白い壁が陽光に輝き、カラフルな扉やタイルが青い海と空に映える……。
ここは、まるで地中海の街角をそのまま切り取ったようなリゾートホテル「志摩地中海村」。一歩足を踏み入れれば、非日常の時間が流れ始めます。
約10,000坪の広大な敷地には、異なるテイストの客室や天然温泉のスパ、グルメを楽しめるレストランやショップが点在。どこを歩いてもフォトジェニックな風景に出合え、まるで海外を旅しているような気分に。
パスポートなしで海外旅行気分を味わえる「志摩地中海村」で、心躍るひとときを過ごした1泊2日の滞在をお送りします。
目次
- ・アクセス
- ・志摩地中海村ってどんなところ?
- ∟歴史
- ∟5つのゾーン
- ・客室
- ∟ラグジュアリースイート
- ∟プライベートヴィラ
- ・カフェ
- ・スパ・アルハンブラ(大浴場)
- ・ディナー
- ・夜の散策
- ・朝食
アクセス
異国情緒あふれる「志摩地中海村」へ
三重県志摩市・英虞湾の高台にたたずむ「志摩地中海村」。自然豊かで、海を目の前にした伊勢志摩国立公園内のリゾートホテルです。白壁の街並みやカラフルな扉が続く景観は、「本当に地中海を旅しているよう」と、全国有数のSNS映えスポットとしても話題を集めています。
「志摩地中海村」へは、「名古屋」「大阪」「京都」から近鉄特急で約2〜3時間ほど。最寄り駅の近鉄「鵜方」駅からは無料送迎バスに乗り約15分で到着します。
近鉄「賢島」駅から海上タクシー「Entrada賢島」で向かう方法もあります。ミニクルーズ気分も味わえ、旅の始まりをいっそう特別にしてくれます。
(※無料送迎バス・海上タクシーはいずれも要予約)
「志摩地中海村」ってどんなところ?
歴史
「志摩地中海村」の始まりは、地中海の美しい景観に魅了された人々が「理想のリゾートを日本に作ろう」と夢を描いたことにあります。友人同士であった彼らは、何度も地中海を訪れ、当時のスペイン・インテリア協会・副会長ルイス・コルベーラ氏に監修を依頼し、瓦やタイルなどの建築資材を直輸入。本場さながらの雰囲気を再現し、1993年に会員制の別荘村として誕生しました。その後2010年には、カフェやショップなども加わり、リゾートホテルへと全面リニューアル。一般の人々も訪れられるようになり、誰もが「パスポートのいらない地中海」を楽しめる場所として愛され続けています。
瓦から窓、室内装飾の小物に至るまで建築材料はほとんどスペインから集めたもの。そのため、写真を撮れば、そこに映るのはまるで海外旅行に来たような一枚に。
5つのゾーンを散策
チェックインは15時から。早めに到着したらフロントに荷物を預けて、まずは街並み散歩へ出かけてみましょう。
リゾート内は「サルジニア」「アンダルシア」「カスティーリャ」「ミコノルカ」「アルハンブラ」の5つのゾーンに分かれ、それぞれ異なるヨーロッパの街並みを再現しています。
・サルジニアゾーン
エントランス前は、イタリア本島西側に浮かぶ地中海の島「サルジニア島」をモデルにしたゾーン。イラストが描かれた土壁の建物やカラフルな階段は、撮影の定番スポットです。
このゾーンのシンボルが「プラザマジョールの噴水」。本場スペインの製陶会社「アルテサニア・タラベラーナ社」に制作を依頼して作られたそうで、小さな動物たちの装飾がなんともかわいらしい!
・アンダルシアゾーン
サルジニアゾーンを東へと進んでいくと、そこはスペイン南部・アンダルシア地方のロンダ・カサレスを再現したゾーン。白壁に黄色の鉢が映えます。
白い壁を基調とした明るい街並みの中には、カフェやサロンが点在。オレンジやグレープフルーツをそのまま絞った100%フレッシュジュース「グリグリ」が人気のカフェ「ペスカドール」はここに。ジュースを片手に英虞湾を望めば、まるでバカンス気分です。
・カスティーリャゾーン
マドリードの南に広がるスペイン中部に位置するカスティーリャ地方をイメージしたゾーンは、素朴な石積みの窓を持つ建築など、全体に山岳的な雰囲気を醸しだすエリア。
ひときわ目を引く「愛の塔」では願いを込めて鐘を鳴らしてみましょう。この横にはホタテ貝の絵馬でお願いごとをする場所もあり、思い出作りにも訪れたい場所です。塔からは、英虞湾までもが一望できました。
・ミコノルカゾーン
続くミコノルカゾーンは、ギリシャのミコノス島と地中海西端の群島メノルカ島をイメージした、2018年に新設されたエリア。レストランやショップ、客室などがあり、白と青のコントラストが印象的な空間です。
「ハートの壁」や「ひまわりの壁画」など、SNS映えスポットも充実しています。スポットの前にはカメラスタンドも。家族・グループ写真を収めるのにぴったり!
