちの楽屋シーンのセットを完全再現した部屋をはじめ、実際に撮影で使用された数々の小道具が展示されていて、日本映画史に残る作品の世界観をリアルに堪能できます。
社会現象を巻き起こす驚異の大ヒット作『国宝』
芥川賞作家・吉田修一の同名小説を実写映画化した『国宝』(監督・李相日)は、仁侠の家に生まれながら、歌舞伎役者の道に飛び込んだ主人公・喜久雄(吉沢亮)と、歌舞伎の名門一家で育ち、将来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)という、正反対の血筋を持つライバル同士の壮絶な青春を描いたエンターテインメント作品です。
2025年6月6日の公開から約2カ月間での観客動員数は780万人以上、邦画実写作品として22年ぶりとなる興行収入100億円超えの大ヒットを記録中で、第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも選出されています。
ロケ地「出石永楽館」が『国宝』一色に!
1901(明治34)年開館の「出石(いずし)永楽館」は、近畿最古の芝居小屋として知られ、歌舞伎や新派劇、寄席の上演、活動写真(映画)の興行が行われるなど、但馬の大衆文化の中心として栄えてきた歴史ある建物です。
時代の波にのまれ、1964(昭和39)年に閉館したものの、2008(平成20)年に大改修を経て復活。現在は兵庫県指定の重要有形文化財として一般公開されています。
永楽館は、『国宝』メインキャストの吉沢亮さんと横浜流星さんのクランクインの場となった特別なロケ地。現在、建物の周りには役者ののぼりが立ち並び、映画の世界そのままの景色が再現されています。
展示のなかでも特に注目したいのが、喜久雄と俊介の楽屋シーンを撮影したセットの再現コーナーです。楽屋内には、劇中で喜久雄が実際に使用した鏡台が置かれています。
楽屋に入って鏡台の前に座れば、まるで喜久雄になったかのような気分が味わえます。
ほかにも、喜久雄と俊介が永楽館で演じた演目「二人藤娘」が描かれた歌舞伎絵や、人間国宝・小野川万菊(田中泯)の楽屋に飾られていた屏風絵など、撮影で実際に使われた数々の小道具が並べられています。
また、日本舞踊で使われる「藤の持ち枝」の貸し出しも行われていて、本物の舞台で「二人藤娘」を舞うという貴重な体験も可能です。
永楽館での小道具展示は9月中旬まで実施され、その後10月上旬までは「出石家老屋敷」に場所を移して公開される予定です。また、豊岡市役所出石庁舎や図書館出石分館など、出石町内の4施設でも一部の小道具の展示が行われています。
原作者・吉田修一をして「100年に1本の壮大な芸道映画」と言わしめた、日本映画史に残る金字塔『国宝』。そのディープな世界を肌で感じ、さらに自ら演じて没入できる作品聖地へと足を運んでみませんか?
出石永楽館
- 住所
- 兵庫県豊岡市出石町柳17-2
- 小道具展示
- 2025年9月中旬まで
※9月中旬〜10月上旬は「出石家老屋敷」(豊岡市出石町内町98-9)で展示 - 開館時間
- 9:30〜17:00(最終入館 16:30)
- 休館日
- 木曜 ※休館日のほか、貸館時は見学不可
- 入館料
- 大人 400円、学生 240円、中学生以下 無料
- アクセス
- 【電車】JR「豊岡」駅、「江原」駅、「八鹿」駅からバスで約30分
【車】北近畿豊岡自動車道「八鹿氷ノ山」ICから約30分 - 詳細
- 「出石永楽館」公式サイト
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