兵庫県・赤穂御崎――「日本の夕陽百選」にも選ばれる壮大な絶景。その海辺に佇み、2016年版『ミシュランガイド兵庫特別版』にも掲載された美食の温泉宿「赤穂温泉 潮彩きらら 祥吉」(以下「潮彩きらら 祥吉」)で、心ゆくまで非日常のひとときを味わう滞在をしてきました。穏やかな瀬戸内海を眺め、新鮮な海の幸を味わい、海へと続くお風呂で癒やされ……。初めての宿泊でも「ただいま」と言いたくなるような、心温まるおもてなしに包まれる「潮彩きらら 祥吉」での一泊二日の滞在記をお届けします。
アクセス
赤穂について
兵庫県の南西部、岡山県との県境に位置する赤穂市。「瀬戸内海国立公園」の一部を成し、毎年12月に開催される「赤穂義士祭」や塩の名産地として知られています。また近年では、幾何学模様の階段と坂が海へと続く「きらきら坂」や、海のすぐ側に建つ鳥居で知られる「伊和都比売(いわつひめ)神社」など、フォトジェニックな旅が楽しめる場所として注目されています。
宿へのアクセス
宿のある、赤穂の玄関口は、JR播州赤穂駅。世界遺産にも登録された「姫路城」も近い姫路駅から、乗り換えなしで約30分という至便さも魅力です。JR播州赤穂駅から宿までは路線バスで約17分、タクシーで約10分。チェックイン時間に合わせた14時45分と15時45分に、宿の無料シャトルバスも運行しています。(要事前予約)
周辺観光をめいっぱい楽しみたい方は、車でのアクセスが最適です。主要スポットは赤穂駅と祥吉の間に点在しているため、路線バスでも巡れますが、時間を気にせずスムーズに移動するなら自家用車が便利でしょう。一方、宿でゆったり過ごしたい方は、シャトルバスで向かい、徒歩圏内にある赤穂御崎を散策してみてはいかがでしょうか。
チェックイン~ロビー
移り行く景色が楽しめる!瀬戸内海ビューの「おいしい」ロビー
宿に到着すると、笑顔の素敵なスタッフの方がお出迎えをしてくれます。チェックインを終えたら、奥のロビーへ。宿の中心にあるロビーは、祥吉のこだわりがたくさん詰まった場所です。
大きな窓の向こうに広がるのは瀬戸内海。姫路市の家島や香川県の小豆島など、瀬戸内に浮かぶ島々も望めます。このロビーは、移り行く瀬戸内の風景を楽しめる、絶好のロケーション。
ウェルカムドリンクには、兵庫県姫路市安富町の特産品である柚子を使った柚子茶をいただきます。暑い日にうれしい、さっぱりとした味わい。噛めば噛むほど旨みが増す「かわはぎ小判」がお着き菓子です。
15時からは、ロビーラウンジにある「SNACK FOOD & BAR 吉」にて、フリードリンクサービスが始まります。用意されているのは、宿おすすめの播州の地酒。甘口から辛口まで4種類のお酒があり、利き酒を楽しめます。コーヒーや紅茶、ココアなど、ソフトドリンクも充実。
小豆島の「燻製芋けんぴ」や相生市の「うまいか」などの特産品をはじめ、赤穂の塩を使った宿オリジナルの塩まんじゅうをお酒のお供に。海を眺めながら、おいしくいただきます。すべてショップで販売しているので、お気に入りのものが見つかったら、大切な人へのお土産に。
全国から集めたこだわりの椅子とアートの数々
穏やかな時間が流れるロビー。この空間を作っているのは、窓の向こうに広がる瀬戸内海だけではありません。テーブルや椅子、小物のひとつひとつが、オーナーが全国から集めたこだわりの品です。
デザインだけでなく、館内のどの場所に置くかにもこだわっています。手前に写る赤色の椅子は「うたたね麻朝椅子」。隣の青色の椅子は、「うたたね工芸椅子」。まるで、ここから見る海と夕日を表したかのような色合い。
コーヒーを片手に瀬戸内海を見渡す、特等席に。
コレクションされた椅子やアートは、ロビー以外の至るところに置いてあります。滞在中、お気に入りの椅子やアートを見つけるのも、祥吉で過ごす中での楽しみのひとつです。
客室
瀬戸内海を望むオーシャンビュー客室
ラウンジで一息ついた後は、さっそくお部屋へ。祥吉の客室は6タイプ、全25室。宿泊したのは、瀬戸内海を望む広縁が付いている「マッサージチェア付和室10畳(広縁付)」です。客室はオーシャンビューがスタンダード!客室の向きは指定できませんが、「和室ベッドルーム(1名専用)以外のどの部屋からも大海原を満喫できます。
椅子へのこだわりはお部屋にも。広縁に置いてある椅子も、オーナーが「椅子探し」の中で出合った、こだわりの一脚。客室の雰囲気や景観に馴染み、お部屋で過ごす時間をより心地良く、快適にしてくれます。
お部屋の引き出しには、CDやパズルゲームが。音楽を聴きながら、海を向いて置かれた椅子に座ってパズルに興じたり、マッサージチェアで疲れを癒やしたり、穏やかな瀬戸内の流れに身を任せ、のんびりと過ごします。
