麻布台ヒルズで開催中「高畑勲展」をレポート。パパンダに会える夏♪限定喫茶やグッズも充実

麻布台ヒルズで開催中「高畑勲展」をレポート。パパンダに会える夏♪限定喫茶やグッズも充実

提供:ことりっぷ

 

2025年は、高畑勲の生誕90年。そして、創作の背景にも重なる太平洋戦争の終戦から80年という節目の年のタイミングで開催する展覧会「高畑勲展 ―日本のアニメーションをつくった男。」が、麻布台ヒルズ ギャラリーにて6月27日から9月15日まで開催中です。

 

 

この夏、高畑勲のアニメーションを知る

この夏、高畑勲のアニメーションを知る ©1991 Hotaru Okamoto, Yuko Tone/Isao Takahata/Studio Ghibli, NH

本展示では、『パンダコパンダ』や『アルプスの少女ハイジ』 など、時代を彩った数々の名作が並びます。

スタジオジブリ全面協力のもと『火垂るの墓』に焦点をあてた展示では、本展初公開となる貴重な資料にも触れられる特別な構成となっています。作品の世界観を味わえる喫茶や、限定グッズ、パパンダのフォトスポットなど、その展覧会の様子をレポートします。

 

左から、爆笑問題 太田光さん、スペシャルサポーター 映画監督 岩井俊二さん

オープニングセレモニーでは、高畑勲監督の作品に注がれてきた想いや、その歩みの深さが伝わってくる貴重なお話も。太田光さんは、自然な描画が美しい『ホーホケキョ となりの山田くん』を、岩井俊二さんは、見た瞬間に衝撃を受けたという『太陽の王子 ホルスの大冒険』を印象的な作品として挙げていました。

岩井俊二さんセレクトによる音楽や、作品をより深く知れる音声ガイドに耳を傾けながら展示空間に浸るのもおすすめですよ。

 

まっすぐなまなざしに、迎えられて

まっすぐなまなざしに、迎えられて 高畑勲 肖像写真 撮影:篠山紀信

展覧会の始まりは、静かに佇む一枚の肖像から。背後には、制作現場での様子や仲間たちとの時間を写した写真が並び、作品の向こう側にある姿がそっと浮かび上がる空間です。

 

高畑勲の原点にふれる

 高畑勲の原点にふれる
「かぐや姫の物語」へとつながる静かな出発点

展示の冒頭で目にする『ぼくらのかぐや姫』ということば。高畑勲が演出家として歩み始めたきっかけとなり、“竹取物語”をどう描くか、その構成を丁寧にノートへ綴っていました。そして半世紀の時を経て、遺作となった『かぐや姫の物語』へとつながっていくのです。

 

はじめて手がけた長編アニメ

はじめて手がけた長編アニメ
『太陽の王子 ホルスの大冒険』©︎東映

東映動画(現・東映アニメーション)入社時代、高畑勲が初監督をつとめた長編アニメーション『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)は、少年ホルスが仲間とともに生きる道を選びながら成長していく物語。若き日の宮崎駿も制作に参加しています。高畑勲、宮崎駿がともに歩きはじめた、その“原点”を感じることができます。

映像や音楽にも目を向けながら、作品の世界にゆっくりと浸ってみてくださいね。

 

「日常」のたのしさを描く 『パンダコパンダ』

「日常」のたのしさを描く 『パンダコパンダ』
微笑ましい映像に心がやわらぐ『パンダコパンダ』©︎TMS

1972年公開の『パンダコパンダ』と、その翌年の『雨ふりサーカスの巻』は、宮崎駿が原案・画面設定を担当し、高畑勲が脚本・演出を手がけた作品。まるで絵本をめくるかのようにミミ子、パパンダ、パンちゃん、のかわいらしい世界が広がり、ふたりのユーモアと愛情がすみずみにまであふれています。

 

宮崎駿によるやさしいタッチで描かれたレイアウト『パンダコパンダ』©︎TMS

 