・アルハンブラゾーン
同じく2018年に増設された、スペインのアルハンブラ宮殿のハマムをイメージしたエリアで、客室と天然温泉施設があります。
スペイン(イベリア半島)の大部分は西暦1500年ごろまでの約800年間にわたりイスラム王朝が統治していたため、今でもイスラムやアラブの文化が色濃く残っているそう。
そんな歴史が幾何学模様のタイル装飾がほどこされたアラビックスタイルのデザインから感じられます。
海岸を望むテラスもここに併設。美しい朝日を望める広場は早起きしてでも訪れたい絶景ポイントです。
客室
客室は全53室。ベイビューやシティービューなど多彩なタイプがそろい、人数や旅のスタイルに合わせて選べます。
ラグジュアリースイート
村内でもひときわ高台にたたずむラグジュアリースイートは、まさに「特別感」に満ちた空間。大きな窓やテラスから英虞湾を一望でき、時間ごとに移ろう絶景を独占できます。
70平米のゆとりある間取りは、寝室とリビングがしっかり独立。落ち着いたソファセットでくつろぎ、夜になれば幅122センチのゆったりサイズのベッドで心地よい眠りへ。寝室が分かれているので、グループや家族旅行でも気兼ねなく過ごせるのも魅力です。
さらに、海を眺めながらのバスタイムは至福のひととき。広々とした洗面台や、アラビックな幾何学模様のタイル装飾が、異国のスパにいるような非日常気分を演出してくれます。
ラグジュアリータイプのお部屋には、特別なアメニティも。例えば、シャンプー・コンディショナーはロクシタンのものに。そして、冷蔵庫内のアルコールやドリンクは無料で楽しめるミニバーになっています。
お部屋までのポーターサービスも付いており、滞在そのものがワンランク上の思い出になるでしょう。
プライベートヴィラ
グループやファミリーに人気の一軒家タイプ「プライベートヴィラ」は、110〜120平米という広々とした空間に最大4名まで宿泊可能。ホテルでありながら別荘に滞在しているような感覚が味わえ、よりプライベートで自由度の高い時間を過ごせると人気です。今回伺ったお部屋は、1階が寝室、2階がダイニングというメゾネットタイプ。
もともとは創業当時、会員専用の別荘として建てられた建物をリノベーションしたもので、ダイニングテーブルやソファ、キッチンが備わり、まるで暮らすように滞在できるのが魅力。ヴィラごとに趣向が異なり、暖炉があるお部屋や、自然光が差し込むフォトジェニックな窓辺を持つお部屋もあり、どこに泊まるかによって異なる楽しみがあります。
スペインから直輸入した木製の窓を開け放てば、そこに広がるのは異国情緒あふれる街並み。リビングで語らいながらワインを傾けたり、朝日を浴びながら窓辺でゆっくり過ごしたり――のんびりとプライベートな時間を過ごせます。
※キッチンのガスコンロは使用できません
カフェ・アミーゴ
一通りお部屋や散策を楽しんだ後は、村内のカフェで一休み。「プラザマジョールの噴水」の後ろに建つ「カフェ・アミーゴ」へ伺いました。
看板メニューのケーキセット(1,000円~)は、華やかなプレートに彩られたスイーツとドリンクを自由に組み合わせられる人気のひと品。今回は「バスクチーズケーキ」(単品880円)と「マイヤーレモンパイ」(夏季限定/単品880円)をセレクトし、爽やかな色合いが映える「レインボーソーダ」(単品715円)と「地中海ブルーソーダ」(単品715円)を合わせました。
特に一番人気の「バスクチーズケーキ」は、濃厚でとろけるような口当たりと香ばしい焦げ目が絶妙。ゼリーの食感が楽しいソーダと合わせれば、午後のティータイムが一気に華やぎます。思わずカメラを向けたくなるビジュアルで、SNS映えも間違いなしです。
店内は地中海ブルーを基調とした空間で、壁や家具の装飾までリゾート感たっぷり。晴れた日にはテラス席や中庭に出て、爽やかな海風を感じながらコーヒータイムを楽しむのもおすすめです。
