日本における別荘発祥の地であり、政財界人らが別荘を構える静かな旧軽井沢。その森閑とした森の中にたたずむのが「ホテル鹿島ノ森(かじまのもり)」です。
品格の高い和のホスピタリティを重んじる「オークラホテルズ&リゾーツ」が手掛けるこのホテルは、ラグジュアリーでありながら、通い慣れた別荘に帰って来たような居心地のよさを兼ね備えています。そんな旧軽井沢のクラシカルなホテルでのぜいたくな滞在をレポートします。
東京の喧騒を離れ、約1時間30分で静かな森のホテルへ
東京駅から北陸新幹線で約1時間10分。軽井沢駅からタクシーに乗り、軽井沢本通りを抜け、大きな別荘や並木道などの軽井沢らしい風景を進むと、7分ほどでホテルに到着します。
車でのアクセスもよく、碓氷軽井沢ICで高速を降り、そこからホテルまでは20分ほどの距離です。
明治時代に建てられた別荘がはじまり
「ホテル鹿島ノ森」のはじまりは、明治時代にさかのぼります。鹿島建設2代目・鹿島岩蔵氏が軽井沢の美しい自然と爽やかな気候に魅せられ、この土地を購入。自らもその一角に別荘を建て、日本人3人目の別荘保有者になりました。
そして、昭和30年代初期には、多くの政財界人の社交場として発展を遂げます。その後、昭和52年に全面改装し、「ホテル鹿島ノ森」として生まれ変わったという歴史を持ちます。
そんなホテル鹿島ノ森を訪れたのは11月末。紅葉も見頃を過ぎ、静かに軽井沢ステイを満喫するにはもってこいの季節です。ロビーはクラシカルで落ち着いた雰囲気。
自然豊かな敷地内には、明治天皇が軽井沢を訪れた際、ここの水が炊飯やお茶に供されたという泉「御膳水」があります。木々が映り込む水面はまるで一服の絵画のように美しい風景です。
広い庭を散歩しながら深呼吸すれば、どんどん日常の疲れがほぐれていくのを実感できます。
新緑の季節はホテル全体が緑に包まれ、最高の森林浴スポットになります。
「極上のくつろぎ」を追求した客室
チェックインを済ませ、客室へ。どのお部屋もシンプルで落ち着いた雰囲気。何もせずに、ただぼーっと窓の外の風景を見ていたくなる、そんなくつろげる空間です。
ゆったりとしたベッドは、一度寝転んでしまうと、そのまま深い眠りに落ちてしまいそうな心地よさ。
くつろぎ時間のお供には、軽井沢に本店を構えるスペシャルティコーヒー店「丸山珈琲」のドリップバッグをはじめ、ダージリンティー、フルーツティー、「辻利」の緑茶が用意されていました。
白を基調にした清潔感あふれるバスルームには、脚を伸ばしてリラックスできる広々としたサイズのバスタブが。
シャンプー、コンディショナー、ボディソープは、ハリウッド女優にも愛用者が多いというサンフランシスコ発のブランド「アグラリア」。爽やかなレモンバーベナの香りがバスルームを満たしてくれます。
水にこだわった敏感肌用自然派化粧品「プラスイ」のスキンケアアメニティもそろい、そこかしこに細やかな配慮を感じました。
ドライヤーは「パナソニック」ナノケアドライヤーの上位モデルが。翌朝、普段よりもずっと髪がしっとりサラサラだったのは、こだわりのアメニティやドライヤー、そして軽井沢の水の相乗効果によるものだったのかもしれません。
そして、やわらかく、さらっと肌になじむ上下セパレートのパジャマもスタンバイ。これはホテルのオリジナルで、気に入ったらフロント横で購入できます(8,800円/Sサイズ、フリーサイズ)。
クチコミ評価4.7! 極上のディナー
お部屋でくつろいでいるうちに、気づけばあたりが暗くなり、外のイルミネーションが灯りはじめました。いよいよ楽しみにしていたディナータイムです。
お食事はレストラン「CONTINENTAL ROOM(コンチネンタルルーム)」でいただきます。楽天トラベルのクチコミで5点満点中4.7(2025年12月8日時点)という高い評価を集めているディナーは、今回の旅の大きな目的のひとつ。
