長野県の湯田中温泉は、開湯から1350年以上の歴史を持つ温泉地で、昔ながらの風情ある旅館が並んでいます。その中で、伝統を大切にしながらもモダンなスタイルでゲストを迎えているのが「燈火、旬遊の宿 あぶらや燈千」です。
源泉掛け流しの温泉を眺めの良い露天風呂で楽しんだ後は、隣接する自家製ビールの醸造所を見学し、試飲もできます。夕食は旬の食材を使った会席料理を堪能し、夜にはおしゃれなドームテントのルーフトップバーで乾杯。伝統と新しさが融合した「あぶらや燈千」での宿泊体験を紹介します。
目次
- ・アクセス・チェックイン
- ・客室
- ・温泉
- ・ビール醸造所見学
- ・テラスラウンジ「季」
- ・夕食
- ・ルーフトップバー
- ・朝食
- ・お土産
アクセス・チェックイン
夜間瀬川沿いに建つ温泉旅館へ
「あぶらや燈千」へのアクセスは、長野電鉄の湯田中駅より徒歩約8分、もしくは送迎バス(要予約)で約2分。宿がある山ノ内町は、山々に囲まれた自然豊かな場所で、志賀高原の大沼池を源とする夜間瀬川(よませがわ)など、美しい景色を楽しむことができます。
季節ごとの飾りが並ぶ廊下を進むと、チェックインロビーに到着。チェックインの際には、ウェルカムドリンクとして抹茶、リンゴジュース、スパークリングワインの中から好きなものを選べます。今回は、スタッフが丁寧にたてた抹茶と「くるみゆべし」を一緒にいただきました。
太陽の光が差し込む吹き抜けの空間は、宿泊者全員が利用できるロビーラウンジ「一茶」。ここでは、リンゴ酢とフルーツが入ったデトックスウォーターを自由に味わえます。
客室
特別室「提灯桝(あかります)」
全32室ある客室の中で、この日は露天風呂付きの特別室「提灯桝(あかります)」に宿泊。油問屋から始まった「あぶらや燈千」が、「千年先まで灯りをともし続けたい」という願いを込めてデザインした組子細工が印象的です。
赤と金を基調とした華やかな空間が広がり、高級感に満ちた雰囲気。畳の上にベッドを配した和洋室で、靴を脱いでゆったりと過ごせます。広さは約88〜93平米で、2名まで宿泊可能です。
特別室の魅力のひとつが、テラスに設置された露天風呂。「提灯桝」は6階に位置しており、高社山(こうしゃさん)をはじめ長野の美しい山々を眺めながら、湯に身をゆだねるひとときは格別です。
泉質はナトリウム―塩化物泉(アルカリ性低張性高温泉)。入浴後もポカポカと温かさが続き、湯冷めしにくいのが特徴です。
温泉だけでなく、専用のプライベートサウナが備わっているのも特別室ならでは。アロマが香るセルフロウリュを楽しみながら、心身ともにリフレッシュできます。
サウナでたっぷりと汗をかいたら、客室に備えられた水風呂へ。さらに、テラスのソファベッドに横たわって外気浴を楽しめば、心までととのいます。
温泉やサウナのあとは、肌にやさしいオーガニックスキンケアを。自然由来の成分にこだわったイタリア発のスキンケアブランド「NATURAL FOUNDATION」のクレンジング、洗顔料、乳液、化粧水が用意されています。
洗面所はダブルシンク。2人同時に身支度をしてもゆとりがある広さです。
館内着の浴衣には、菜の花の模様があしらわれています。菜の花は菜種油の原料であり、油問屋から始まった「あぶらや燈千」を象徴するデザインです。
エスプレッソマシンで入れた本格的なコーヒーも味わえるのも、特別室ならではのサービスです。
スタンダード客室
特別室以外にも、さまざまなタイプの客室がそろいます。
「スタンダード客室」は、10畳のシンプルで落ち着いた空間。シャワーブースやダブルシンクの洗面所を備え、快適に過ごせます。定員は4名で、夜には布団が用意されます。
温泉
源泉掛け流しを、絶景とともに満喫
荷ほどきを済ませたら、まずは最上階7階の大浴場へ。
「夢路の湯」と「夢見の湯」の2種類があり、19時から19時30分頃に男女が入れ替わります。肌当たりがやわらかい湯田中温泉の湯は、何度でも入りたくなる心地よさです。
「夢路の湯」は大きなガラス窓の内湯と露天風呂で湯浴みを楽しめる、開放的な温泉。見晴らしもよく、晴れた日には高社山のほか、妙高山、斑尾山、黒姫山、戸隠山、飯綱山の北信五岳(ほくしんごがく)を一望できます。