テレビアニメーションのはじまり

テレビアニメーションのはじまり
『アルプスの少女ハイジ』 ©ZUIYO「アルプスの少女ハイジ」公式HP www.heidi.ne.jp

60年代は演出家として歩み始めた時代に触れ、70年代は子どもたちのまなざしに寄り添った「日常」を描くテレビアニメの時代、少年、少女たちの物語へと歩みを進めます。

『アルプスの少女ハイジ』(1974年)では、記念碑的なシーンとも言えるハイジがブランコに乗るオープニング・フィルムのラフ原画や宮崎駿によるレイアウトも展示されています。映像とともに懐かしい音楽が流れるあたたかな空間です。

 

『母をたずねて三千里』 ©NIPPON ANIMATION CO., LTD. 『赤毛のアン』 ©NIPPON ANIMATION CO., LTD. "Anne of Green Gables"™AGGLA

海外までロケハンに赴き描かれたアニメーションの世界。雄大な自然、遠い街並みのなかで紡がれる、主人公たちの成長と、日常生活の喜びや悲しみがていねいに描かれています。記憶の奥にあるシーンが、そっとよみがえり、懐かしいキャラクターたちとの再会も。

 

作品の舞台は日本へ

作品の舞台は日本へ
実際の生活体験をもとに描かれたリアルな大阪の町並み『じゃりン子チエ』 ©はるき日/家内工業舎・TMS

大阪の下町を舞台に、元気な少女チエと、まわりの人々の日常を描いた『じゃりン子チエ』(1981年)。音楽と動物たちとふれあいを描いた、宮沢賢治原作の『セロ弾きのゴーシュ』(1982年)へと展示は続きます。

スタジオジブリの設立に参加する1985年を含む80年代以降は、舞台を日本に移し、日本文化や日本人を照らすアニメーションへと作品の雰囲気も変わっていきます。

 

(右上)『じゃりン子チエ』展示エリア ©はるき日/家内工業舎・TMS /(左・右下)『セロ弾きのゴーシュ』水墨画風に描かれた背景画やシーン映像 ©オープロダクション

 

『火垂るの墓』幻のカット、初公開

『火垂るの墓』幻のカット、初公開
『火垂るの墓』展示エリア ©野坂昭如/新潮社,1988

『火垂るの墓』(1988年)の展示では、新たに発見された幻の資料が初公開となります。
現在、監督として活躍する庵野秀明が、原画スタッフとして参加していた当時に描いた、かつて実在した日本海軍の艦「重巡洋艦摩耶」のレイアウト。それをもとに、絵画のようなタッチで仕上げられたハーモニーセルが並んで展示されています。静けさの中に佇む、特別な一角に注目です。

 

「重巡洋艦摩耶」レイアウト:庵野秀明 ハーモニーセル:樋口法子 © 野坂昭如/新潮社,1988 ©野坂昭如/新潮社,1988

映画からそのまま飛び出してきたような、リアリティのある原画や背景画。節子や清太の色彩設定など細やかな資料に目をとめるたびにあふれ出す想いがあります。戦後80年という節目に寄り添うような、静かに思いをはせたくなる空間です。

 

『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』変わりゆく時代、変わらない想い

『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』変わりゆく時代、変わらない想い
『おもひでぽろぽろ』セル画+背景画 ©1991 Hotaru Okamoto, Yuko Tone/Isao Takahata/Studio Ghibli, NH

『おもひでぽろぽろ』(1991年)の展示では、キャラクター設計や里山の美しい背景美術を間近に。かつてないレベルまで追求したという、写実表現の美しさに思わず引き込まれます。

『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)では、タヌキたちの表情豊かなキャラクター設定や、変化する街並みの描写に触れられ、高畑勲監督の日本文化への深い想いが感じられます。展示空間に立つと、まるで登場人物たちの暮らしにそっとお邪魔しているような、そんな気持ちになりますよ。

 

『平成狸合戦ぽんぽこ』展示エリア 右手にはタイトルバックにも使われたマンダラも©1994 Isao Takahata/Studio Ghibli, NH イメージボード ©1994 Isao Takahata/Studio Ghibli, NH

 