館内着は、「今までの旅館にないような」をコンセプトにした作務衣。上下がセパレートになっているので動きやすく、着崩れしにくいデザインです。希望があれば浴衣の用意も可能。
宿オリジナルの丹前もあります。朝晩、冷房などで冷え込むときに、首や肩を温めながら過ごせる一着。気に入れば、館内のショップにて購入することもできます。
大浴場
空と海を見渡す絶景温泉
大浴場は2つ。地下1階の「爽天(そうてん)の湯」と地下3階の「蒼海(そうかい)の湯」です。
新設された「爽天の湯」は、瀬戸内海を一望でき、海と空、夕日を楽しめるお風呂。内湯に入って外を見ると、海と空と一体化したような、インフィニティ風呂を楽しむことができます。
内湯から続く階段を下れば、海にせり出した露天風呂が! 寝ころびながら温まれば、時間を忘れてしまいそうです。
そして、目玉である「蒼海(そうかい)の湯」。なんといっても、180度の大パノラマが広がる露天風呂が自慢です。波の音をBGMに、日中は青い空と海をすぐそばに感じながら。夜は、夕日や月を眺めながら湯浴みを楽しめます。
ひとりサイズの坪湯もあり、だれにも邪魔されずに優雅なひと時を楽しめます。
こだわりの椅子コレクションは大浴場にも。湯上がりサロンやパウダールームはもちろん、大浴場の中にも設置されています。「爽天の湯」には、王様気分になれる椅子がありますので、ぜひ座ってみてください。
絶景の湯をプライベート空間で
空と海を眺めながら入る絶景の湯。それを、プライベート空間で楽しめる貸切露天風呂(有料/45分間 3,300円)があります。マジックアワーの時間帯は、特におすすめ。オレンジ色に染まる海と空、波の音を聴きながらのお風呂は、心も身体も癒やされます。
足湯ができる腰掛けもついています。家族や恋人、友達と、気兼ねなく団らんの時を過ごせる仕様です。
湯上がりに温泉卵とアイスクリームを
「蒼海の湯」の前には、温泉卵装置が。フロントで購入した卵(1つ100円)を湯に入れ、待つこと約20分。お風呂から上がった時には、温泉卵の出来上がりです。赤穂の塩をお好みで振りかけて、湯上がりスイーツとしていただきます。
赤穂温泉で作って、赤穂の塩をかけていただく……赤穂の恵みを満喫するのにぴったりです。
ロビーに戻ると、ちょうど夕陽の時間に。「日本の夕陽百選」にも選ばれた赤穂御崎の夕日は、言葉では言い表せない美しさです。
ロビーには無料のアイスキャンディも用意されています。夕日を眺めながらほっと一息つきましょう。
夕食
会席料理
夕食は、7月1日からスタートした夏会席をいただきました。メインは夏が旬の鱧とたこのしゃぶしゃぶです。柚子の乾杯酒とすずきの焼浸しからスタート。すだれのランチョンマットがより、夏感を演出します。
お造りは、地元で取れた足赤海老、たこ、皮目を炭で焼いた鱧。新鮮なお造りのおいしさは言うまでもなく、付け合わせのとうもろこしのスプラウトの甘さにも驚きました。
続いては、蒸しあわびの肝フォンデュ。ぜいたくに、あわびの肝ソースに、あわびを絡ませていただきます。あわびの肝とホワイトソース、白味噌を入れた特製ソースは、あわび本来の旨みが薫る逸品。ぷりっぷりの新鮮なあわびのおいしさを引き立ててくれます。
天ぷらは旬の魚といんげん、さつまいもを抹茶塩と一緒にいただきます。ここまででお気づきになった方も多いはず。お皿がひとつひとつ、とても美しいのです。信楽焼きをはじめとしたこだわったお皿を使っているそう。料理は舌だけでなく目でも味わうものなのか……と改めて感嘆しました。
メインは、夏らしい、鱧とたこのしゃぶしゃぶ。身が引き締まったぷりぷりの鱧と歯ごたえのあるたこに唸ります。鱧の骨からとっただしは、あっさりとながら滋味深さを感じ、心まで温まるひと品でした。
結びは、焼穴子の佃煮茶漬けとデザート。
料理全体を通して、さっぱりとした味わいながら、素材本来の旨みがより際立ち、ひと口ごとに季節の涼やかさを感じました。美しい器と細やかな盛り付けも目を楽しませ、味覚だけでなく五感で堪能できる会席。ひと皿ひと皿に込められた職人の技と旬の食材の魅力を存分に味わい、日本の四季を感じるひとときを過ごせます。
天ぷら会席
夕食は、会席料理だけでなく祥吉自慢の「天ぷら会席」からも選べます。こちらは、ただの天ぷら会席ではありません。カウンターの前がオープンキッチンになっており、料理長が目の前で揚げた天ぷらを食べられるのです。ひとつずつ揚げてくれ、出来立て熱々の天ぷらをいただけるのはうれしい!