露天風呂には寝湯もあり、全身の力を抜いてゆったりとくつろげます。打たせ湯やサウナなども備わっており、好みに合わせて体を温めることが可能です。
「夢見の湯」は、志賀高原方面の景色を眺められる温泉。朝日が水面にキラキラと輝く朝の入浴もおすすめです。
ロウリュサウナと大きな水風呂があるのも「夢見の湯」の特徴。体を芯から温めたあとに水風呂でクールダウンし、山々を眺めながら外気浴を楽しむ——そんな心地よいサウナルーティンを体験できます。
貸切の露天風呂&岩盤浴でリフレッシュ
気兼ねなく温泉を楽しみたいなら、貸切露天風呂「酔月の湯」へ。信楽焼の浴槽に浸かりながら、長野の自然に包まれるひとときは格別です。料金は50分2,200円(要予約)。
また、貸切個室岩盤浴「璃楽」では、天然鉱石の上に横たわりながら心地よく汗を流せます。温泉と合わせて利用すれば、心身ともにリフレッシュ。料金は1人50分1,650円(要予約)。
ビール醸造所見学
複合施設「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」へ
「あぶらや燈千」に宿泊したら、隣にある「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」にもぜひ足を運んでみてください。
2022年にオープンした複合施設で、クラフトビールの醸造所やレストラン、チョコレートブランドのショップ、信州のお土産セレクトショップのほか、足湯や貸切温泉も楽しめます。
「あぶらや燈千」で人気の宿泊プランのひとつが、醸造所見学付きプラン。温泉と自然をテーマにした「YUDANAKA BREWERY」でスタッフの案内のもと、ビール造りの工程を約60分かけて見学できます。
この見学ツアーの大きな魅力は、完成前の「若ビール」を試飲できること。
通常、ビールは約1か月かけて発酵させますが、この日は発酵からわずか4日目のものを試飲。アルコールや炭酸がまだ十分に生成されていないため、小麦の糖分が多く残り、ほんのりとした甘みを感じられます。
見学のあとは、「YUDANAKA BREWERY」で人気のクラフトビールを試飲。
全7種類の中から好きな2種類を選べます。今回は定番の「YUAGARI ALE(湯上がりエール)」と、ビール酵母ではなくシャンパン酵母を使用した「Champagne ALE(シャンパンエール)」をチョイス。どちらも湯上がりにぴったりの爽やかな味わいで、思わずおかわりしたくなるおいしさでした。
「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」のテラスには無料で楽しめる足湯があり、合間にひと息つくのにもぴったりです。
フルーツ王国・長野ならではのスイーツを楽しみたい方には、Beer & Cafe「TERRACE U」の季節のフルーツパフェがおすすめ。夏はモモ、秋はブドウ、冬はイチゴなど、旬の果物をふんだんに使ったパフェが登場します。
いただいた「シャインマスカットと巨峰の秋彩贅沢二重奏パフェ」(1,580円)は、見た目も美しい一品。スプーンを入れると、みずみずしい2種類のブドウとヨーグルトアイス、マスカルポーネチーズが絶妙に重なり合い、爽やかな甘みが口いっぱいに広がりました。
2階にあるは、日帰り利用ができる露天風呂付き客室「Private SPA&SAUNA U」。
完全なプライベート空間で、周りを気にせず温泉を満喫でき、入浴後に「YUDANAKA BREWERY」のクラフトビールを味わえば、さらに特別なひとときに。「Private SPA&SAUNA U」利用付き宿泊プランも注目です。
テラスラウンジ「季」
食前酒を楽しむ夕暮れ
夕食前には、露天風呂付き客室の宿泊者だけが利用できるテラスラウンジ「季(とき)」へ。17時から19時の間は、アルコールとともに生ハムなどのおつまみを楽しめます。
夕暮れにはかがり火がゆらめき、ワインやウイスキーを片手に過ごすひとときは特別な時間です。
夕食
名物のオイルフォンデュや旬の味覚を味わう
夕食は、全席個室の食事処でスタンダード会席「燈火」を。