「お客様が喜ぶ顔を見るのが何よりうれしい」と語る料理長の宮沢宏樹さん。創業当時のレシピを継承しつつ、新しい素材や味を追求しながら、匠の技でフレンチベースの西洋料理を提供しています。
コースは地元の旬の素材を中心に、各地の厳選した食材を使用し、マンスリーでメニューが変わります。このお料理を目当てに季節ごとに訪れるゲストも多いそう。
この日の前菜は、長野県産大鱒のタルタル仕立て。長野と静岡の一部のみで作られる高糖度のブランドトマト「アメーラトマト」の甘みが調和し、白ワインが進む絶妙な味わいです。
ワインはソムリエがセレクトした赤・白ワインやシャンパンに加え、まるでワインそのもののようなノンアルコールのワインまでラインナップ。迷ったらソムリエに相談すると、お料理に合わせておすすめのものをセレクトしてくれます。
続いてのスープは、きのことごぼうを合わせたポタージュスープ。夏に登場する冷製ビシソワーズも人気なのだそう。
そして、スープは別途500円でコンソメスープに変更可能。初代から受け継いだレシピのまま、一から手作りしているという料理長こだわりの逸品です。
手間と時間をかけて作られた黄金色に輝くスペシャリテは、口の中でさまざまな風味が何層にも広がる奥深い味で、スープを口へ運ぶスプーンが止まりません。
魚料理は、オマール海老のポワレ。黒米のリゾットの上に鎮座するプリプリのオマール海老に、香り高いアメリカンソースとカレー風味のエピスソースが絶妙に絡み合います。
続いて登場した肉料理は、国産牛フィレ肉のポワレ。美しいグリーンが白いお皿に映え、期待に胸が膨らみます。
グリーンのソースは、わさびとグリーンマスタードのバターソース。とてもやわらかいフィレ肉に、わさびがアクセントとなり、さっぱりといただけます。
コースを締めくくるデザートは、タルト仕立てのホワイトチョコレートムース。白いムースとピスタチオソース、ナパージュベリーのソースがクリスマスカラーをイメージさせます。
クチコミで絶賛されていたお料理は、オークラ ホテル&リゾーツ伝統の味とシェフの匠の技、さらに信州の大自然に育まれた食材や、軽井沢の水が調和し、唯一無二の料理へと仕立てられていました。
フルコースでは量が多いという人には、フルコースを半分ずついただける「ハーフポーション フルコースディナー」や、メインディッシュをお肉かお魚の1皿だけにしぼった「メインチョイスディナー」のプランも用意されています。
▼ハーフポーション フルコース プラン
▼メインチョイスディナー
ディナー後、輝くクリスマスツリーに誘われて庭へ出てみると、大きなツリーやトナカイのオブジェが輝き、あたたかな客室の灯る、とても幻想的な世界が広がっていました。
そして、灯りから離れて夜空を見上げれば、満天の星を見ることも。季節ごとの庭の景色や星空を観賞できるのも、森の中にあるホテルだからこそ。
「メイプルラウンジ」でお酒を楽しむ軽井沢の夜
日中は窓から木漏れ日が注ぐ「メイプルラウンジ」は、夜になるとライトアップされた木々が窓に映る大人の空間に一変します。12月には奥の暖炉に火が入り、冬の夜のあたたかい雰囲気を一層盛り上げます。
棚には希少な国産ウイスキーも並び、至高の一杯に出合えるかもしれません。
バーテンダーにすっきり飲みやすいカクテルをとリクエストして作っていただいたのが、鮮やかなブルーグリーンに目を奪われる一杯。
体にじんわりとアルコールが染み、久しぶりに静かなお部屋でゆっくりと本でも読みたい――。そんなゆったりとした気持ちになりました。
伝統のフレンチトーストやランチに変更も可能な幸せな朝食
朝、窓を開けて軽井沢の清々しい空気を吸い込むと、一気に目が覚めました。ディナー同様、クチコミ評価の高い朝食をいただきにレストラン「コンチネンタルルーム」へ。
朝食は、アメリカンブレックファースト、サラダブレックファースト、フレンチトーストプラン、和朝食の4つから選べます。
