海と空と島々が織りなす、日本三景・松島。その悠然たる景観に身を委ねながら、心と体を丁寧にほぐしてくれる滞在が「松島温泉 松島一の坊」(以下、「松島一の坊」)でかないます。穏やかに波打つ松島湾を望む特等席で、東北の美食と天然温泉、静寂に包まれたリトリートステイを、オールインクルーシブで楽しむ。自然を感じ、自分を見つめ直す……そんなひとときを過ごせる場所です。
この記事では、「松島一の坊」の魅力を、一泊二日の滞在記でご紹介。美しいオーシャンビューを望むお部屋、五感を喜ばせるオーダービュッフェとロウリュサウナを備えた癒やしの温泉……心ほどけるリトリートステイへ、さあ出かけましょう。
アクセス
東北新幹線が停車する仙台駅から、JR仙石線でおよそ45分。日本有数の絶景を求めて多くの人が利用するJR松島海岸駅から、「松島一の坊」への無料のシャトルバスが随時運行しています(要連絡)。JR松島駅やJR松島海岸駅から徒歩で向かうこともできるので、旅のスタイルに合わせて自由にアクセス方法を選びましょう。
少し時間はかかりますが、JR松島海岸駅からのんびりと景色を眺めながら、約25分の散策をするのもおすすめ。JR松島海岸駅周辺は、お土産のショップやレストラン、瑞巌寺などの名所が並んでいるので、観光気分で街歩きを楽しめます。
そうして、「松島一の坊」へ到着。1985年の開業以来、多くの人に愛され続けてきたこの宿が掲げているのは、「理想の日常」。忙しい日々から解放され、心穏やかに理想の時間を過ごすリトリートステイがかないます。オールインクルーシブのサービスや「ひとさらビュッフェ」に代表されるこだわりが、「理想の日常」の滞在をより豊かに彩ります。
海の見えるラウンジ
チェックインは15:00から。さっそく、到着後から宿泊者が使える「海の見えるラウンジ」へ。この日はビールやスパークリングワイン、ノンアルコールロゼのほか、東北産フルーツを使用した果汁100%ジュースなどをいただけました。これからサウナや温泉を楽しみたい人にとっては、ノンアルコールドリンクの充実もうれしいポイントです。
ラウンジで提供されるドリンクの中には、ユニークな「コールドクレマ・コーヒー」(写真上部)も。まるでビールのような見た目と、ふんわりとした泡の口当たりが楽しい、新感覚のアイスコーヒーです。
スイーツも充実。バターの香り豊かな焼きたてクッキーや、濃厚なブラウニー、ホテルオリジナルのナッツ菓子「いちのたね」などのお菓子を心ゆくまで味わえます。
「いちのたね」は、はちみつ味、黒豆きなこ味、味噌味、黒こしょう味の4種類から日替わりで2種類が登場。コーヒーやお酒とのペアリングを楽しみながら、お気に入りの味を見つけてみてください。
また、ジェラートもお見逃しなく。この日のフレーバーは、「藻塩ミルク」と「日向夏」。ドライフルーツなどのトッピングで華やかに仕上げれば、優雅なデザートタイムに。
お部屋
お部屋は全室オーシャンビュー!夕刻・夜・朝と表情を変える海と、松島湾に浮かぶ島々や美しい水上庭園を望めます。
今回宿泊したのは、「ガーデンテラスビューバスデラックスツイン」。水上庭園の先に広がる松島の景色を眺めて過ごしたり、ゆっくり読書をしたり……。のんびりとした時間が流れます。
「ガーデンテラスビューバスデラックスツイン」がある2階は「ガーデンフロア」。さらに上質なステイがかなうワンランク上のフロアです。一部のお部屋は、ビューバス(露天風呂)やハンモックが付いたタイプも。松島湾と水上庭園を存分に堪能できます。
「ガーデンフロア」に滞在するゲストだけが利用できる、専用のクラブラウンジも魅力のひとつ。瓶タイプのバドワイザーやウィスキーなどがフリーフローで、お部屋に持ち帰って楽しむことも可能です。絶景を背景に、「藤田喬平ガラス美術館」で取扱いのある「虹のカタチビアグラス」を片手に極上のチルタイムを。(※お部屋により異なる)
