木の温もりと食文化に包まれて。奈良を深く味わうホテル「セトレ ならまち」

セトレならまち

約1300年の歴史を重ね、今もなお多くの文化財を残す奈良。そんな古都の空気を感じながら滞在できるのが、興福寺のほど近くにたたずむ「SETRE NARAMACHI(セトレ ならまち)」です。

奈良・吉野産のスギやヒノキを随所に用いた館内は、木の温もりに包まれた心地よい空間。中庭を眺めながら、宿泊者専用ラウンジで奈良のお酒を楽しむひとときも格別です。建築や食、土地の恵みを通して、奈良の“伝統”と“今”を五感で味わえる「セトレ ならまち」の魅力をレポートします。

 

 

アクセス

猿沢池のほとりにたたずむホテルへ

セトレならまち

「奈良を紐解き、奈良を創るホテル」をコンセプトに、2018年に誕生した「セトレならまち」。アクセスは、近鉄奈良駅より徒歩約8分。すぐ近くに世界遺産・興福寺の五重塔をはじめ、奈良公園の猿沢池にもほど近く、奈良観光の拠点として便利な立地です。

 

セトレならまち

「セトレ ならまち」は建築家・芦澤竜一さんが設計を担当し、奈良県産の木材や土、石などの素材と、地域に根ざした技術や構法を取り入れたデザインが随所に施されています。

 

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エントランスを入ったロビーの土壁には、奈良県の天理や月ヶ瀬村の土、藁(わら)を使用。

 

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土と藁を壁に塗る素朴な技法から始まり、次第に整然と積み上げられた「ネコ積み」の土壁へとつながっていきます。古代から現代まで受け継がれてきた左官技法の進化を感じられるデザインです。

 

客室

青丹〜あおに〜

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客室は全32室で、すべて吉野杉を用いた木の温もりあふれる空間です。「青丹〜あおに〜」(25平米・定員2名)は、2台のベッドを並べたハリウッドツインタイプ。木材をランダムに配置したヘッドボードで、柔らかな木漏れ日を表現しているそう。

 

セトレならまち
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中庭を囲むように設計された建物には、庭に面した客室と、猿沢池を望める客室があります。「青丹〜あおに〜」は池向きで、美しい水辺や鹿が歩く姿を眺めながら、心安らぐ時間を過ごせます。

 

セトレならまち
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洗面所とシャワーブースはコンパクトにまとまり、機能的なつくり。トイレも別になっていて、快適に利用できます。

 

セトレならまち

バスアメニティには、フィトテラピー(植物療法)と科学、国産原料を融合したトータルライフケアブランド「Waphyto(ワフィト)」を採用。シャンプー、コンディショナー、ボディソープには、ラベンダーやローズマリー、ホーリーフ、オレンジなどの精油をブレンドした香りが広がり、心までほぐしてくれます。

 

セトレならまち

柔らかな生地を使ったルームウェアは、上下セパレートタイプ。レストランを除き、館内ではルームウェアのまま過ごせます。

 

セトレならまち

客室には、「セトレ ならまち」のためにセレクトされたパナマ産のコーヒーが用意されています。このコーヒーは世界最高品質のコーヒーを追求する「MI CAFETO(ミカフェート)」が監修したもので、創業者であり、コーヒーハンターとして知られるJosé(ホセ)川島良彰さんが手がけています。

 

aeru room

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「aeru room」は、日本の伝統を今に伝える「株式会社和える」とコラボレーションした客室。奈良の町が育んできた“大和の心”を、石積みや土壁などの自然素材で表現した空間です。広さは約25平米で定員は2名。トイレは独立、シャワーブースも備えています。

 

蘇芳〜すおう〜

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3名以上での宿泊におすすめなのが「蘇芳〜すおう〜」。堀座卓付きの和室にテラスを備えた、約34平米のゆとりある客室です。定員は最大4名で、ハリウッドタイプのベッドに加え、布団を2組敷いて利用できます。

 

セトレならまち

バスルームにはバスタブを備えており、観光の後にゆっくりと入浴を楽しめます。

 

