提供:テレビ静岡
静岡・島田市を走る大井川鉄道沿線のローカルしか行かないような穴場スポットをご紹介。
「茶娘衣装」が買える店や、抹茶たい焼きの店など、レトロで茶どころ静岡らしい発見ができますよ!
【金谷駅】茶娘衣装の看板に誘われて「こいずみ」へ
金谷駅周辺を散策していると、「茶娘衣装 販売中」という看板が目に入りました。
子供サイズから大人LLサイズまであるそうです。
店内をのぞくと、洋服や雑貨、インテリアが並び、布団も豊富に取りそろえられています。
「こいずみ」は大正時代、1917年創業の老舗。もともと寝具店だったそうで、地元の人の暮らしを支える地域に密着したお店です。
金谷の風物詩「茶娘」の衣装を拝見
店長の小泉あつ子さんに、茶娘の衣装を見せてもらいました。
茶娘衣装は多くのパーツに分かれています。
最初に着るのは「かすりの着物」です。
そして「前掛け」。そして頭にかぶる「手ぬぐい」。腰に巻き付ける「おこし」や、「手甲」「脚半」という手や足に巻く布もあります。
総勢500人の茶娘が集結する祭り
金谷では2年に1度「金谷茶まつり」が開催されます。
茶摘み衣装をまとった茶娘たちが総勢500人も集まり、舞いながら町を練り歩く「茶娘道中」が行われるのです。
2025年は4月12日に開催されました。
この行事は金谷に新茶シーズンの到来を告げる風物詩となっています。金谷では自前の衣装を持っている人も多いそうです。
衣装には金谷独特の柄がある
衣装を試着してみると、着心地の良さに驚きます。
茶娘姿になると、不思議としっかり仕事するぞ、という気持ちになりますね。
小泉店長が「金谷の茶娘衣装には特徴があるんですよ」と教えてくれました。
こいずみ・小泉あつ子 店長:
この井桁(いげた)の柄が金谷独特の特許みたいになっていて、よその地域にはない柄なのです。金谷だけのものなのですよ
金谷の茶摘みシーズンは4月20日過ぎから始まるとのこと。その直前にお祭りを行うことで、新芽の収穫を祝い、新茶がたくさん売れるようにという願いが込められているそうです。
金谷では、この茶摘み衣装を自前で持っている人も多いというから驚きです。地元の文化として大切に受け継がれていることがうかがえます。
茶娘衣装は一式2万3560円(サイズM~L)。豆しぼり手ぬぐいは別売りで700円です。
お茶の産地ならではの特別な衣装は、金谷の誇りと伝統を感じさせてくれました。
お茶どころ金谷ならではの文化を伝える「茶娘衣装」。地域の歴史と共に、これからも大切に受け継がれていくことでしょう。
こいずみ
- 住所
- 静岡県島田市金谷田町2066
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 水曜日
- 電話番号
- 0547-46-2364
【新金谷駅】1本50円の激安おでん「かんとんや」
旧東海道から新金谷駅の方へ曲がると、赤ちょうちんが目に飛び込んできました。
オレンジ色のひさしを持つ店構え、おでんの看板も見えます。
「かんとんや」の名前で親しまれるお店です。
創業60年以上 そろばんで会計する昭和レトロな店
店内に入ると、昔ながらの空気感が漂います。きっと昔から全然変わっていないのでしょう、レトロな雰囲気が魅力です。
かんとんや・藤本直子さん:
昭和38年(1963年)に、おでん店としては創業しました。それ以前にも商売をしていたそうです
おでん店になってからでさえ、実に62年が経過しています。
興味深いのは会計方法。店内にはレジがなく、そろばんを使って計算するという昭和の商売スタイルを今も守り続けています。
電卓も一応ありましたが、モニターの表示が壊れていて、そもそも使えませんでした。
古き良き時代の商いが今も息づいています。
店内には駄菓子なども並び、学校帰りの子供たちも足を運ぶそうです。地域に愛される店であることがうかがえます。
くじ引き感覚でチョイス! 1本50円の激安おでん
いよいよ自慢のおでんをいただきます。真っ黒なだしの中に、さまざまな具材が入っています。
しかし真っ黒すぎて、どこに何が入っているか分からない。これはちょっと「くじ引き」感覚です。もう串を持っちゃったら、それを選ぶしかない!
