雪景色を求めて訪れる人も多い、新潟県最南端の湯沢町。
スキー・スノーボードの聖地として知られるこの地ですが、実は「滑るだけ」ではもったいない魅力がぎゅっと詰まっています。
越後湯沢駅を中心に広がる温泉街はもちろん、少し車を走らせて、十日町市で出合う息をのむような美しい自然、そして旅の楽しみを深めてくれるご当地グルメたち。
本記事では、越後湯沢駅から十日町市までを巡りながら、自然・アート・食・温泉をバランスよく楽しめる1日ドライブモデルコースをご紹介。ウィンタースポーツを楽しんだ翌日にぴったりです!
目次
越後湯沢へのアクセス
越後湯沢エリアは、首都圏から車と公共交通機関のどちらでもアクセスしやすい立地です。
車で目指す場合は、関越自動車道を通って「練馬IC」から「湯沢IC」までおよそ2時間。
公共交通機関を利用する際は「越後湯沢駅」を目指します。「東京駅」から上越新幹線に乗車すれば、乗り換えなしで約1時間15分〜30分で到着です。
【10:00】写真映えも狙える、絶景アート空間「清津峡渓谷トンネル」
越後湯沢に来たら、隣の十日町市にある「清津峡渓谷トンネル」はぜひ訪れて。日本三大峡谷のひとつで、国の名勝・天然記念物に指定されている景勝地です。ただのトンネルではありません! アートと絶景が融合したフォトジェニックスポットなのです。
「湯沢IC」または「塩沢石打IC」から車で約25分のところにあります。
無料の駐車場が3カ所設けられており、一番近い「第1駐車場」からトンネルの入口までは徒歩約3~5分の距離です。
全長750メートルの「清津峡渓谷トンネル」は、1996(平成8)年に開業した歩行者専用トンネル。
清津峡の景色を楽しめるよう、内部には3つの見晴所が設けられています。
2018(平成30)年に開催された「大地の芸術祭」で、中国の建築家集団「マ・ヤンソン / MADアーキテクツ」によって、トンネル全体がアート作品「Tunnel of Light」として生まれ変わりました。
清津峡の看板から「清津峡渓谷トンネル」の入口と続く遊歩道も見どころです。
冬季は荒々しい岩肌と雪景色のコントラストを堪能できます。自然の造形美を間近に感じてみてください。
トンネル内はエリアごとに照明が5つの色に分かれており、それぞれの見晴所と入口に関連した色の演出が施されています。
歩みを進めるたびに表情を変える光が、訪れる人の心を引きつける空間です。
3つの見晴所では、それぞれ異なる角度から清津峡の景色を楽しめます。
「第一見晴所」では、柱状節理(ちゅうじょうせつり)*の迫力ある岩肌をすぐ近くに臨めるのが魅力。自然が生み出した雄大な景色をじっくりと観察できます。
*柱状節理…溶岩や岩石が冷えて固まる際に、柱のような割れ目が規則的に生まれた地形のこと
「第二見晴所」からは、切り立った岩壁が左右に広がるV字型の渓谷が一望でき、峡谷ならではのダイナミックな景観を楽しめます。
手前に建つ建造物は、なんとトイレ。建物自体がアートの一部になっているのです。もちろんトイレとして利用できます。
「第三見晴所」では穏やかに川の水が流れる、ゆったりとした景色が広がります。
終点の「パノラマステーション」は、国内外から注目を集めるフォトスポット。床一面に張られた水鏡に渓谷美が反転して映り込み、幻想的な空間を作り出しています。
水深の浅い壁際を歩いていけば、足を濡らすことなく撮影できますよ。
ぜひとっておきの1枚を残してみてください。
清津峡渓谷トンネル
- 住所
- 新潟県十日町市小出癸2119-2
- 営業時間
- 【3月~11月】8:30〜17:00(受付終了16:30)
【12月~2月】9:00〜16:00(受付終了15:30)
※積雪状況により休坑または時間短縮の場合あり - 料金
- 【オフシーズン(11月21日〜4月20日)】高校生以上1,000円、小中学生400円
【ハイシーズン(4月21日〜11月20日)】高校生以上1,200円、小中学生500円 - アクセス