MACHIYA〜町屋ルーム〜

セトレならまち
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「MACHIYA〜町屋ルーム〜」は、奈良の石畳を思わせる宿泊者専用アプローチを備えた客室。奈良の町屋で親しまれてきた「坪庭」を取り入れた、約30平米の空間で、定員は最大2名です。

 

セトレならまち

「MACHIYA〜町屋ルーム〜」も、バスタブ付きのバスルームと独立したトイレが備わっています。

 

ラウンジ

時間帯ごとに楽しむ、奈良づくしのフード&ドリンク

セトレならまち

「セトレ ならまち」に宿泊する楽しみの一つが、宿泊者専用ラウンジ。「奈良のタカラモノに出逢う」をコンセプトにセレクトされたドリンクやお菓子などを、インクルーシブで楽しめます。

 

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ラウンジでは時間帯に応じて提供内容が変わり、15時から翌6時30分まではアルコールを楽しめます。

赤・白ワインやウイスキー、タップで注ぐビールやスパークリングワインのほか、奈良春日山酒造の焼酎や梅乃宿酒造のフルーツリキュールなど、奈良ならではのお酒もそろっています。

 

セトレならまち

季節ごとのお酒や食事も旅の楽しみ。この日は、ちょうどしぼりたての新酒が味わえる時期で、奈良を代表する地酒・今西清兵衛商店「春鹿」の飲み比べを楽しめました。

酒蔵はホテルから歩いて10分ほど。ホテルで出合ったお気に入りの奈良のお酒を、実際に買いに出かけられるのも、「セトレ ならまち」ならではの魅力です。

 

セトレならまち

フードメニューも充実しており、15時から17時30分まではクッキーやチョコサラミが提供されます。冬の時期には、温かいお汁粉やかぼちゃプリンなど、季節に合わせたメニューも並びます。

 

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17時30分から20時まではサラミやチーズ、奈良漬けなど、お酒に合うおつまみが並びます。酒粕に漬けて熟成させる奈良漬けは、奈良の日本酒はもちろん、爽やかなスパークリングワインとも好相性です。

 

館内施設

奈良らしさが詰まった、くつろぎスポット

セトレならまち

ラウンジに併設された「匠室(マイスタールーム)」は、奈良の職人たちの技と想いが詰まった特別な空間です。

 

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釘や金具を使わずに組まれた吉野杉の三方格子や杉皮葺き、井上左官工業・井上雄二さんによる土壁、福西和紙本舗・福西正行さんの手漉き和紙、浜田畳店・浜田賢司さんの畳、studio jig・平井健太さんの木工家具など、すべて奈良の人々の手で作り上げられた“オール奈良”の空間。宿泊者が自由に利用できる、非常にぜいたくな場所です。

 

セトレならまち

「ライブラリー&レコードルーム」では、ラウンジで提供されているお酒を片手に、本を楽しむのもおすすめの過ごし方。選書は“本のソムリエ”として知られる堀部篤史さんが手がけ、歴史や建築にまつわる本から物語に没入できる小説まで、気になる一冊がそろいます。

 

セトレならまち

宿泊者が自由に音楽を楽しめるよう、レコードプレイヤーも置かれています。往年のロックナンバーから、誰もが知るアニメーション映画の音楽など、選ぶ時間も楽しいラインナップです。

 

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天気が良い日は、屋上の「星宙(ほしぞら)テラス」へ。

興福寺の五重塔を目の前に望む抜群のロケーション…なのですが、実は現在、五重塔は保存修理工事中のため、工事用の覆屋(おおいや)で覆われています。修理中の姿もまた、文化財を次世代へと受け継ぐ過程として味わってみてくださいね。

 

BIO YARD

循環する庭で感じるサステナブルな時間

セトレならまち

地域に根付くさまざまな取り組みを行う「セトレ ならまち」は、サステナブルツーリズムの視点からも注目したい宿です。

その象徴ともいえるのが、循環型オーガニックガーデン「BIO YARD」。枝垂れ桜のある中庭にはコンポストが設置され、奈良県特産の地鶏・大和肉鶏が自由に過ごしています。

 

セトレならまち

レストランで出た野菜くずなどは鶏たちのエサになったり、コンポストで微生物によって分解されたりして堆肥に。そして、その堆肥で育てられたオーガニック野菜が、再びレストランの料理として提供されます。

