日本最大級の大きな信楽焼のお風呂に、水平線を一望できる露天風呂を追加料金なしで独り占め……そんなぜいたくがかなう宿が熱海にあります。それこそが、「味と湯の宿 ニューとみよし」。館内には14もの貸切風呂があり、すべて24時間利用可能。さらにはサウナ+水風呂の貸切まで! そして、この宿が長く愛され続ける理由は、温泉だけではありません。夕食には、伊勢エビや金目鯛の刺身が惜しみなく盛り込まれた豪華な舟盛りが登場。その圧倒的なボリュームに、思わず声が上がるはずです。まさに「味」と「湯」の両方を極めた一軒。「ニューとみよし」での1泊2日の滞在をご紹介します。
目次
- ・アクセス・チェックイン
- ・お部屋
- ・新館・貸切風呂
- ・プレミアム・パウダールーム
- ・個室サウナ&別邸 浜の湯
- ・湯上り処&足湯
- ・本館・貸切風呂
- ・夕食
- ・朝風呂・朝食
アクセス・チェックイン
熱海市街地から車で海沿いの道を走ること約10分。静寂と穏やかな海が広がる南熱海に到着します。その海の色を彩ったような落ち着いた藍色の建物が「味と湯の宿 ニューとみよし」です。
40台分の駐車場に加え、熱海駅発の路線バスも目の前に停まります。到着するとスタッフがあたたかく迎えてくれ、本館のロビーへと案内されます。2024年に新館の完成と併せてリニューアルされており、鮮やかなタイルを散りばめたチェックインカウンターが印象的です。
フリードリンクコーナーでは、水出し静岡茶やホットコーヒーなどのソフトドリンクを提供。到着時だけでなく、食事後や出発前にも利用でき、海を眺めながらひと息できる空間です。
滞在中の過ごし方を聞いてみると、14か所の貸切風呂は本館、新館、別棟にあること、さらに予約は不要で24時間いつでも利用できるとのこと。どこから入ろうか、思わず悩んでしまいます。
おみやげを販売するショップもロビーに併設しており、名産のぐり茶や老舗和菓子屋さんの銘菓各種、ご当地のクラフトビールから名産のみかんジャムまでと幅広い商品が並んでいます。
一角には、オリジナルグッズも。今治タオルメーカーとコラボした速乾性のあるタオルはサウナとの相性抜群。キュートなイラストのサコッシュは使い勝手のよいサイズ感で、思わずお風呂に持って行きたくなるアイテムです。滞在のお供にぴったりですね。
お部屋
新館「デラックススイート」
客室は新館、別館、本館の3棟があり、なかにはワンちゃんOKなお部屋も。全室スイート仕様の新館はオーシャンフロントで眺望も良く、今回は、広さ82平米の「デラックススイート」に宿泊します。
ベージュやクリームなどナチュラルカラーの洋室に、くつろぎやすい和室も付いているのがうれしいポイント。セミダブルのベッド2台と、和室に布団を敷けば最大5名まで泊まることができ、カップルや親子3世代、友人グループなど幅広く利用されています。
国内メーカーの家具は木製ならではのあたたかみが感じられ、ドイツの老舗メーカーが日本の伝統文様を独自にアレンジした青海波風の壁紙もお部屋のアクセントになっています。
広めのバルコニーにはお部屋の色と調和した露天風呂もあり、海を眺めながら温泉に浸かれる至福のひとときも過ごせます。自分で湯量や温度を調節できるので、ぜいたくにかけ流したり、ぬるめで長く浸かったりと自分好みの入浴を楽しめます。
洗面ボウルが2つ並ぶパウダールームは明るく、大人数でも使いやすいデザイン。シャワー、露天風呂への行き来もスムーズです。
クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液とひと通りのスキンケアグッズにくわえ、シートマスクなどアメニティも充実しています。
さらに館内用の浴衣以外に、就寝用のパジャマも用意されていたり、ファミリー向けにベビー用品を貸し出していたりと、心づかいも細やかです。
お部屋の飲み物はフリードリンクになっていて、ソフトドリンクや缶ビール、地域限定のクラフトチューハイがそろっています。
こうしたゲストの心地よさにこだわった空間づくりについて、2代目の富岡宏泰さんは「ホテルの機能性と旅館のぬくもりの両方を大切にしています。南熱海ならではの豊かな自然に囲まれながら、現代の生活に寄り添った快適な客室で、日常からかけ離れすぎていない、ほどよい非日常を感じていただけたらうれしいです」と、ほほ笑みます。
新館「プレミアムスイート」
