日本列島のほぼ中心、雄大な富士山の南に広がる駿河湾。その沖にぽっこりと浮かぶ小さな無人島に、リゾートホテル「淡島ホテル」はたたずんでいます。ホテルへのアクセスは、なんと船のみ。
南仏をイメージした高級感あふれる館内は、ダリやロダンをはじめとした名画や彫刻が多数展示され、まるで美術館のよう。全客室から富士山と海を見渡す、「淡島ホテル」での宿泊体験記をお届けします。
東京から淡島へ、新幹線と無料送迎バス・船で約90分!
駿河湾に浮かぶ無人島「淡島(あわしま)」は、1周約2.5キロメートル、歩いて40分ほどで1周できる小さな島です。
島全体が国定公園に指定されていて、手つかずの豊かな自然に囲まれています。そんな環境に、東京からわずか90分ほどでアクセスできることに驚きます。
電車で行く場合は、東京から三島駅まで新幹線で約45分。三島駅から船着場まで無料シャトルバスが運行していて、所要時間は30~40分ほど。バスは3列シートでゆったりとしています。そして、無料の送迎船で5分ほどで淡島に到着します。
車の場合は、東名・沼津ICか、新東名・長泉沼津ICから30~40分。船着場には無料の駐車場があります。
ちなみに、淡島島内にはドリンクやお菓子、おつまみなどを買えるお店がないので、必要なものはバスに乗る前に三島駅で買っておくのがおすすめです。
シャトルバス
- 運行時間
- 三島駅北口発 13:30、16:00(前日16:00までに要予約)
ホテル発10:35ロビー集合→10:50送迎船出航→11:00バス発車 - 所要時間
- 約40分
- 料金
- 無料
淡島ホテルは、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する小原鞠莉の実家「ホテルオハラ」のモデルになっていて、ラブライブ!ファンの聖地としても有名。船にも『ラブライブ!サンシャイン!!』のラッピングが施されています。
約5分間の船旅の途中、見えてきたのは雄大な富士山! 駿河湾の青い海と富士山を、さえぎるものなく望めます。
駿河湾は水深2,500メートルという日本一の深さを誇り、標高3,776メートルの日本一高い富士山との高低差はなんと6,000メートル以上。この駿河湾×富士山の絶景が、淡島ホテルの魅力のひとつです。
海は海底が見えるほど透明度が高く、ソラスズメダイという青く美しい魚の群れが見えることも。
送迎船
- 運航時間(陸側発)
- 7:30~18:30 15分間隔、18:30~22:00 30分間隔
- 所要時間
- 約5分
- 料金
- 無料
南仏を思わせるピンクの外観がかわいい淡島ホテルは、1991年に銀行のオーナーが顧客のための迎賓館として、芸術と音楽をテーマに開発したもので、今でも著名なアーティストの作品や調度品を見ることができます。
館内に入ると、高級感あふれるロビーが広がります。床や壁にはまばゆいほど美しい大理石が使用され、ゲストを非日常のラグジュアリーな世界へと誘います。
客室は全室、駿河湾と富士山の絶景を楽しめる!
