提供:ことりっぷ
京都旅のターミナル・京都駅から徒歩圏内、大伽藍が並び建つ東本願寺の目の前に、2025年9月、カフェ・京みやげのショップ・ワークショップをそなえる複合施設「Vermillion - station.(バーミリオン・ステーション)」がオープンしました。
お店を手がけるのは、伏見稲荷でお茶屋を営む薬力亭の9代目夫婦。築100年の古民家をリノベーションした空間には、樹齢140年の大きな丸太を生かした風合いのいいテーブルも。窓に映る眺めも魅力たっぷりです。
京都駅にいちばん近い大寺院、東本願寺の門前へ
手前の木造建築と奥のグレーの建物の2棟をあわせて「Vermillion - station.」。中は軒続きになっている
新幹線、JR、地下鉄、近鉄の各線京都駅やバスターミナルからいずれも10分弱。真宗大谷派本山の門前町とあって、仏具、念珠、法衣店など、仏教とかかわりの深い老舗が軒を連ねる一角に「Vermillion - station.」はのれんを掲げます。
店を手がけるのは、稲荷山に鎮座する「薬力社」前で代々茶屋を営む薬力亭。伏見稲荷の2軒のカフェ「Vermillion - espresso bar & info.」、「Vermillion - cafe.」、贈る土産もの店「朱 SHU. by Vermillion」に次ぐ4店舗目です。
軒上には京都の街角遺産ともいえる仁丹町名看板がそのまま残る
通りの北側からの外観。増改築により近年は倉庫として使われていた建物を、新旧が共存するように改修・改装
コンセプトは、カフェ・ショップ・体験を軸に、旅人と住人が集える空間。
100年の時を刻む京町家と、薬力亭の9代目・木村茂生さん・美和さん夫妻が長年暮らして親しんだオーストラリア・メルボルンの空気感を融合させ、無病息災と長寿を願う五節句のひとつ、重陽の日の9月9日にオープンしました。
のれんは染色家・中嶋健さんが、「人」「町」「伝」の3つの漢字をデザイン
愛知県の老舗材木店が手がけたテーブルの名は「LOG-ing」。世界第一号なのだとか
店内中央で存在感を放つ木のテーブルは、全長4m。大きな一枚板に脚を取り付けたテーブルはよく見かけますが、こちらは丸太の断面を脚に見立て、天板と一体に削り上げたもの。「この木なんの木」の曲が流れるCMで有名になった木と同じモンキーポッド(和名・アメリカネムの木)という名の木なのだとか。
木目にふれているとなんだかホッと安らげる、ぬくもりのあるテーブルです。
140年の時を刻んだ年輪や木目は、自然が創りだす唯一無二のアート
注文は1階カウンターで済ませ、好きな席に着くスタイル
秋には黄金色に染まるイチョウ並木と東本願寺の土塀が借景に
奥のスペースではワークショップを開催予定。今後の予定はInstagramでチェックを
2階には、東本願寺や京都タワーを望むローテーブルや、畳敷きの長椅子も。木の色や風合いが好みの席を選べる楽しさがあります。
「京都駅から歩いて来られる場所ですが、近すぎもしない。ここに来られる方は時間にゆとりがあるように思います」と茂生さんが話すとおり、時計を見ながら急ぎ足で歩いている人の多い京都駅周辺とは空気が一変。ゆったりとした時の流れを感じながらくつろげます。
座卓の木材は、窓から見える御影堂門に使われた木材と合わせているそう
店内で使用しているのと同じ木材で作られたキューブ。気になるものを手に取ってQRコードを読み取ると、木についての情報が得られる
ボリューム満点のブランチ
「バーミリオンプレート」2,200円
伏見稲荷の「Vermillion - cafe.」でも人気のメニューは、伏見の精肉店・仙石製ウィンナーソーセージ、厚切りベーコン、ポーチドエッグ、ローストポテト、アボカド、ベイクドビーンズなどを盛り合わせたブランチ。「朝から夜まで京都観光を楽しんでほしくて。一日の栄養をこれ一皿でチャージできるかも(笑)」と茂生さんがお茶目な笑顔を見せるほど、食べ応えのあるワンプレートです。
「クロックムッシュ」950円、「アメリカーノ」550円
こちらだけの限定メニューが、ライ麦パンのクロックムッシュ。ハムとベシャメルソースの上に、オリーブオイルとブラックペッパーをほんのり効かせて風味をアップ。サクッと歯切れの良いパンと、濃密なチーズのとろーり感が絶妙です。
「キャロットケーキ」800円
人参と3種のスパイスをたっぷり練り込んで焼き上げ、焦がしバターとクリームチーズをトッピングしたキャロットケーキは定番スイーツ。ほかに季節替わりのケーキや焼き菓子もそろいます。
コーヒーは、「少し浅煎りで酸味もありながらコクがあって、ミルクと合わせるとまろやかに。主張しすぎず、毎日飲みたいと思えるものを」と美和さん。十数年来惚れ込む京都の焙煎所「WEEKENDERS COFFEE」の豆を使用しています。
「カフェラテ」550円
旅の余韻に浸れる京みやげ選び
東本願寺の参拝帰りにふらりと訪れる人も多い
建物南側のショップスペースは、自分自身や大切な人に贈りたくなるみやげものや、日本のよいものをセレクト。茶器、食器、ガラス製品、和文具、布ものなど日々の暮らしに寄り添う多彩なアイテムが並びます。
左上から時計回りに、「伏見稲荷プレートセット」3,850円、「オリジナルショップピン」1,200円、「抹茶ボウル」(小)3,820円~、「ペーパーウェイト」各3,850円
2階にある畳敷きのベンチシートから東本願寺の御影堂門を一望
「世界各国からここに来られる方々と話をしていると、憧れとリスペクトをもって京都に来てくれていることを実感します。京都に住んでる僕たちよりも京都のことを知っている」と話す茂生さん。大きなテーブルで偶然向かい合わせた人と旅の情報を交換できる楽しみもありそう。
旅先に向かう前におなかを満たしたり、旅の途中にひと休みしたり、旅の締めくくりにおみやげを選んだり。旅の発着地点にしたい、新しいステーションの誕生です。
文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