この日の天ぷらは旬の素材がそろった全8種。中でもひときわ印象的だったのが「姫路和牛」と「丸十(さつまいも)」です。外はカリッと揚がっていながら、噛むとやわらかくほどける絶妙な火入れの姫路和牛は、まるでステーキを口にしているかのような、ぜいたくな味わい。そして、3時間蒸してから揚げるというさつまいもは、まるでデザートのように甘く濃厚。どちらも「もう一皿!」と声が出るほどのおいしさで、気に入ったものは追加オーダーもOK。料理長いわく、特に香ばしい海老の頭も人気メニューなのだそうです。
天ぷらの揚げる油にはオリーブオイルと同じ成分の「紅花油」を使用し、胃もたれしないよう工夫されているそう。実際、薄くカラッと揚がった衣からは油っぽさを感じず、食材本来の味を堪能できました。
オープンキッチンなので、料理長との会話を楽しみながら料理をいただけるのも、天ぷら会席の醍醐味のひとつ。その中で、印象的だったのが「来ていただいてわかるこだわりがある」と言う料理長の言葉。たしかに、食材や器、調理方法まで、実際に泊まって体験したからこそわかるすてきなポイントがたくさん見つかりました。
会席料理も天ぷら会席も魅力的。どちらにしようか悩んでしまいますね。
朝の過ごし方
和の朝食でエネルギーチャージ
一日の始まりは朝食から。祥吉の朝は、身体に優しい和食から始まります。今日は、炊きたてのご飯に、シャキッとしたサラダとふんわりとしただし巻き卵、香ばしいあじの開きなどが並びました。豆腐にはもちろん赤穂の塩を。鯛のあらを使った味噌汁には、兵庫県たつの市の名産品「揖保乃糸(いぼのいと)」のそうめんが入っています。つるりとのど越しのよいそうめんが食欲をそそりつつ、鯛の旨みがほっと体に染み渡ります。
朝の赤穂御崎をお散歩
朝食の後は、宿の周辺をお散歩。赤穂の観光名所でもある「きらきら坂」や「伊和都比売神社」までは、歩いて3分ほど。日中は人が多くなりがちな人気スポットも、朝の時間帯はほとんど貸切状態。朝のやわらかい光に照らされてきらきらと光る海を眺めながら、お散歩するのもおすすめです。
チェックアウトは11時。10時までは大浴場の利用もできます。朝風呂をしたり、ラウンジでゆったりしたり。お気に入りの過ごし方で旅を締めくくりましょう。
「ただいま」と言いたくなる、温もりを感じるお宿
初めての滞在でも、「ただいま」と言いたくなる温かさを感じるお宿。その理由は、瀬戸内海を望むロケーションの美しさだけではありません。チェックアウトの際に渡されたのは、祥吉オリジナルのキャンディ。袋はスタッフの方がひとつずつ手作りをされているそう。このような細かな心配りやスタッフの方の笑顔、料理へのこだわり、空間づくりなどが、この温かさを作っているのだと感じた滞在でした。
女子旅はもちろん、親孝行での旅行や祖父母を連れての旅行にもおすすめ。どの世代でも心地よく過ごせる宿です。訪れたからこそわかるこだわりを、ぜひ体験してみてください。
潮彩きらら 祥吉
- 住所
- 兵庫県赤穂市御崎2-8
- アクセス
- 【電車】JR「播州赤穂」駅から「赤穂御崎」までバスで約15分(無料送迎バス有/要予約)
【車】山陽自動車道「赤穂」ICより約10分 - 総部屋数
- 25室
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 駐車場
- 無料/25台
取材・撮影・文/cstrip
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