こうした循環の仕組みを難しく考えることなく、自然に感じられる空間です。

 

セトレならまち
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注目したいのが、「ASHIYOKUドーム」で体験できる発酵温熱木浴。吉野産の天然無垢ヒノキの間伐材や林地残材を粉砕したヒノキパウダーに米ぬかをブレンドし、微生物の発酵熱だけで足元を温めます。

電気や火を使わなくても、パウダーの中は50度前後の温かさ。ヒノキの香りに癒やされながら、深くリラックスできるひとときです。

 

食事

奈良の風土に酔いしれる、特別なディナー

セトレならまち

夕食・朝食は、「DINING ROOM IN THE NARAMACHI」でいただきます。樹齢約100年の吉野杉を使ったダイニングテーブルを囲みながら、奈良の食文化を表現した「NARA Gastronomy~ガストロノミー~」を堪能できます。

 

セトレならまち

ディナーは、奈良の四季折々の食材を生かしたフレンチベースのコース料理。奈良ならではの発酵調味料や、和のエッセンスを添えた一皿一皿が並びます。ディナーコース「Profiter~プロフィテ~」は全7品構成で、季節ごとに内容が変わります。

オードブルの「大地の恵み 蒼葱のオイルと柿のヴィネグレット」は、和伝統野菜・大和ふとねぎのオイルを奈良産野菜に合わせ、奈良特産の柿のドレッシングで仕上げた一品。土地の恵みを存分に味わえる、奈良尽くしの前菜です。

 

セトレならまち

メインの肉料理は「大和牛もも肉のグリエ 季節の根菜とともに」。赤身の旨みが魅力の奈良のブランド和牛・大和牛を、最適な火入れで焼き上げた一皿です。

この日の季節の根菜は、赤カブの「もものすけ」。素材の味を生かしたシンプルな赤ワインソースとともに、大和牛と根菜それぞれのおいしさを引き立てています。

 

セトレならまち

料理に合わせるペアリングとして、奈良産の日本酒やワインも見逃せません。なかでも注目したいのが、奈良県唯一のワイナリーである木谷(きたに)ワイン。奈良産や大阪産などの国産ブドウを使い、土地の個性を生かしたワインを醸造しています。

「大和牛もも肉のグリエ」には、木谷ワインの「ルージュ2023」を合わせて。ここを訪れた人だけが味わえる、奈良ならではのマリアージュを堪能できます。

 

発酵調味料で楽しむ、奈良尽くしの朝食

セトレならまち

朝食は、奈良産の野菜や大和ポークを蒸して味わう「蒸篭(せいろ)スタイル」。発酵文化が根付く奈良の食にちなみ、塩麹の豆乳ゴマドレッシングや醤油麹マヨネーズなど、自家製の発酵調味料とともに楽しめます。

ご飯には曽爾米(そにまい)と明日香古代米を使用し、汁物には美吉野醸造の酒粕を使った粕汁を用意。朝から奈良の食の豊かさを感じられる内容です。

 

アクティビティ

静寂の奈良を巡る、朝の散策体験も

セトレならまち

早起きは三文の徳。日中は多くの観光客で賑わうホテル周辺も、朝の時間帯は驚くほど静かで、古都・奈良ならではの落ち着いた雰囲気を味わえます。

7時〜8時には、宿泊者向けに「朝活」として、ガイドとともに周辺を散策する無料アクティビティも用意(前日19時までに要予約)。歴史にふれ、鹿に癒やされながら、ゆったりとした朝の時間を過ごせますよ。

 

セトレならまち

建築や食、職人の技や土地の恵みを通して、奈良の魅力をじっくり味わえる「セトレ ならまち」。日常を少し離れ、ゆったりとした時間の中で、奈良の物語に身をゆだねてみてはいかがでしょうか。

 

SETRE NARAMACHI(セトレ ならまち)

住所
奈良県奈良市高畑町1118
アクセス
近鉄奈良駅より徒歩約8分、JR奈良駅より徒歩約15分
チェックイン
15:00
チェックアウト
11:00
客室数
32室
駐車場
なし

取材・撮影・文/小浜みゆ

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