カフェタイムの後は、隣接するクラフト工房「レクエルドス」でモザイクタイルの雑貨づくり体験を。色とりどりのモザイクタイルを並べて、世界に一つだけのお土産を作ってみては。モザイクタイル以外にも、「デコパージュ」や「真珠のアクセサリー作り」なども体験できます。
カフェ・アミーゴ
- 営業時間
- 9:00〜18:00 (オーダーストップ 17:30)
クラフト工房・レクエルドス
- 営業時間
- 9:00〜18:00 (最終受付時間 17:00)
- 予約方法
- 電話またはフロントにて受付
スパ・アルハンブラ(大浴場)
夕食前のひとときを、スパでゆっくりと自分を労う時間に。「スパ・アルハンブラ」は、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿のたもとにあるハマム(トルコ風呂)をイメージした天然温泉スパです。
内風呂に足を踏み入れると、馬蹄形のアーチや色鮮やかなモザイク装飾、星型の天窓が織りなす幻想的な空間が広がり、まるで中世の宮殿に迷い込んだかのよう。柔らかな灯りとほのかな香りが心も体も癒やしてくれます。天井に瞬く星のデザインにもご注目。
露天風呂から英虞湾を望めるのも魅力。大浴場はすべて、地下約1,430メートルから湧出する温泉を引いています。
夜と朝で男湯・女湯の入れ替えがあり、趣の異なる2種類の大浴場を楽しめます。まるでスルタン(王様)になったような気分で、ぜいたくなリラクゼーションタイムを満喫してみてはいかがでしょうか。
宿泊者専用サロンで無料ドリンクサービス
スパを満喫した後に立ち寄りたいのは、2つの宿泊者専用サロン。昼間はカフェとして営業しているアルハンブラゾーンの「漁師のサロン」は、夜になると湯上がりサロンとなり、無料ドリンクがセルフ形式で用意されています。
カスティーリャゾーンにある宿泊者専用の「黄金のサロン」は、ムデハル様式の装飾が華やかな異国感あふれる空間。
サロンの一角には、大きな吹子のテーブルを囲むコーナーがあり、こちらではセルフ形式の無料ドリンクに加え、ボードゲームやフラメンコ衣装の貸し出しも用意されています。仲間とゲームを楽しんだり、衣装に着替えて記念撮影をしたりと、リゾートタイムに興じましょう。
ミシュランシェフ監修の極上ディナー
「志摩地中海村」の夜を彩るディナーは、ビュッフェスタイルとコースディナーから選べます。
今回の旅で訪れたのは、コースディナーがいただけるレストラン「リアス・バイ・ココチャ」。ここは、ミシュラン1つ星を誇るスペイン・サン・セバスティアンの名店「レストランテ・ココチャ」のオーナーシェフ、ダニエル・ロペス氏によって生み出された特別な場所です。
ロペス氏は伊勢志摩を実際に巡り歩き、この土地の海の恵みや食材の豊かさに触れる中で、「こここそ、自分の料理哲学を体現できる場所だ」と確信したといいます。その思いが結実して誕生したのが、この「リアス・バイ・ココチャ」。新バスク料理の技法と、伊勢志摩の食材が出会うことで生まれる一皿一皿は、まさにここでしか味わえないもの。
夜になり、レストランの灯りが周囲の闇に溶け込むと、まるで海に浮かぶ船のような幻想的な外観に。入口からすでに特別な時間の始まりを感じさせてくれます。
美食の都サン・セバスティアン発の新バスク料理を、伊勢志摩の食材で表現した、唯一無二のディナーが楽しめます。
ディナーコース「パサイヤ」は、ピンチョスから始まり、リゾット、マリネ、伊勢海老、本日の魚、黒毛和牛のメイン、デザートという、全7品のコース料理。見た目も味も洗練されたメニューの数々に、心まで満たされるでしょう。
最初の一皿はスペインの食文化を象徴する「ピンチョス」。タコのコンフィにパプリカ風味のマヨネーズを合わせた一品や、イベリコ豚ソーセージと玉ねぎなど、シェフの遊び心が感じられる組み合わせが並びます。フルーツがたっぷり入ったサングリアと一緒にいただけば、まるでバルで過ごすにぎやかな夜のひとときを切り取ったよう。
「マンチェゴチーズのリゾット」は、芳醇な香りをまといつつ、クセの少ないスペインの羊乳チーズで仕上げた一品。三重県産コシヒカリを、ビーフとポークの旨みたっぷりのスープで炊き上げています。