アメリカンブレックファーストは、ふわふわのオムレツや目玉焼き、スクランブルエッグなど、好みの調理法に仕上げてもらえる卵料理をメインに、サラダやカゴ盛りのパン、フレッシュオレンジジュースなど、彩り豊かでボリューム満点です。
ヨーグルトは、八ヶ岳山麓に広がる野辺山高原で育ったジャージー牛乳で作られたもので、驚くほど濃厚! パティシエ手作りのジャムなど、こだわりの品々が並びます。
フレンチトーストプランでは、「ホテルオークラ」伝統のオリジナルレシピで作った逸品を味わえます。24時間漬け込み、手間ひまかけて作られるフレンチトーストは、中までしっかり卵液が染み込み、まるでプリンのようにプルプルでふわふわ。
和朝食は、焼き魚、地元産の野菜を使ったサラダ、煮物、厚焼き玉子など、ごはんがすすむメニューが並びます。
そして、朝食はブランチやランチコースに変更できるのもうれしいポイントです。
ブランチは、9:30~14:00に館内の「メイプルラウンジ」で、フレンチトーストやサンドイッチなどをいただけます。緑が美しい季節には、テラスでブランチを楽しむのもおすすめです。
ホテル鹿島ノ森のチェックアウトは12:00とゆっくり。朝食をランチにチェンジして、午前中はお部屋でのんびり過ごし、チェックアウト後にランチを満喫するのもぜいたくな過ごし方です。
ランチは11:30~14:00の間、レストランでの前菜とメイン、デザートの豪華なコースに変更できます。
軽井沢の名所に徒歩約15分、散歩も楽しい好立地
カフェやベーカリー、お土産のショップ、教会などが並ぶ旧軽井沢銀座通りや、別名「スワンレイク」と呼ばれる雲場池まで、ホテルから歩いて15分ほど。散歩するのにちょうどよい距離です。
朝食後、朝の爽やかな空気を思い切り吸い込みながら、森を抜けて、散歩を楽しみました。
客室ラインナップ
ホテル鹿島ノ森の客室は、1階と2階に計6タイプあり、2階の客室には全室バルコニーが付いています。
2階にある客室「ダブルベッドバルコニー」(31平米・定員2名)は、大きな窓から季節ごとに移り変わる軽井沢の景色を楽しめます。
こちらは、1階にある「スタンダードツイン」(31平米・定員2名)。2階にも同様の間取りでバルコニー付きの「スタンダードツインバルコニー」(31平米・定員2名)があります。
スタンダードツインより広く、ソファを配した2階の客室「デラックスツインバルコニー」(36平米・定員3名)と、1階の客室「デラックスツイン」(36平米・定員3名)。
館内で一番広い客室が「ロイヤルスイートバルコニー」(62平米・定員3名)。ベッドルームとリビングルームに分かれ、キッチンシンクも付いているので、買ってきたお酒やおつまみなどを味わいながら、ゆっくりと流れるぜいたくな時間を堪能できます。
バスルームも洗い場付きで、洗面台が独立したゆとりある造りになっています。
スタッフの方々の洗練されたホスピタリティと、クラシカルで落ち着いた空間で過ごした時間は、通い慣れた別荘に帰ってきたような懐かしい気持ちになりました。
軽井沢の森の静けさに包まれ、極上の料理に癒された1泊2日の旅。「ホテル鹿島ノ森」での滞在は、何もせずゆっくりと流れる時間に身をまかせる、大人のぜいたくが詰まっています。
軽井沢 ホテル鹿島ノ森(オークラホテルズ&リゾーツ)
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1373-6
- アクセス
- 北陸新幹線「軽井沢」駅よりタクシーで約7分
上信越自動車道「碓氷軽井沢」ICより車で約20分 - 駐車場
- 無料
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン23:00)
- チェックアウト
- 12:00
- 総部屋数
- 50室
撮影:岡村智明 取材・文:山本美和
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