クラブラウンジには、アルコール類、ナッツ類のおつまみのほか、ガーデンフロア限定のアメニティも。基礎化粧品は、なんと「ミキモト コスメティックス」。クレンジング、フェイスウォッシュ、化粧水、保湿クリーム、そしてシートマスクまでがそろい、上質なケアがかないます。
そのほかのお部屋も個性豊かで魅力的。たとえば、「デラックスツイン/LW5階」では、大きな窓から最上階ならではの景色を楽しみながら、ダブルサイズのツインベッドでゆったりと過ごせます。
館内着は、上下に分かれたオリジナルリゾートウェア。肌に心地いいガーゼ生地で、ふんわりと軽やかな着心地です。(※ショップで購入可能)
温泉・庭がSPA
温泉
「松島一の坊」を象徴するのが、最上階の絶景温泉「八百八島(はっぴゃくやしま)」。三角の大きな屋根の下で、天候を気にすることなく、松島の風景に静かに包まれる湯浴みが楽しめます。源泉は太古天泉「松島温泉1号泉」。地下1500メートルからくみ上げた天然温泉で、肌にふれた瞬間、とろりとした質感に変わり、しっとりとしたつやを与えることから「美肌の湯」としても知られています。
時間帯や天候によって表情を変える景色は、まるで一枚の絵画のよう。歩きながら眺める松島とは異なり、最上階の温泉からはより遠くの島まで望め、貴重な体験になりました。
もう一つの温泉が、内風呂と展望露天風呂のある「五大観(ごだいかん)」。松島湾の四大名所「四大観」に並ぶ絶景という名前の通り、窓越しに松島の絶景を一望できるスポットです。ジャグジーやサウナも完備されており、のんびりと癒やしのひと時を過ごせます。
内湯を出て階段を下れば、開放感あふれる展望露天風呂が。
「八百八島」と「五大観」は、男女入れ替え制。いずれのお風呂も、お天気に恵まれれば、夜は星空を、朝は島影を見下ろすことができます。元旦には、初日の出を拝むこともできるので、とっておきの1年の幕開けを迎える滞在ができますよ。
- 八百八島
- 15:00~24:00/女性、5:00~10:00/男性
- 五大観
- 15:00~24:00/男性、5:00~10:00/女性
庭がSPA
「松島一の坊」の魅力のひとつが、スパエリアもオールインクルーシブで楽しめること。「庭がSPA」エリアにはロウリュサウナ、岩塩岩盤浴、そして温泉が備えられ、心と身体をじっくりととのえる時間が待っています。
オートロウリュサウナは、男女共用かつ着衣で利用できるスタイル。サウナストーンに自動で注がれる水から蒸気が立ち上り、心地よい熱波が身体を包みます。着衣のまま、家族やパートナーと一緒に楽しむことができます。入口に設置されたうちわで風を送り、自分好みの「ととのい」を楽しむのも一興です。
岩塩岩盤浴も同じく男女共用です。ゲルマニウムと麦飯石の2種類の岩盤浴を体験可能。壁に設えられたヒマラヤのピンクソルトが発汗をさらに促します。
たっぷり汗をかいたあとは、大浴場で太古天泉の湯に浸かって、身体をやさしく癒やしましょう。
湯上がりは、夕涼みテラスでひと休み。ウォーターサーバーでしっかり水分を補給しましょう。火照った身体をクールダウンするのにぴったりなアイスキャンディーもあります。こちらももちろんフリーです。
サウナと岩盤浴で温まり、温泉でととのう……。すべてがそろったこの空間で、「温泉リトリートステイ」の真髄を感じられました。
- 庭がSPA
- 15:00~23:30/5:00~10:30
夕食
夕食はレストラン「青海波(せいがいは)」で。「松島一の坊」ではこだわりの「オーダービュッフェ」を展開しています。それは、「一皿ずつ、オーダーを受けてからお客様の目の前でできたての料理を提供する」というもの。