- 関越自動車道「湯沢」ICまたは「塩沢石打」ICから車で約25分
【11:30】元祖布乃利つなぎの老舗「小嶋屋総本店」でへぎそばランチ
トンネル散策のあとは、ランチタイム。十日町・越後湯沢エリアの名物・へぎそばをいただきましょう。
へぎそばは、当地の織物文化で使われてきた布海苔(ふのり)を使うことで生まれる独自の食感と喉越しが魅力です。
さらに、「へぎ」と呼ばれる木の器に、織り目のように波打つ美しい盛り付けがされています。
「清津峡渓谷トンネル」から北へ車を35分走らせた先にある「小嶋屋総本店」は、へぎそば発祥の老舗。1922(大正11)年、初代が創業してから100余年、その想いや技法を受け継ぎ、大切にしながら、よりよい味を求めて磨き続けているお店です。
遠くからでもすぐにみつけられる、大きな水車が目印。
お店の土壁には、そばのつなぎに使われる「布海苔」が練りこまれており、床下には自家製粉で排出されるそば殻の燻炭(くんたん)が敷き詰められています。
燻炭には調湿や消臭等の効果が期待できるそう。
「小嶋屋総本店」のへぎそばは、そば粉100パーセントでありながら、布海苔のつなぎ効果で、つるりとした喉越しと弾力のある歯応えが魅力です。
天ぷらやご飯ものなどのメニューも豊富です。
店主こだわりの有田焼のそば猪口で、本格的なへぎそばを堪能してみてください。
小嶋屋総本店
- 住所
- 新潟県十日町市中屋敷758-1
- 営業時間
- 11:00~20:30(L.O.20:00)※天候により変動あり
- 定休日
- 不定休(月に1~2回臨時休業あり)
- アクセス
- 関越自動車道「塩沢石打IC」から車で約15分
- 公式サイト
- 小嶋屋総本店
【13:00】雪化粧したブナ林の幻想世界「美人林」
おいしいそばを堪能したあとは、車で南へ30分ほどの「美人林(びじんばやし)」へ。
松之山松口の丘陵に広がるブナ林で、木々の立ち姿が美しいことからこの名が付いたといわれています。
樹齢約100年とされる樹高20メートル以上のブナの木々が、天に向かってまっすぐ伸びる姿は端正で、ずっと見ていたくなる景観です。
四季それぞれで違った表情を見せてくれますが、中でも冬季は、雪化粧したブナ林が幻想的な雰囲気を醸し出し、まるで水墨画のよう。
雪原に立つ木々のシルエットは息をのむ美しさで、自然が生み出したアートを堪能できます。
静寂に包まれた林の中をゆっくり歩けば、雪を踏みしめる音だけが響く、心穏やかな時間を過ごせます。真冬には積雪3メートル以上になることも。散策にはスノーシューがおすすめです。
美人林
- 住所
- 新潟県十日町市松之山松口1712-2付近
- アクセス
- 関越自動車道「塩沢石打IC」から車で約40分
【13:50】大地の芸術祭の拠点「越後妻有里山現代美術館 MonET」
越後湯沢の魅力は豊かな自然のみに留まりません。
自然の美を鑑賞したあとは、「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」で、芸術家たちの手によって生まれたアート作品を堪能しましょう。
「大地の芸術祭」の拠点施設として2021年にリニューアルオープンした現代美術館で、設計は建築家の原広司と建築家集団アトリエ・ファイが手掛けました。
展示物はもちろん、建物自体もアート作品として見応えがある施設です。
「美人林」から北へ車で35分ほど走った先にあります。
開放感のある館内に施された幾何学的なデザインが印象的。
自然光を巧みに取り入れた設計で、時間帯によって表情が異なるところも見どころです。
館内には、レアンドロ・エルリッヒ、イリヤ&エミリア・カバコフなどの世界的アーティストや、新潟を題材とした日本人アーティストの作品が常設展示されています。
また、館内にある「MonETミュージアムショップ」も見逃せません。
「大地の芸術祭」公式グッズをはじめ、アーティストが手掛けたオリジナルデザインのお酒、お菓子など、地元の名産品が充実しています。
