奈良県大和郡山で豊臣秀長の面影を追うモデルコース!2026年話題沸騰中のドラマゆかりの地へ

天下を動かしたのは、常に主役だけではありません。豊臣秀吉の傍らで、冷静な判断と確かな統率力をもって支え続けた弟・豊臣秀長。2026年放送が開始され話題のドラマを通して、その存在に心を掴まれた人も多いのではないでしょうか。いま、秀長という人物に、ドラマファンの熱い視線が集まっています。

そんな秀長をより深く感じたいファンなら、ぜひ訪れたいのが、奈良県大和郡山(やまとこおりやま)市。市内には、秀長が当主を務めた郡山城跡をはじめ、墓所やゆかりの寺社仏閣が点在し、物語の世界と現実が重なり合うような時間を過ごせます。

本記事では、おすすめの立ち寄りスポットも交えながら秀長ゆかりの地を巡る大和郡山市観光モデルコースをご紹介。さっそく、秀長の足跡に思いを馳せる旅に出かけましょう。

 

豊臣秀長のゆかりの地・大和郡山はこんなところ

大和郡山

大和郡山市は奈良県北部に位置し、奈良市に隣接。 JR郡山駅へは、大阪駅から乗り換えなしの約50分。近鉄郡山駅へも大阪駅から約1時間と、気軽に訪れられる町です。

市街地は戦国時代に郡山城主となった豊臣秀長の商業政策によって栄え、今もその名残を各所に残しています。

 

大和郡山

また、大和郡山は市内に金魚の養殖池が多くみられる「金魚の街」でもあります。

 

大和郡山

街の商店街には、呉服店や飲食店など28店の店頭にはさまざまな水槽が並び、歩きながら多種多様な金魚が鑑賞できる「金魚ストリート」も。

秀長の居城・郡山城とその城下町、菩提寺に御用達の御菓子屋など、古きよき街並みを歩きつつ秀長の軌跡をたどっていきましょう。

豊臣秀長の菩提寺「春岳院」

春岳院

豊臣秀長ゆかりのスポット巡りは、「春岳院(しゅんがくいん)」からスタート。
「近鉄郡山駅」から北へ約10分歩いたところにあります。

 

春岳院

鎌倉中期の創建と伝わる古刹で、豊臣秀長の菩提寺(ぼだいじ)*でもある「春岳院」。

境内には、秀長の木像や肖像画、秀長が商工業保護と自治のための施策「箱本制度」に関する古文書を納めた「御朱印箱」など、歴史の息づく資料が大切に受け継がれています。
秀長の足跡を間近に感じられる、旅の幕開けにふさわしい場所です。

2026年1月4日(予定)まで本堂改修工事のため閉院。

*菩提寺…先祖やゆかりの人物の供養・法要を行うための寺院のこと

 

春岳院

住所
奈良県大和郡山市新中町2
拝観時間
9:00〜16:30(変更の可能性あり)
拝観料
500円
定休日
年末年始
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約10分
詳細
大和郡山市観光協会 公式サイト
徒歩約4分

 

”豊臣兄弟”をもっと深掘り。「豊臣兄弟! 大和郡山 大河ドラマ館」へ

DMG MORI やまと郡山城ホール(画像提供:大和郡山市)

次は、2026年3月にオープンする「豊臣兄弟! 大和郡山 大河ドラマ館」(主催:秀長さんプロジェクト推進協議会)へ。「春岳院」からさらに北へ約5分歩いた先にある「DMG MORI やまと郡山城ホール」を目指しましょう。


この施設の1階展示室が、2026年3月2日から2027年1月22日まで「大河ドラマ館」の会場となります。開催期間の日程も秀長にちなんでおり、開幕日の3月2日は彼の誕生日。終了日の1月22日は死去した日付になっています。


ドラマの時代背景や登場人物の紹介、衣装や小道具が公開され、「豊臣兄弟」の世界観をより詳しく知ることができます。
ここでしか見られないオリジナル映像や特集パネルなども展示されるそう。大河ドラマファン必見です!