一皿一皿、丁寧に盛り付けてもらえるカウンター割烹のようなライブ感と、コース料理のクオリティを兼ね備えた、新感覚のビュッフェです。メニューは和食と洋食の2つのコース仕立てで用意されています。好みやお腹の空き具合にあわせて、自由にコースを組み立てられるのが魅力。例えば、前菜に洋食の牡蠣のエスカベッシュを楽しみつつ、メインは和食の厚切り牛タンに……なんてわがままも、ここではかなうのです。
量を控えめに楽しみたい方にも、両ジャンルのフルコースを堪能したい美食家にも、心から満足できるディナー体験が待っています。
アルコール類もすべてインクルーシブ。大きなワインセラーには、国内外から厳選された赤・白・スパークリングワインをはじめ、地酒、焼酎、ウィスキー、プレミアムビールなど豊富なラインナップがそろい、お料理とのペアリングも存分に楽しめます。
ノンアルコールドリンクも大充実。フレッシュジュースやコーヒー・紅茶はもちろんのこと、ノンアルコールビール、ノンアルコールワイン、炭酸水、ホットドリンクまで。お酒を飲む人も飲まない人も一緒に楽しめるのがうれしいですね。
メニューは宮城県内の厳選食材を使用。「ソト活」と銘打ち、ホテルの料理人たち自らが生産地へ足を運び、農家や漁師から仕入れた食材で調理された料理たち。
なかでも牡蠣料理は見逃せません。冬から春にかけての旬の時期に個別瞬間凍結した、雄勝湾産の濃厚な旨みの牡蠣を使用しているため、年間を通じてハイクオリティな牡蠣料理を味わうことができるのだそう。クリーミーな味わいが、ワインとの相性も抜群です。
この日の冷菜は盛り合わせで提供され、スパークリングワインとともに優雅なスターターに。サラダには農園直送の野菜を使用し、仙台味噌をアクセントに加えたドレッシングがかかっています。
メインディッシュの一つは、仙台名物の牛タン。驚くほど厚切りの熟成牛タンを炭火で丁寧に焼き上げてもらうことができます。
仙台名物の牛タンは、ジューシーで口のなかでほどけるような食感。その分厚さにも驚かされました。添えられた自家製の南蛮味噌が、味わいにキリッとしたアクセントをプラスします。
お肉料理はもう一品もぜひチェックしてほしいところ。「登米産日高見牛の焼きしゃぶ」は、サシの入ったとろけるようなお肉を一枚一枚丁寧に焼き上げてくれます。じっくりグリルされた野菜も感動の甘さです。
お刺身もまた極上。この日は金華山沖で水揚げされた本まぐろやスズキ、透明感のあるボタンエビ。新鮮な海の恵みを堪能できました。このほかお寿司も展開。こちらももちろん、料理人が目の前で握ってくれます。
デザートも、パティスリーのようなこだわりぶり。目の前でキャラメリゼして仕上げるブリュレや、カスタードやアイスをその場で詰めてくれるシュークレームなど、最後のひと口までおいしさが続きます。
一皿ずつ席に運んでゆっくり食べられるので、会話も弾み、料理への感動もひときわ。五感を満たす、心豊かなディナータイムを過ごせるはずです。
夜のラウンジ&バー
夜の帳が下りたラウンジは、日光の降り注いだ日中とは随分違った雰囲気に。窓の外にはライトアップされた水上庭園が浮かび上がり、暖炉の火がゆらめく空間に、ミュージシャンによる生演奏が静かに響き渡ります。演奏は日替わり。クラシックピアノやジャズピアノ、サックス、フルートなど、多岐にわたります。しっとりとした雰囲気のなかでは、いつもと違う会話ができるかも。
ラウンジには、クラッカーやラムレーズンなどのおつまみとともに、「シーバスリーガル ミズナラ12年」をはじめとする上質なウィスキーも用意。
ラウンジの隣の「ムーンライトバー」ではカクテルを作ってもらうこともできます。定番からホテルオリジナルカクテルまで用意されているので、好みにあわせてオーダーしましょう。こちらももちろん、オールインクルーシブのサービスに含まれています。
お酒を楽しんだら、ライトアップされた庭園を散策。潮風が心地よく、酔いを冷ましてくれますよ。
朝食
朝食も夕食と同じく、レストラン「青海波」でオーダービュッフェを。朝食も、和洋のコース料理からの「いいとこ取り」でメニューを選びましょう!
