北海道東部地域は冬の絶景の宝庫
冬の北海道・東部エリアといえば、風景写真を撮る人にとって楽園とも言える場所。自然が織りなす幻想的な現象や、厳しい寒さの中でもたくましく生きる動物たちの姿を数多く見られ、ほかの季節・場所では味わえない特別な魅力があります。
この冬、ぜひとも道東を訪れ、カメラに収めてみたくなる風景を写真家の館野二朗さんがご紹介。その美しさと静けさに包まれた絶景は、きっと忘れられないものとなるでしょう。
写真家
館野 二朗(たての じろう)さん
1975年、東京都出身。若い頃からバックパッカーの旅やフライフィッシングを通して自然と向き合い、手つかずの自然美にインスピレーションを受け、2000年頃から創作活動を開始。独創的な視点と撮影技術から生み出される想像を超えた現実風景は、見る人誰ものイマジネーションを刺激する。近年は、奄美大島をテーマに精力的に活動。今後も、旅をしながら地球上の美しい場所が仕事場となり、そこで生まれた作品をさまざまな形で発表していく。現在、雑誌、書籍、企業カレンダーなどで活躍中。
目次
おすすめの絶景スポット【1】細岡展望台
広大な釧路湿原が一望できる細岡展望台。湿原の中を静かに蛇行しながら流れる釧路川や、エゾシカが草を食む姿も遠くに見ることができます。この展望台の真の魅力を堪能したければ、夕暮れ時に訪れるといいでしょう。
日が沈むにつれ、川面が黄金色に輝き、辺りは静寂に包まれ、目の前に広がる光景は息をのむほどの美しさ。夕日がきつい場合は、ハーフNDフィルターで露出差を補いましょう。
釧路湿原といえば、やはり釧路川をメインにした写真も撮影したいですよね。夕日に輝く蛇行した川は、露出をアンダー気味に撮影すると雰囲気が良くなります。200mm以上の望遠レンズがあれば、蛇行した部分を切り取ることも可能。川に夕日が当たって輝く時間はわずかなので、早めに現場に着いて構図を決めておくと良いでしょう。
細岡展望台
- 住所
- 北海道釧路郡釧路町達古武22-24
- アクセス
- 【車】JR「釧路」駅より約40分
おすすめの絶景スポット【2】アレキナイ川
アレキナイ川は、釧路湿原の北西に位置する塘路湖(とうろこ)から釧路川本流に流れ込んでいる2キロメートルほどの川。川幅が狭くなっているので、川岸に住む小動物や野鳥を観察するのにちょうど良い場所です。冷え込みの厳しい朝には、川岸の木々が真っ白になるほどの霧氷に覆われ、厳冬期だけの美しい自然美を見ることができます。
アレキナイ川や釧路川で人気のあるアクティビティの一つが、早朝に湿原の中をいくカヌーツアー。ドライスーツを着て、日の出前から川に繰り出すと、ちょっとした冒険気分を味わえます。霧氷で川岸が覆われるような時は冷え込みも一段と厳しいので、しっかりとした防寒対策を。
湿原の中では大きな猛禽類やシカなど、さまざまな動物たちに出合えることも。川岸の霧氷から動物まで撮影できるので、ワイドレンズと望遠レンズを使い分けると便利です。レンズが異なるカメラを2台用意できると良いでしょう。
アレキナイ川
- 住所
- 北海道川上郡標茶町
おすすめの絶景スポット【3】コッタロ湿原展望台
細岡展望台が夕日なら、ここコッタロ湿原展望台は朝日を望める場所。展望台までは階段もあり、楽に登ることができます。広大に広がる湿原のどこを切り取るか、センスが問われそうですが、見渡す限り人工物のない景色はどこを切り取っても絵になります。
コッタロ湿原は、同じ種類の木がびっしりと生えている箇所や、写真のように広い湿原に木が点在している場所も。冷え込みの厳しい朝は木々が凍り、白く輝いてフォトジェニックな光景が広がります。木の並びや雪原を余白としてうまく使い、構図を組んでみましょう。400〜500mmくらいまでの望遠レンズがおすすめです。
コッタロ湿原展望台
- 住所
- 北海道川上郡標茶町コッタロ
- アクセス
- 【車】JR「釧路」駅より約45分
おすすめの絶景スポット【4】鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
釧路市にあるタンチョウの保護と観察のための施設「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」。冬の間、タンチョウが自然の姿で見られる場所として知られ、国内外からカメラマンが集まります。
タンチョウの優雅な求愛ダンスや、飛ぶ姿を撮影できるのが大きな魅力。タンチョウは近くに寄ってくることもありますが、300mm以上の望遠レンズが必須です。
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
- 住所
- 北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南
- アクセス
- 【電車・バス】JR「釧路」駅より阿寒バス「鶴居村役場前」下車、徒歩約10分
- 公式サイト
- 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
おすすめの絶景スポット【5】音羽橋
音羽橋(おとわばし)もタンチョウを撮影するのに人気の場所。冬も凍らない雪裡川(せつりがわ)はタンチョウのねぐらになっており、数多くのタンチョウを見られます。この川も朝靄が立ち込めやすく、霧氷が付きやすいので、冷えた日を狙っていくと良いでしょう。朝焼けに染まった霧氷とタンチョウの姿は優美で、いつまでも見ていたくなる光景です。
ここのタンチョウはかなり遠くにいることが多いので、400mm以上の望遠レンズを持っていくようにしましょう。
音羽橋
- 住所
- 北海道阿寒郡鶴居村下雪裡第三
- アクセス
- 【車】JR「釧路」駅より約40分
おすすめの絶景スポット【6】屈斜路湖
真冬になると水面のほとんどが結氷してしまう屈斜路湖(くっしゃろこ)。しかし、湖畔にある砂湯は砂を掘ると温泉が湧き出るため、周辺の水は冬も凍ることなく白鳥が飛来します。銀世界の中にいる白鳥を撮影すると、モノクロームのような雰囲気があり、幻想的な印象の写真に。
晴れた日は湖面が開いている場所に青空が映り込み、冬らしいコントラストの中で白鳥を撮影できます。また、雪の降っている時はより一層、幻想的な写真が撮影できるので挑戦してみてください。
屈斜路湖
- 住所
- 北海道川上郡弟子屈町
- アクセス
- 【電車】JR「川湯温泉」駅より車で約10分
おすすめの絶景スポット【7】摩周湖
屈斜路湖から車で20分ほど離れた場所には摩周湖もあるので、ぜひこちらも立ち寄ってください。
摩周湖は湖畔に降りることができないので、展望台から撮影することになります。冬場に訪れることができる展望台は「摩周湖第1展望台」だけ。ここからはカルデラを一望でき、手前にある木々を入れて撮影すると遠近感が出て、さらに印象的な写真になります。
摩周湖第1展望台は、星空撮影にも絶好のスポット。アクセスもしやすく足場もいいのでトライしてみてください。周囲には街灯が少なく、空気も澄んでいるため、天気が良ければ満天の星を眺めることができます。
カルデラ湖特有の地形と星空は、ほかではなかなか見られない美しい光景。寒さが厳しいため、防寒対策をしっかりして訪れましょう。明るいワイドレンズがおすすめです。
摩周湖
- 住所
- 北海道川上郡弟子屈町
- アクセス
- 【電車・バス】JR「摩周」駅より阿寒バス「摩周湖第1展望台」下車、徒歩すぐ
