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すっかり秋らしくなってきましたね。今回は芸術の秋にぴったりのお出かけ先をご紹介します。
今年7月、小樽芸術村に新しく誕生した5館目の施設、「浮世絵美術館」へ取材に伺いました。
場所は小樽運河に面する「浅草橋小樽運河倉庫ビル」。
向かいには西洋美術館があり、ノスタルジックな街並みによく映える外観です。
学芸員の宮永さんに案内いただきながら、さっそく館内を探検してみましょう!
1階:常設展示で知る「浮世絵の世界」
入口を入るとまず現れるのは、江戸時代に浮世絵を販売していた「絵草紙屋」の再現コーナー。行灯には「あさくさばし」と刻まれており、まるで当時にタイムスリップした気分です。
壁一面を彩る巨大な浮世絵は、来館者をまるごと作品世界に包み込みます。
続いて展示されているのは、浮世絵の制作過程。実際に職人さんが使用していた道具とともに、摺り工程の見本が紹介されています。
浮世絵は「絵師」「彫師」「摺師」の分業で完成します。たとえば着色は色ごとに木版を作り、1枚ずつ重ねて摺っていくのです。
小学校の図工で馴染みのある「馬連(ばれん)」も登場。とにかくゴシゴシこすって使った覚えがありますが、職人さんは馬連を滑らせる力のかけ方で着色を調整するそうで、その繊細な技術に驚かされます。
「葛飾北斎や喜多川歌麿がひとりで描いた」と思いがちですが、完成の裏には多くの職人さんの手があります。教科書では省略されている制作背景を知ることで、浮世絵の奥深さを改めて感じられます。
高精細レプリカで味わう名作
1階では最新のデジタル技術で再現された「高精細レプリカ」も展示。「レプリカ」とはいえ侮れません。折りジワや古さまで忠実に再現されており、本物さながらの迫力です。
こちらは歌川国芳の『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』。一見すると怖い顔の男性ですが、正体は人物の身体で構成された「だまし絵」。よく見ると、着物の部分にももう1人!ちらっと見えるちょんまげが分かりますか?
体験型コーナー「江戸ッ子ひろば」
こちらは手に取って見られるレプリカです。
角度を変えると顔料の輝きや凹凸が見えて、作品の魅力がよりリアルに伝わってきます。
また、フォトスポットでは北斎『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』の世界に飛び込んで記念撮影ができます。衣装まで用意されていて、まるで浮世絵の登場人物になった気分に!
そして目玉は「摺り体験コーナー」。
先ほど見た摺り過程と同じようにハガキへ色を重ねて……
ミニ浮世絵が完成しました!
思い出に残る体験ができるのも、この美術館ならでは。
なんと、小樽の風景が元にされた新版画作品の紹介も…!
川瀬巴水によるこちらの作品はぜひ直接お確かめください!
2階:企画展示で出会う貴重な収蔵品
2階は収蔵作品による企画展示が行われています。
取材時は、「歌麿と写楽を中心に」と題し、美人画の名手・喜多川歌麿と、個性的な役者絵で知られる東洲斎写楽の作品が並んでいました。繊細な着物の柄、毛並みの表現、きらめく顔料…間近で見ると圧倒されました。
(展示品は撮影不可、10月5日までで終了)
展示テーマは定期的に変わるため、新しい作品に出会えるのも魅力。リピーターも楽しめる美術館です。
今後の新たな企画展もお楽しみに!
教科書では分からなかった浮世絵の成り立ちや職人の技、そして名作に直接触れられる体験。小樽芸術村「浮世絵美術館」は、知識と感動が一度に得られる新しい文化スポットです。
この秋、あなたもぜひ訪れてみてください。きっと浮世絵のファンになれるはずです。
小樽芸術村 浮世絵美術館
- 住所
- 北海道小樽市港町5-4
- 営業時間
- [5~10月]9:30~17:00
[11~4月]10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで - 入館料
- 一般1,400円、大学生1,000円、高校生800円、中学生600円、小学生400円
※企画展示室が展示替えの場合は料金が異なります - 電話番号
- 0134-31-1033
文:小樽通編集部ライター 金子侑里香
小樽商大への進学を機に3年前に小樽へ移住。2024年度小樽コンシェルジュ。
小樽好きで、「おたる案内人」1級を持つ変人商大生。
※ 内容は「小樽通」掲載時点(2025年9月)の情報に基づきます。
※内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各店舗・各施設にお問い合わせください。
※この記事は、2025年10月12日にHBC北海道放送のWEBマガジン「Sitakke」で公開された記事を転載したものです。