旅の思い出をより特別なものにしたいなら、1室限定の「プレミアムスイート」がおすすめです。
広さ135平米は、全客室の中でもダントツの広さ。まるでモデルルームのようなダイニングとリビングが広がり、手前にはセミダブルベッドが2台。バルコニーは2部屋分の大きさがあり、3名サイズの露天風呂もこの部屋だけに用意された特別な浴槽です。
洋室だけでもゆったりとしていますが、その奥には12畳の和室も控えており、最大定員の6名でも快適に過ごせます。
新館・貸切風呂
お部屋でひと休みしたら、早速、自慢の貸切風呂へ。
新館には7か所の貸切風呂があり、「薫風」(くんぷう)や「紺碧」(こんぺき)など空や海を表す名前がつけられ、一つひとつが異なるデザイン。のれんをくぐるたびにワクワクし、滞在中にすべてのお風呂を巡るゲストもいるのだとか。
爽やかな青空を連想する「青雲」には、ぽっかりと浮かぶ雲のような大きな露天風呂をしつらえています。直径2メートルというサイズは、信楽焼の露天風呂の中では国内最大級と言われ、2~3名が入っても十分な広さです。
ゲストのリクエストで増設した内風呂は青や紺のモザイクタイルをあしらったポップなデザイン。温泉はどこも24時間かけ流しで、塩化物泉のお湯が身体を芯から温めてくれます。
「可惜夜」(あたらよ)という幻想的な名前が付いたお風呂も同じく露天風呂と内風呂が付いた貸切風呂ですが、明るい「青雲」とは対照的に落ち着いた印象です。
内風呂と露天風呂の両方に重厚感のある黒御影石を使用し、ダークブラウンのタイルがシックな雰囲気を演出。静かに流れる時間が自分の意識を内側に誘ってくれそうです。
プレミアム・パウダールーム
貸切風呂で温まったら、そのまま向かいにある「プレミアム・パウダールーム」へ。
ルームフレグランスの心地よい香りに包まれながら、化粧水や乳液、それにボディクリームなど数あるスキンケアグッズからお気に入りのものを選べます。ブランドも豊富にあり、女性だけでなく男性のゲストからも使いやすいと好評です。
ドライヤーも、高級美容ブランドの「ReFa」をはじめ、「SALONIA」、「パナソニック」、「ダイソン」と他にはない充実ぶりで、どれにしようか思わず迷ってしまいます。
オープンエリア以外に、のれんで分けられた個室も8つほど。ゆっくりと身支度を整えられる環境は、まさにプレミアムな空間です。
個室サウナ&別邸 浜の湯
せっかく「味と湯の宿 ニューとみよし」に訪れたのなら、引き続き、意匠の異なるお風呂を巡るのがおすすめです。
新館にはサウナに特化した貸切風呂が3か所あり、すべてが水風呂付き。サウナ、水風呂、外気浴スペースの距離がそれぞれ近く、ととのう環境はバッチリです。一番大きいサウナの「黄昏」(たそがれ)は定員4名で利用できます。
貸切サウナなら周囲を気にせず、会話を楽しんだり、寝転がったり。さらに自分のタイミングでロウリュができるのも、貸切ならではの良さです。誰でも気軽に体験できるので、この機会にサウナデビューするゲストもいるのだとか。
新館と本館の間にたたずむ別棟「浜の湯」は、純和風のお風呂を満喫できる隠れスポットです。
定員8名の「長浜」は、貸切風呂すべての中で一番の大きさを誇ります。
野趣あふれる露天風呂に御影石の内風呂、さらにサウナまでと、プライベート空間であることを忘れてしまうほどの圧倒的なぜいたく感です。
同じく隣接する「白浜」も定員8名で、「長浜」に次ぐ2番目に大きい貸切風呂。こちらもサウナ、内風呂、露天風呂がそろっています。
湯上り処&足湯
湯巡りを楽しんだら、水分補給と休憩もお忘れなく。新館の「湯上り処」には、ポカリスエットやソフトドリンク、あたたかい飲み物が用意され、ゆったりとくつろげます。
ソファやビーズクッションも置かれ、暗めのダウンライトに身も心もリラックスしていきます。
ちょっとしたぬくもりが恋しくなったら「湯上り処」近くの足湯へ。海から吹く風は爽やかで、のぼせることを気にせず、おしゃべりを楽しめます。
貸切風呂の空き状況は施設内で確認できるほか、スマートフォンでも表示されています。お部屋にいながらチェックでき、入浴開始の時間も表示されているので、次はどこのお風呂に入ろうかと選びやすいです。
本館・貸切風呂
夕食前に眺望が一番と言われる本館屋上へ。高野槙を使った「海」など浴槽のデザインはそれぞれ異なりますが、4か所すべての露天風呂からは海を一望でき、自由に開閉できる屋根とフェンスで開放感も抜群です。