そのほか、Tシャツやマスキングテープなど、自分用にも買いたくなるアイテムもずらり。
旅の記念に、さまざまな形のアートを持ち帰りましょう。
越後妻有里山現代美術館 MonET
- 住所
- 新潟県十日町市本町6-1-71-2
- 営業時間
- 10:00〜17:00(最終入館16:30)
- 休館日
- 火~水曜、年末年始
- 料金
- 【入館料(常設展示鑑賞料含む)】大人1,000円、中高生500円、小学生以下無料
※企画展は別途料金 - アクセス
- 関越自動車道「塩沢石打IC」から車で約25分
- 公式サイト
- 越後妻有里山現代美術館 MonET
【15:30】駅構内で温泉・お土産を満喫できる「越後湯沢駅周辺」
存分に芸術鑑賞を満喫したら、車で40分ほど南下して「越後湯沢駅」で旅をしめくくりましょう。
酒風呂(ぽんしゅ館 越後湯沢驛店)
川端康成の小説『雪国』の舞台として知られる越後湯沢は、豊富な湯量と多彩な泉質を誇る温泉街でもあります。
周辺には日帰り入浴施設が充実しており、なんと「越後湯沢駅」の構内にある「CoCoLo湯沢」でも温泉を楽しむことができます。
それが、「ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」にある日帰り入浴施設「酒風呂」。
天然温泉に浴用専用酒を加えたお風呂に浸かることができます。
日本酒に含まれる成分が肌をしっとりと整えてくれるのもうれしいポイント。酒に弱い人や子どもでも安心して入浴できます。
駅直結という便利な立地でありながら、ゆったりと温泉を利用できるため、新幹線の待ち時間やドライブ後のひと休みにもぴったりです。
酒風呂(ぽんしゅ館 越後湯沢驛店)
- 住所
- 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢2427-3 CoCoLo湯沢
- 営業時間
- 10:30~18:30(最終受付18:00)※時期により変動あり。詳細は公式サイトにて要確認
- 定休日
- なし
- 料金
- 大人950円、小学生400円
- アクセス
- JR上越新幹線「越後湯沢駅」構内
越後おこめぷりん・お土産ショッピング
酒風呂で体をほぐしたあとは、自分用や人に渡すお土産を買って帰りましょう。「ぽんしゅ館 越後湯沢驛店」には、新潟ならではの地酒や契約農家米、醤油・味噌などの食品から酒器など新潟の魅力が感じられる商品を豊富に取り扱っています。
注目は、魚沼産コシヒカリ米粉を使ったご当地スイーツ「越後おこめぷりん」。
米粉ならではの優しい甘さと、独特のもちもち食感で一度食べたらやみつきになる味わいです。
味は、プレーン(540円)と塩こうじレモン(583円)、笹だんご(583円)の3種類。
入荷時期によっては店舗に在庫がない場合もあるそうなので、見つけたときはぜひ迷わず購入することをおすすめします。
500円で県内酒蔵の代表銘柄129種類を中心に飲み比べできる「唎酒(ききざけ)番所」もあるので、越後湯沢でレンタカーを返却したあとに、ぜひ立ち寄ってみて。
ぽんしゅ館 越後湯沢驛店
- 住所
- 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢2427-3 CoCoLo湯沢
- 営業時間
- 9:30〜19:00 ※時期により変動あり。詳細は公式サイトにて要確認
- アクセス
- JR上越新幹線「越後湯沢駅」構内
- 公式サイト
- ぽんしゅ館 越後湯沢驛店
越後湯沢周辺には自然の造形美、里山の文化、心温まる地元の味わいなど多彩なスポットが凝縮されています。
車で効率的に巡れるルートなので、スキーに行った翌日、帰路につく前に立ち寄るのもおすすめです。
ぜひ越後湯沢周辺で充実したひとときを過ごしてみてください。
今回ご紹介したスポットMAP
取材・文/望月 優衣 撮影/村岡 正章
▼夏の越後湯沢を巡るなら…