 

豊臣兄弟! 大和郡山 大河ドラマ館

住所
奈良県大和郡山市北郡山町211-3 DMG MORI やまと郡山城ホール1階 展示室
開催期間
2026年3月2日〜2027年1月22日
営業時間
10:00~17:00(最終入場16:30)
入館料
大人600円、子ども300円
定休日
年末年始、臨時休館あり
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約7分
公式サイト
豊臣兄弟! 大和郡山 大河ドラマ館
徒歩約6分

 

秀長が築いた豊臣政権の拠点「郡山城」跡

郡山城跡

豊臣秀長を語るうえで欠かせないのが「郡山城」。

この城で秀長は政務を行い、城下町の整備や財政基盤づくりに尽力したことで、豊臣政権を裏側から支えたのだそうです。

秀長が入城したのは1585(天正13)年。それ以前にも戦国武将・筒井順慶(つつい じゅんけい)が城主となった時期がありましたが、大規模な城の改修に踏み切ったのは秀長でした。本丸や堀を整え、城下町の基礎を築いたのです。

 

郡山城跡

また、「郡山城」にはかつて天守が存在しましたが、関ヶ原の戦いのあとに解体され、再建されることはありませんでした。
その姿を示す資料がほとんど残っていないことから、「幻の天守」と呼ばれてきたほど。
しかし2014(平成26)年の発掘調査で天守の礎石が発見され、長く謎とされてきた天守の存在がようやく確かめられました。

天守こそ現存していませんが、城の中心地だった「本丸」や、外敵の侵入を防ぐための防御エリア「毘沙門曲輪(びしゃもんくるわ)」などを囲む堀と石垣は、今もはっきり残っています。
ぜひ当時の城の形をイメージしながら歩いてみてください。

 

郡山城跡

秀長は「郡山城」築城にあたって、石垣用の石材を奈良県全域から集めました。
その際寺社の石も用いられたとされていて、今でも野面積みの石垣には自然石に混じって、石仏や墓石といった転用石材の姿が見られます。

 

郡山城跡

中でも注目は「逆さ地蔵」。
逆さまになったお地蔵様が窮屈そうに石垣の一部となっています。見つけたら手を合わせてあげましょう。

 

郡山城跡
郡山城跡

1983(昭和58)〜1987(昭和62)年にかけては、城の正面入り口である「追手門」と、その周囲を守る櫓(やぐら)である「追手向櫓(おおてむかいやぐら)」「多門櫓(たもんやぐら)」「追手東隅櫓(おおてひがしすみやぐら)」が再建されました。

 

2021(令和3)年には、城域を結ぶ木造橋「極楽橋」も新たに整備され、さらに見どころが。

また、春には堀沿いに約800本の桜が咲き並び、「御殿桜」と呼ばれる風景が広がります。満開の桜が水面に映り込み、石垣と重なる光景はまさに圧巻です!

 

郡山城跡

住所
奈良県大和郡山市城内町
開門時間
24時間
定休日
なし
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約7分
詳細
大和郡山市観光協会 公式サイト
徒歩約15分

 

豊臣秀長の墓「大納言塚」へお参りに

大納言塚

次は豊臣秀長のお墓参りへ行きましょう。
郡山城跡から南西へ徒歩約15分、住宅街にひっそりとたたずむ「大納言塚」に豊臣秀長は眠っています。

1591(天正19)年に郡山城内で没した秀長はこちらへ葬られました。
豊臣家の滅亡後、墓地は荒廃していましたが、「春岳院」の僧・栄隆(えいりゅう)と訓祥(くんしょう)が郡山町の協力を得て建立。

なお、さきほど紹介した「春岳院」が秀長の菩提寺とされていますが、それは位牌・供養を担う寺としての意味合いであり、墓所そのものは現在の大納言塚にあたります。

毎年4月22日には、豊臣秀長を偲んだ「大納言祭」を開催。
春に訪れる場合は、予定をこの日に合わせて訪れてみるのも良いですね。

 

大納言塚

また、門前には「お願いの砂箱」も置かれています。

 

大納言塚

大納言塚をお参りさせてもらったことへのお礼を申し上げたあと、自分の名前と願い事を言いながらこの箱の穴に砂を3回通すと、秀長が願いをかなえてくれるのだとか。
ぜひお参りのあとで試してみてください。

 

大納言塚

住所
奈良県大和郡山市箕山町14
営業時間
24時間
定休日
なし
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約10分
詳細
大和郡山市観光協会 公式サイト
徒歩約18分

 

秀長御用達の老舗菓子屋「本家菊屋 本店」

本家菊屋 本店

次は「本家菊屋」でひとやすみしましょう。「大納言塚」から北東へ徒歩約18分の距離です。

「本家菊屋」は、1585(天正13)年創業、奈良で最も古いと言われる老舗和菓子店。
豊臣秀長の御用菓子司として大和郡山の城下町に移り、この地へ店を構えたのが始まりとされています。
店構えからも400年以上の歴史を感じますね。