魚料理の「志摩産わらさのマリネ」には、オリーブとりんごのアイスクリームを添えるという斬新な組み合わせ。ベルガモット香るトマトゼリーや、パセリとニンニクのスポンジケーキが重なり合い、甘み・酸味・苦みが複雑に広がります。シェフの「新しい味覚体験を届けたい」という哲学が、ひと口ごとに感じられる一品です。
そしてメインの一つ「伊勢海老のソカラ 黒ニンニクソース」は必食。真空調理でしっとり仕上げられた伊勢海老と、殻の旨みを凝縮したパエリアのおこげ(=ソカラ)が生み出す食感のコントラストは圧巻。黒ニンニクと海老みそを合わせた濃厚なソースが、料理全体に深みを与えています。
さらに、南伊勢産のタイを用いた魚料理は、アサリのだしとトマトを合わせたマリナーラソースで爽やかに。皮はパリパリで、身はふっくら。ガーリックソースとマスタードスプラウトがアクセントを添えます。
肉料理は国産黒毛和牛のサーロインステーキ。ミディアムレアで焼き上げたジューシーな味わいを、フォンドボーソースと野菜の付け合わせが引き立てます。白い大根のピューレが和のやさしさを加えてくれるのも魅力。
デザートは、濃厚でクリーミーなバスクチーズケーキ。リンゴ味のタピオカ、塩ミルクアイスとチョコレートクランブルが織り成すデザートに、ローズとミントが香りを添えます。コーヒーとともに、至福の余韻に浸りましょう。
幻想的な夜景と星空観賞
美食を堪能した後は、夜の散策へと出かけてみませんか。日が沈むと、「志摩地中海村」は幻想的な姿へと変わります。アルハンブラゾーンでは、道を飾るアラビック模様がライトに照らされて鮮明に浮かび上がり、非日常の世界へと誘われます。
22:00からは、より星空を楽しめる「エストレージャタイム」。約20分間街灯が消され、満天の星が訪れる人を魅了します。
爽やかな朝を彩る絶品ブレックファスト
翌朝は、海辺のボートハウスをイメージしたレストラン「Taberna Azul」へ。
ここでは「伊勢志摩ビュッフェ」と題し、地産のあおさや海藻を使ったメニューや、敷地内で収穫したオリーブのオイルを使ったメニューなど、約40種類の料理が並びます。
旅の朝をさらに楽しくしてくれるのが、「HASAN DE MUCHO」。好きな具材を選んで、ピタパンやバンズにはさみ、マヨネーズやソースをかけていただきます。天候の良い日は、外のテラス席で海を眺めながらいただきましょう。
食事を終えたら、チェックアウト前にショップをのぞいてお土産探し。
施設内には3軒のショップがあり、さまざまなお土産探しを楽しめます。「ショップ・カーサ アマポーラ」は地中海村オリジナルグッズや伊勢志摩のお土産などを取りそろえた店。「ショップ・モーダ」では、バッグや洋服、国産本真珠のアクセサリーなどを販売しています。
「ショップ レガロ」では、イタリア雑貨やスペイン陶器、チュニジアのめずらしい工芸品などがそろっています。幸せを呼ぶポルトガルの「バルセロスのニワトリ」や、食卓を華やかにするスペイン陶器など、世界のマーケットを散策している気分に。
心満たす地中海の休日を
「志摩地中海村」は、女子旅やカップル旅行に最適なフォトジェニックリゾート。異国情緒あふれる街並み、温泉やグルメ、星空観賞まで、すべてが非日常の体験で満たされています。国内にいながら海外旅行気分を味わえるこの場所で、とっておきの思い出を刻んでみてはいかがでしょうか。
志摩地中海村
- 住所
- 三重県志摩市浜島町迫子2619-1
- 総部屋数
- 53室
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:19:00)
- チェックアウト
- 11:00
- アクセス
- 近鉄「鵜方」駅より車で約15分
近鉄「賢島」駅から、「賢島」港に出、海上タクシーで約10分(要予約) - 駐車場
- 150台(無料/予約なし)
撮影・取材・文/北川りさ