シンプルな線で描く「日常」と「物語」

シンプルな線で描く「日常」と「物語」
『ホーホケキョ となりの山田くん』展示エリア ©1999 Hisaichi Ishii/Isao Takahata/Studio Ghibli, NHD

ごく普通の山田一家の日常を、短編形式でほのぼのと描いた『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年)は、手描きの水彩のタッチをコンピューターで再現する、前例のない技法に挑んだ意欲作。クスッと笑ってしまうようなシーンには思わず足を止めて見入ってしまいます。一見シンプルな線と淡い色彩の裏側には、想像を超えるほどの情熱と試行錯誤が重ねられていることを知る作品でもあります。

そして、その技法をさらに発展させて取り入れたのが、原作に寄り添い描かれた長編映画『かぐや姫の物語』(2013年)。表現への歩みはさらに続いていきます。

 

(左上)『かぐや姫の物語』へとつづく通り道 (右上)イメージポスター、ボード(左下)疾走シーンの原画(右下)シーン映像や原画などの展示エリア『かぐや姫の物語』 ©2013 Isao Takahata, Riko Sakaguchi/Studio Ghibli, NDHDMTK

線画で、かぐや姫の激しい感情を表現した、躍動感のあるシーン映像など、8年もの歳月をかけたという集大成ともいえる作品空間。2秒間のシーンに50枚上もの原画を繋ぎ合わせたという映像は必見です。
高畑勲のアニメーションの軌跡をたどる結びとなる展示。線画に込められた、そのまなざしに触れてみてください。

 

『かぐや姫の物語』原画 ©2013 Isao Takahata, Riko Sakaguchi/Studio Ghibli, NDHDMTK

 

「喫茶 高畑勲」作品の世界を楽しめるコラボメニュー

「喫茶 高畑勲」作品の世界を楽しめるコラボメニュー
パンちゃん親子の竹やぶミルク(1,280円)/ ミミ子の目玉焼きデザートプレート(1,580円)/コラボドリンクセット(2,500円)

ひとつ下のフロアでは、展覧会限定の「喫茶 高畑勲」がオープン。ミミ子が焼く目玉焼きをイメージした、レアチーズケーキが目を惹くデザートプレートやコラボドリンクなど、見た目も楽しいラインナップです。展覧会の余韻に浸りながら、ほっとひと休みするのにもぴったりですよ。

 

「喫茶 高畑勲」外観 / (左下)パパンダカレー(1,780円)

 

限定グッズ&「パパンダ」に飛びつける♪フォトスポット

限定グッズ&「パパンダ」に飛びつける♪フォトスポット
【展覧会限定】豆皿(各1,320円)

喫茶横のミュージアムショップでは、展覧会限定の飾って楽しむこともできる豆皿や、手に取りたくなるマグカップ、原画をあしらったブックカバーやステーショナリーなど思わず迷ってしまうほどの品ぞろえ。オリジナルアイテムも充実しています。お気に入りの作品とともに、思い出をお土産に。

 

(左上)ミュージアムショップ外観 /【展覧会限定】(右上)マグカップ (各3,780円)/(左下)ブックカバー(各660円)/(右下)手ぬぐい(各2,200円) パンちゃんがパパンダに抱きつくシーンをイメージしたフォトスポットコーナー

そして、ショップ奥のフォトスポットコーナーにはパンダコパンダの大きな「パパンダ」が登場♪
天井に設置されたカメラで真上から撮影します。パンちゃんのように、もふもふのおなかに抱きついたり、寝転んだり好きなポーズで楽しんで。撮影後は、係の方からQRコードを受け取り写真をダウンロードしてくださいね。

 

いかがだったでしょうか?

アニメーション作品に込められた深い想い、描かれた線のぬくもり。
この展覧会が、日常のなかに小さな気づきや余韻を残す時間になりますように。

 

「高畑勲展 ―日本のアニメーションをつくった男。」は、1960年代から半世紀にわたり、日本のアニメーションとともに歩んできた、映画監督・高畑勲の軌跡を作品とともに辿ります。
7月25日からは展覧会と連動したイベントも続々と開催予定です。最新情報は公式サイトをぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

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