 

本家菊屋 本店
「御城之口餅」(6個800円〜)※賞味期限3日間/画像提供:本家菊屋 本店

秀長から「御茶会で秀吉をもてなすためのお菓子を作ってほしい」と依頼され、生まれたのがこちら。
粒あんをお餅で包み、きな粉をまぶした一口サイズの餅菓子で、秀吉は大変気に入り、当時は「鶯餅(うぐいすもち)」と名付けました。
現在は名を変え「御城之口餅(おしろのくちもち)」として提供されています。

薄皮の餅が餡を包み、食感は柔らかくて上品な甘さ。サイズ感もちょうど良く、お茶菓子に最適です。

 

本家菊屋 本店
画像提供:本家菊屋 本店

購入したお菓子は、店内の縁側や風情ある座敷でイートインも可能です。
たくさん歩いて疲れた足をここで休めて、甘いお菓子でエネルギーチャージしましょう。
冬場には、座敷にこたつも設置してくれるのだとか。

また、店内には高級な福白金時豆の白餡を使った乳菓「菊之寿(きくのことぶき)」や、もなか、羊羹、焼き菓子なども豊富にそろっています。
お土産や贈り物探しにもぴったりのお店です。

 

本家菊屋 本店

住所
奈良県大和郡山市柳1-11
営業時間
9:00〜18:30
定休日
1月1日
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約5分
公式サイト
本家菊屋
徒歩約5分

 

秀長が愛した藍染文化と金魚を堪能「箱本館 『紺屋』」

夾纈・纐纈体験

おいしいお菓子を堪能したあとは、「本家 菊屋」から東へ5分ほど歩いて紺屋町へ。

秀長は「箱本制度」という住民自治制度の一環で、同業者による町を形成しました。当時の紺屋町は、藍染を職業とする人を集めた職人町。

その歴史や文化を伝える藍染体験施設が「箱本館 『紺屋』」です。1728(享保13)年頃から代々染物屋として営んでいた町屋を再生して公開しています。

 

夾纈・纐纈体験
夾纈・纐纈体験

館内には、金魚が泳ぐ水槽や、大和郡山市の藍染の歴史や藍染について学べる展示があり、入館無料で楽しめます。

 

夾纈・纐纈体験
※写真の藍染は商品です

洗濯バサミ・輪ゴム等を使用して模様付けをする「夾纈・纐纈体験(きょうけち・こうけちたいけん)」では、ハンカチやバンダナサイズの藍染体験が可能です。そのほか、ストール藍染体験なども開催されています。

藍染体験は前日までに予約が必要なので、気になる人は公式サイトで詳細を確認してみてください。

 

夾纈・纐纈体験

実施時間
【水・土・日祝】10:00〜、13:00〜、15:00〜(各回定員5人)
【火・木・金】 13:00〜(各回定員3人)
体験料
ハンカチ(サイズ:45×45センチ 素材:綿ローン)1,100円
バンダナ(サイズ:55×55センチ 素材:綿ローン)1,430円

 

箱本館 紺屋

館内には金魚が泳ぐ水槽も配され、中にはブラウン管テレビ型のユニークな水槽も。

 

箱本館 紺屋

また、「金魚コレクション」として金魚研究家・故石田貞雄氏が蒐集した、金魚がテーマの美術工芸品・生活用具などを所蔵・展示しています。

館内には座敷や腰掛けもあるほか、セルフサービスの「コーヒー」(100円)もあり、休憩にもぴったりです。

 

箱本館 『紺屋』

住所
奈良県大和郡山市紺屋町19-1
営業時間
9:00〜17:00
定休日
月曜(祝日の場合は翌平日)、祝日の翌日、年末年始
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約5分
公式サイト
箱本館 『紺屋』
徒歩約4分

 

商店街を彩る優雅な金魚たち「金魚ストリート」

柳町商店街(金魚ストリート)

大和郡山市は通称「金魚の街」としても知られています。
幕末から明治時代にかけて職を失った藩士や農家が、副業として金魚の養殖を始めたのがきっかけなのだとか。

大和郡山市には川やため池が多く水質・水利にも恵まれていたことも大きな要因でした。

 

柳町商店街(金魚ストリート)

「近鉄郡山駅」からすぐの柳町商店街は「金魚ストリート」と呼ばれ、約600メートルに約20店舗ほどがさまざまな金魚水槽を店頭に出し、目を楽しませてくれます。
商店街で見られる金魚は約30品種以上!