淡島ホテルの大きな魅力は、なんといっても眺望。全室にバルコニーやテラスがあり、駿河湾越しの富士山を見渡せます。
ホテルのコンセプトは「何もない贅沢」。無人島ゆえ、ホテルの周りに観光スポットや飲食店が充実しているわけではありませんが、リビングのソファやバルコニーのチェアに座り、目の前の絶景をただただ眺める贅沢な時間に浸れます。
オーシャンビュー・スイート
客室は60室あり、全室、リビングとベッドルームが分かれたスイート仕様。スタンダードな客室「オーシャンビュー・スイート」でも約59平米もあり、上質なインテリアに囲まれて優雅なひとときを過ごせます。
「オーシャンビュー・スイート」の定員は3名。ベッドルームにはベッドが2台置かれ、3人で宿泊する場合はエキストラベッドを利用できます。
館内には温泉の大浴場もありますが、客室のバスルームで富士山を独り占めする時間も最高に贅沢です。
湯上がりには、バスローブと上下セパレートのルームウェアがスタンバイ。ルームウェアは大浴場に行く際も着用できます。
スキンケアアメニティとして、POLA「カラハリ」のメイク落とし・洗顔料・化粧水・乳液も用意。「砂漠の水がめ」と呼ばれるアフリカ・カラハリ砂漠に生きるカラハリスイカの果汁を配合し、しっとりみずみずしい肌へと導いてくれます。
淡島スイート
特別な日に泊まりたい客室が、淡島ホテルで最も広い、約190平米の特別室「淡島スイート」(定員3名)。
広々としたリビングとベッドルーム、バスルーム、ウォークインクローゼットのレイアウトで、海を思わせる青を基調としたイタリア家具や日本画家・三輪良平さんの絵画が洗練さを添えています。
驚くほど広いバスルームや2つのバルコニーからは、駿河湾と富士山を一望。ホテル最上階の7階に位置するため、申し分ない見晴らしです。
特別室「淡島スイート」は、アメニティも特別なものを用意。タイ発のナチュラルスキンケアブランド「THANN(タン)」のシャンプー、コンディショナー、シャワージェル、ソープバー、ボディーバターが備わり、より優雅なバスタイムを楽しめます。
天然温泉の大浴場でも富士山の大パノラマを堪能
日が落ちる前に、天然温泉の大浴場へ。まるで海とつながっているかのような内湯と露天風呂があり、地下約1,000メートルから汲み上げたナトリウムー塩化物泉を堪能できます。
露天風呂からは、さえぎるもののない駿河湾と富士山の大パノラマが。打ち寄せるさざなみの音に耳を傾け、絶景を眺めながら温泉に浸かる――。淡島ホテルに宿泊した人だけに許される極上の体験です。
大浴場
- 利用時間
- 14:30~23:00、6:00~10:00
ラウンジではフリードリンクサービスも。ワインを片手に夕日を観賞
2階のラウンジでは、15:00~19:00と7:00~10:00の間、ワインをはじめ、コーヒーや紅茶、ジュースなどの無料サービスが用意されます。
ラウンジはサンセットを望む特等席。ワインを片手に、伊豆半島に沈む夕日と赤く染まる富士山を眺める、淡島ならではの心ほどけるひとときを過ごせます。
この日の富士山は裾のまで見渡せ、芸術的な雪と雲のかかり方にも感動! 美しい風景に、心から淡島ホテルに来てよかったと感じました。
ディナーはサルバドール・ダリのアートに囲まれ、本格フレンチに舌鼓
館内にはフレンチレストラン「アイランド」と日本料理レストラン「櫂(かい)」があり、この日の夕食はフレンチをチョイス。三島野菜や駿河湾で獲れた鮮魚など、地元の旬の味覚をフレンチのフルコースで楽しめます。
店内に飾られているアートはすべて、スペインの巨匠、サルバドール・ダリの作品。アートを鑑賞しながら、美しい料理を楽しめるのも「アイランド」の魅力です。
メニューはシーズンごとに変わりますが、この日の1品目は「富士宮産 “富士山サーモン” のピカタと白身魚のきのこのテリーヌ きのこドレッシング」。
「富士山サーモン」は富士山のミネラルを豊富に含んだ湧き水で育ち、深い甘みが特徴です。イチョウ型に象られたテリーヌ、彩り豊かな野菜のおいしさと美しさに、1品目から心まで満たされました。
2品目はカプチーノ仕立ての「伊豆半島で採れたバターナッツのポタージュ」。繊細な口当たりで、濃厚なバターナッツの旨みを感じられる一品です。
淡島周辺は海の幸も山の幸も豊富。3品目は、淡島に近い、沼津港に水揚げされたヒラメの香草焼き。クリーミーな白ワインソースにセロリのオイルが爽やかさを加え、フワフワで肉厚なヒラメとの相性も抜群!