フランベして仕上げる塩ずんだあん添えのフレンチトーストや、炭火であぶった笹かまぼこ、鮭の炙りなど、朝を彩るひと皿に目を奪われます。また、朝も名物の牡蠣料理が。エビや牡蠣がごろごろと入った三陸オイスターカレー、大粒の牡蠣がまるごと入った牡蠣クリームコロッケは、一口ごとに豊かな海の薫りを感じられました。朝からスパークリングワインを楽しむこともできます。ノンアルコールもあるので、車で帰る方も安心です。
水資源豊かな登米市の「忠義さんのササニシキ」を使った、握りたてのおにぎりも必食です。筋子(いくら)入りと、ホタテの炊き込みご飯、銀シャリの3つから選んで、目の前で握ってもらいます。あっさりした旨みが特長の「ササニシキ」は和食に最適といわれているそう。濃厚な海の幸と相性抜群です。東松島産の海苔も、ごはんのおいしさを引き立ててくれます。
そして朝の締めくくりには、丁寧に淹れたハンドドリップコーヒーを。ビュッフェスタイルではめずらしく、挽きたての豆を使い丁寧にドリップした特別な一杯を味わうことができます。香り高くまろやかな味わいの東北ブレンドは、ホテルメイドクッキーやずんだ餅によく合います。食後の余韻まで、心をやさしく包んでくれます。
水上庭園&藤田喬平ガラス美術館
水上庭園
温泉とスパで体がほぐれたら、今度はゆっくりと心をととのえる時間にしてはいかが? お部屋と海の間に広がる約7000坪の水上庭園は、のんびり歩いているだけで開放的な気分を味わえます。
都会ではなかなか味わえない広い空の下、「汐風さんぽ」を満喫してみましょう。
藤田喬平ガラス美術館
ホテル内には、世界的なガラスアーティスト・藤田喬平(ふじた きょうへい)氏の名を冠した「藤田喬平ガラス美術館」が併設されており、こちらも宿泊者はインクルーシブで鑑賞できます。
金箔とガラスを用いた独自の表現を築き上げた藤田喬平氏と、そのスピリットを受け継いだ藤田潤氏による作品が展示され、ヴェネツィアングラスと日本の工芸が融合したアートをはじめとする世界が広がります。卓越した技術と豊かな創造力が織りなす作品の数々は、見る人の感性にそっとふれ、新たなインスピレーションをもたらしてくれることでしょう。
ガラス作品を中心に、一点ものを集めたミュージアムショップも併設しています。
チェックアウト
チェックアウトはゆとりのある11:00。身支度が整ったら、再びラウンジで軽食を楽しむのもおすすめです。朝のラウンジには前日とは異なるドリンクやジェラートなどが用意されています。この日は、濃厚でありながら後味のさっぱりとしたミックスジュースや、チョコレートの食感が楽しいチョコバナナジェラートをいただきました。旅の終わりにふさわしい、やさしい甘さが印象的でした。
雄大な松島の景色、癒やしのお部屋に、心を満たす美食。「松島一の坊」での滞在は、ただの旅行ではなく、自分自身に向き合うための静かなひと時。記念日やご褒美の旅で、あなたの大切な時間を、ここで過ごしてみませんか。
松島一の坊
- 住所
- 宮城県宮城郡松島町高城浜1-4
- アクセス
- 【電車】JR東北本線「松島駅」・JR仙石線「松島海岸」駅より無料送迎サービス有
【車】三陸道「松島海岸」ICより車で約15分/JR「仙台」駅より車で約60分 - 駐車場
- 無料
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン18:00)
- チェックアウト
- 11:00
取材・撮影・文/大川祥子
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