 

柳町商店街(金魚ストリート)
柳町商店街(金魚ストリート)

カフェの店頭には改札口型の水槽が置かれているほか、ガラス工房のエントランスにはAppleの手掛けるパソコン「Mac」の旧型デスクトップを模した水槽が設置されているなど、実にユニーク。  

 

柳町商店街(金魚ストリート)
柳町商店街(金魚ストリート)

いたるところで金魚を見ることができます。
店頭だけでなく、店内に水槽を置いている店舗も多く、歩いているだけで癒やされるスポットです。

 

柳町商店街(金魚ストリート)

スタンプラリー「御金魚帖(ごきんぎょちょう)」も実施。やなぎまち商店街で、特製冊子「御金魚帖」を購入し、商店街各店舗の御金魚印を集めるという企画です。

ぜひ商店街の金魚を鑑賞しながら、御金魚印を集めに各店を巡ってみてください。

 

柳町商店街(金魚ストリート)

住所
奈良県大和郡山市柳1〜5
営業時間
各店により異なる
定休日
各店により異なる
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約5分
公式サイト
柳町商店街(金魚ストリート)
徒歩約2分

 

金魚のお土産屋さん&金魚すくい道場も!「おみやげ処 こちくや」

おみやげ処 こちくや
おみやげ処 こちくや

「金魚ストリート」からすぐの場所にある、金魚グッズ専門の土産物店「おみやげ処 こちくや」。
金魚をモチーフにしたハンカチや、キーホルダー、玩具、風鈴など、小物類が並んでいます。

 

おみやげ処 こちくや

土産売り場の隣には、金魚すくい道場を併設。

 

おみやげ処 こちくや

予約なしでいつでも「金魚すくい」(ポイ2枚150円)に挑戦できます。

毎年8月にはここで「全国金魚すくい選手権大会」が開催。大会に向けて、夏には金魚すくいの腕磨きに猛者たちがたくさん訪れるそうです。

 

おみやげ処 こちくや

住所
奈良県大和郡山市紺屋町23-1
営業時間
9:00〜18:00
定休日
1月1日〜5日
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約6分
公式サイト
おみやげ処 こちくや
徒歩約5分

 

日本三大稲荷の一つに数えられる「源九郎稲荷神社」

源九郎稲荷神社

次は「おみやげ処 こちくや」から南へ徒歩約5分の「源九郎稲荷神社(げんくろういなりじんじゃ)」へ。

 

源九郎稲荷神社

歌舞伎・文楽の『義経千本桜』という作品に登場する「源九郎狐」を祭る神社です。
「源九郎狐が郡山城の守護神になる」という夢のお告げにより、秀長が建立しました。

 

源九郎稲荷神社

秀長は源九郎稲荷神社を創建し信仰することで、領地の安定と繁栄を願ったと考えられています。

 

源九郎稲荷神社

可愛い白狐の絵馬にも注目です。

 

源九郎稲荷神社

住所
奈良県大和郡山市洞泉寺町15
参拝時間
24時間
定休日
なし
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約6分
公式サイト
源九郎稲荷神社
徒歩約5分

 

郡山城から遷座。球児たちが集まる「郡山八幡神社」

郡山八幡神社

秀長ゆかりの地を巡る旅のしめくくりは「郡山八幡神社」。
この神社はかつて「郡山城」西方の丘陵地に建っていましたが、1585(天正13)年から始まった「郡山城」築城にともない、この地へ遷座(せんざ)されました。

 

郡山八幡神社

武家の守護神・八幡神を祭っており、必勝祈願の御利益があることから、球児たちが祈願に訪れるようになったとか。

 

郡山八幡神社

本殿にはグラブが飾られ、通称「グラブ神社」と呼ばれています。

境内には野球関連の願いが書かれた絵馬もずらり。
全国の野球好きや、時にプロ野球選手も訪れるそうです。

 

郡山八幡神社

住所
奈良県大和郡山市柳4-25
参拝時間
6:00〜18:00
定休日
なし
アクセス
近鉄橿原線「近鉄郡山」駅から徒歩約8分
公式サイト
郡山八幡神社

 

大和郡山

郡山城跡をはじめ、大和郡山市には豊臣秀長の軌跡がぎゅっと詰まっています。
金魚ストリートや古き良き街並みも、歩いていてとても癒やされるスポットです。
ドラマをきっかけに興味を持った人は、ぜひ聖地巡礼に足を運んでみてください。

 

今回紹介したお店MAP

取材・文/加藤絵里子 撮影/玉川美保

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