木曽檜でしつらえたお風呂「空」に訪れてみると、空と海はパステルカラーのグラデーションに染まり、その美しさに心が奪われます。
雲が風に流れ、空の色が移ろいでゆく様子は、まるで印象派の名作を眺めているよう。日常の音はお湯にかき消され、悠久の時間が流れていきます。
夕食
夕食は、お食事処「十二支」の個室にて。お部屋に入ると尾頭付きのタイや伊勢エビを盛り付けた舟盛りが盛大に出迎えてくれました。
熱海ならではの金目鯛をはじめ、アワビやカンパチ、マグロにホタテ、甘エビなど高級食材がふんだんに盛られ、まさに大漁。地元で獲れるうえ、このボリュームを一年中いただける熱海の海の豊かさに驚かされます。どのお刺身も新鮮さゆえのぷりぷり食感に身が弾け、味も濃厚です。
先付けと前菜は、旬の食材を使うことで季節感も大事に。さつまいもと大根に淡雪あんかけを合わせることで冬の気配が漂います。小鉢に盛られた前菜が酸味や旨みの五味をそれぞれ際立たせ、天城名産のわさびが味全体を引き締めます。
地のものをいただくなら、お酒も地酒が一番。原料米から品質まで徹底的にこだわり、吟醸酒のパイオニアとして知られる「磯自慢」、味の調和がとれ、スッキリとした後口が特徴の「正雪」、ソフトな口あたりで食事との相性を追求している「開運」など、静岡を代表する銘柄がそろっています。
中盤の一品では、牛の鉄板焼きやカンパチのかぶと焼きなど数種類の中から自分好みを選べるのも魅力的です。一番人気は、伊勢エビを豪快に焼いた鬼殻焼き。殻の香ばしさが食欲をそそり、味付けを控えめにすることでエビミソの濃厚さが口の中であふれます。
金目鯛を食べずにして熱海を去ることはできません。この土地の名産品も通年でいただくことができます。甘辛いタレで丁寧に煮込んだ身はふっくらと仕上がり、とろけるような食感。噛むほどに上品な脂が広がっていき、おいしさの余韻に浸ってしまう一品です。
全8品から成る夕食はボリューム満点。お部屋でゆっくりしていると窓の向こうには星と街明かり、そして静かな海。湾の奥にいるため、大きな波が来づらい穏やかな環境が深い眠りへと誘います。
朝風呂・朝食
翌朝、日の出直前に目覚めたら、すぐにバルコニーの露天風呂へ。ゆっくりとお湯に浸かっていると、紺色の空が徐々に明るくなり、鮮やかなオレンジ色に。一日の始まりを起きてすぐに朝風呂で迎えられるのは露天風呂付き客室の特権。早起きした甲斐もあり、気分も晴れ晴れです。
朝食は、昨夜と同じ個室で色彩豊かな和食膳をいただきます。ヨーグルトやサラダなど、朝食にうれしいメニューに加え、おかずも少量ずつで多くの味を満喫できます。
夕食に引き続き、朝食も豪華です。静岡県のブランド豚「ふじのくにポーク」のしゃぶしゃぶは、やわらかくまろやかな味わいで、朝食にも食べやすいです。
熱々の状態でいただくアジの干物は、もちろん地元産。肉厚の身に旨みがぎゅっと詰まっていて、絶妙な塩加減にご飯もすすみます。コリコリと歯ごたえのある海苔クラゲ、珍しい桜エビと白魚の佃煮もご飯との相性が良く、ショップで購入もできる人気のおみやげです。
昨夜の伊勢エビが、今朝はお味噌汁で再登場。伊勢エビの出汁がきいたお味噌汁にかぐわしい磯のりを振りかけると、いっそう深みのある味わいに。余すことなく海の恵みを堪能でき、最後まで満ち足りた滞在となりました。
「南熱海は海と空がきれいで、時間もゆっくりと流れていきます。こういう空間だからこそ生まれる、ご家族や大切な方との時間の過ごし方もあると思いますので、ぜひ心に残る思い出を作っていただきたいですね」と、富岡さん。その言葉通り、おいしかった食事も、気持ちよかった温泉も、振り返ると傍らには大切な人の笑顔が。「味と湯の宿 ニューとみよし」での滞在は、途切れることなく時間を一緒に過ごせ、旅の思い出をより楽しく、いっそう忘れられないものにしてくれます。
味と湯の宿 ニューとみよし
- 住所
- 静岡県熱海市下多賀1472-1
- チェックイン
- 14:00(最終チェックイン:19:00)
- チェックアウト
- 10:00
- アクセス
- 【車】国道135号線を熱海より伊東方面へ7キロメートル、長浜海岸前
【電車】JR「熱海」駅よりバスで約20分/「伊豆多賀」駅より徒歩約8分(無料送迎サービス有※要連絡) - 総部屋数
- 36部屋
取材・撮影・文/浅井みらの