「あぶらや燈千」では、季節ごとの旬を大切にした料理を提供しています。9〜11月は「秋三昧会席」として、「信州きのこの白和え」や「干柿と信州サーモン麹漬け」など、秋の味覚を盛り込んだ八寸から始まります。
串料理「あぶらやフォンデュ」は、「あぶらや燈千」の名物料理。菜種油の問屋として始まった宿の歴史にちなみ、菜種油で旬の食材を揚げて味わうオイルフォンデュです。
この日は、信州ぎたろう軍鶏(しゃも)や長野県産マコモダケなどが登場。揚げたての軍鶏は、外は香ばしく中はジューシーで、野菜の甘みも引き立ち、忘れられないおいしさでした。
料理人が個室を訪れ、目の前で調理を行う“客前料理”も好評です。夕食では、お寿司を一貫ずつその場で握って提供してくれます。
メイン料理は「信州プレミアム牛のすき焼き」。美しい自然の中で育った信州プレミアム牛は、なめらかな口どけが特徴です。信州産のトキイロヒラタケやシメジなどのきのことともに堪能しました。
湯田中温泉は、栗の名産地・小布施(おぶせ)にもほど近い場所にあります。
夕食の締めには、「小布施栗とむかごのご飯」を、信州みそ仕立ての汁物と自家製漬物とともにいただきました。上品な甘みの小布施栗はご飯との相性がよく、秋の長野ならではの味覚を存分に楽しめました。
ルーフトップバー
フォトジェニックな空間で食後の一杯
1日の締めくくりは屋上へ。扉の先に現れるのは、思わず写真に収めたくなるフォトジェニックな空間。ルーフトップジャパニーズバー「雪月花」では、ドームテントの中でゆっくりと食事やお酒を味わえます。
「雪月花」は通年オープンしており、冬から春にかけては美しい雪景色が広がります。秋の澄んだ夜に長野県産のホットワイン(880円〜)を味わいながら掘りごたつで温まりつつ、月夜を眺める穏やかな時間を過ごしました。
朝食
信州の恵みを味わう朝食
翌朝の朝食は、和食と洋食から選択可能。和食は、長野県・小柳農園のコシヒカリを中心に、彩り豊かな小鉢が並びます。信州サーモンの味噌バター焼きや、安曇野産わさびを添えた長芋豆腐など、信州の味覚を堪能できる内容です。
朝食でも料理人が目の前で調理を披露。和食ではふわふわの出汁巻き卵を、洋食ではオムレツを出来たてで提供してくれます。
洋食には、自家製りんごドレッシングのフルーツサラダや、かぼちゃのスープなど、朝にぴったりのやさしい味わいがそろいます。「八ヶ岳高原ヨーグルト」は、グラノーラやはちみつ、ブルーベリージャムなど、好みのトッピングと一緒に楽しみました。
露天風呂付き特別室の宿泊者は、和洋バイキングの朝食も選べます。
信州名物のお煮かけ蕎麦や野沢菜、りんご和牛信州牛カレーなど、約40種類もの料理がずらり。油揚げやきのこがたっぷり入ったお煮かけ蕎麦は、体の芯から温まる味わいです。そのほか、サラダやパンなど洋食メニューも充実しています。
お土産
ビールや専門店のチョコレートをチェック
出発前にもう一度、「YUDANAKA BREWERY COMPLEX U」に立ち寄ってお土産探しを。「YUDANAKA BREWERY」のクラフトビールを買って帰れば、自宅で飲み比べを楽しめます。
施設内にあるチョコレート専門店「oN CHOCOLATE NAGANO」のスイーツも人気で、特に濃厚なガナッシュとサクサクのクッキーを組み合わせた「onchocoサンド」(450円)は、大切な人へのお土産にも、自分へのご褒美にもぴったりです。
源泉掛け流しの温泉はもちろん、ビール醸造所見学やルーフトップバーなど、多彩な楽しみ方がそろう「燈火、旬遊の宿 あぶらや燈千」。
チェックインからチェックアウトまで、あっという間に時間が過ぎてしまうほど充実した滞在が待っています。また、湯田中温泉で60年以上愛され続けてきた老舗ならではの、心のこもったおもてなしも魅力のひとつ。大切な人や友人と一緒に、魅力にあふれた湯田中温泉の宿へ出かけてみませんか。
燈火、旬遊の宿 あぶらや燈千
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字佐野2586-5
- アクセス
- 長野電鉄「湯田中」駅より徒歩約8分。無料送迎あり(要事前予約)
- チェックイン
- 14:30
- チェックアウト
- 11:00
- 客室数
- 32室
- 駐車場
- あり(無料)
取材・撮影・文/小浜みゆ