4品目は国産牛フィレ肉のグリエ。ポルトガルのマディラ酒にフォンドヴォーを合わせたソースが、フィレ肉の奥深い味わいを一層引き立てます。
コースを締めくくるデザートはいちごのムース。名画に囲まれ、伊豆の豊かな食材を堪能したディナーは、心に残る特別な体験となりました。
ロダンにゴーギャン―― 館内のアートを鑑賞
ディナー後、レストランを出て、そのまま2階の回廊でアートを鑑賞。ここにはオーギュスト・ロダンの彫刻、ポール・ゴーギャンの絵画、イランから出土した12世紀の焼きものなど、貴重なアートがずらりと展示されています。
美術館に並ぶような作品を、無料で鑑賞できるのはとても贅沢。さながら“泊まれる美術館”です。たとえ雨の日でも、退屈とは無縁です。
スパークリングワインも味わえる朝食ビュッフェ
翌朝はテラスレストラン「ル・ファール」で朝食を。伊豆の地野菜、富士の湧水で育ったブランド豚のロースハムやソーセージなど、静岡周辺の食材をビュッフェスタイルで楽しめます。
りんごジュースをベースにしたクレソンと小松菜の「百歳ジュース」を目覚めの一杯に味わったら、温かいスープや新鮮なサラダに舌鼓。
気候がいい時期には、海が見えるテラス席で、朝の光を浴びながらゆったりと味わうのもおすすめです。
さらに、ビュッフェ台にはスパークリングワインも並びます。朝からスパークリングワインを好きなだけ味わえるなんて、最高に贅沢です。
宿泊者は島内の水族館が無料に
朝食後は島内を散策。ホテルから徒歩数分のところには、水族館「あわしまマリンパーク」があり、淡島ホテルの宿泊者は入場無料です。イルカショーのほか、アザラシやアシカ、ペンギンなどかわいい海の生き物に出会えます。
体力に余裕があれば、標高137メートルの「淡島神社」まで軽いハイキングを楽しむのもおすすめです。少し急なところもありますが、階段を登ると、弁財天を祀る淡島神社に到着します。自然に囲まれた神社は厳かな雰囲気で、山を登りきった達成感も得られますよ。所要時間は往復約50分です。
釣り好きなら、ホテル内で釣りを楽しむのもおすすめ。基本的に、淡島では釣りは禁止されていますが、ホテル敷地内の海軍桟橋に限り、宿泊者は釣りができます。許可証の料金は2,500円(税別)。道具のレンタルはないため、釣り道具を持参しましょう。
また、淡島ホテルの敷地内にはひっそりとワインセラーが存在し、中を見学させてもらえるかもしれません。(見学できない場合もあるので、詳しくはフロントにお問い合わせください)
保管されているワインの中には、1959年のロマネ・コンティや1959年のシャトー・マルゴーなど、貴重な年代物のワインも。閉ざされたトンネルの中で、迎賓館に招待されたゲストたちがワイン談義を楽しむ……そんな90年代の大人の社交場を想像させる、貴重な空間です。
淡島での滞在を満喫し、11:00発の無料シャトルバスで三島駅へ。それ以降に帰る場合は、船着場からタクシーで伊豆長岡駅に向かい、伊豆箱根鉄道で三島駅まで行くことも可能です。
船旅気分でたどり着く、無人島のリゾート「淡島ホテル」。船上や客室、露天風呂から望む富士山は感動的な美しさです。そして貴重なアート作品が飾られた、大理石のラグジュアリーな空間も心が躍ります。次の休日は、東京から約90分でアクセスできる非日常の空間を訪れてみませんか?
淡島ホテル
- 住所
- 静岡県沼津市内浦重寺186
- アクセス
- 【電車】東海道新幹線「三島」駅より無料送迎バスで約30分
【車】東名「沼津」IC・新東名「長泉沼津」ICから約40分
船着場から無料送迎船で約5分 - 駐車場
- 無料
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン20:00)
- チェックアウト
- 11:00
- 総部屋数
- 60室
取材・撮影・文:小浜みゆ
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