ジャガイモ、たまご、こんにゃく、昆布、黒はんぺん、とり皮。選ぶのも一苦労です。
驚くべきは価格設定。とり皮だけ100円ですが、それ以外はなんと1本50円という破格の値段です。
おでん6本とラムネ(150円)で合わせて500円という良心的な価格に、目を疑ってしまいます。
おでんのおいしさを引き立てるのは、店のオリジナル、一味唐辛子入りの削り節。かけて食べるとおでんの風味が増して、より一層おいしさが広がります。
おなじみの黒はんぺんは、だしが染みていました。魚をダイレクトに感じられるのが、黒はんぺんのいいところです。
ジャガイモは、北海道産のおいしいジャガイモを使用しているそうです。1本50円なのに一つ一つ素材にこだわりが感じられます。
だしは鶏ガラで取っていますが、具のとり皮や昆布、練り製品からもいいだしが出ていそうです。
とり皮は特に人気とのこと。柔らかくて、口の中にトロントロンと溶けます。
土肥の天草で作る“手作りところてん”
おでんを堪能した後は、「かんとんや」の隠れた人気メニュー「ところてん(150円)」の登場です。
伊豆市の土肥から天草を取り寄せ、手作りしているというこだわりよう。
棒状のまま、店頭に置かれていたのですが、これをところてん突きに入れて、自分で細長く押し出して食べます。
自分で作れるとあって、子供にも大人気のメニューとなっています。
お好みでしょうゆと酢をかけて食べると、突き立てのところてんの味にびっくり。歯ごたえがあり、食感を堪能できました。
おでんでちょっと熱くなった体を程よい温度に落ち着けてくれます。
「かんとんや」は、安さ、おいしさはもちろん、店の雰囲気がすてきなお店でした。だから子供たちも集まってくるのでしょう。あなたもふらりと立ち寄って、昭和レトロな時間を過ごしてみませんか?
かんとんや
- 住所
- 静岡県島田市金谷泉町1122-5
- 営業時間
- 11:00~16:45
- 定休日
- 水曜日・第1土曜日
【家山駅】抹茶たい焼きとラーメンが共存「たいやきや」
家山駅から西へ進み、最初の角を左手へ。細い路地に入りました。
すてきな街並みを進んでいくと、風情のある店が見えてきます。
お店の入り口には緑のちょうちんがかかっています。
1961年創業、65年目となる「たいやきや」は地元に愛される歴史のあるお店です。
店内にはカウンター席、テーブル席、座敷席があり、入口の見た目よりずっと広いお店です。
たい焼き店なのにメンマ? おでん? ラーメン?
店内に入ると、たい焼き店とは思えない光景が。カウンターには黒いスープの静岡おでんが並び、メンマまで販売されています。
たいやきや 2代目店主・南原喜一さん:
これは最近うちで出しているラーメンのメンマですが、おいしいと言われるので売っています
メンマは1パック300円で売られていました。
「たい焼き店ではないのですか?」と尋ねると、「たい焼き店です」と即答。
しかしラーメンもあるというのです。一体どういうことでしょうか。
川根茶香る抹茶たい焼き
まずは看板メニュー「抹茶たい焼き(200円)」を注文しました。
大きな羽が特徴的な鮮やかな緑色のたい焼きは、作り置きはせず、いつも焼きたてで提供されています。
電話で予約すれば、時間に合わせて焼いてくれますよ。
かぶりついたらカリッと音がしました。羽がパリパリしておいしいのです。
そして、ふわっとお茶の香りが広がります。
たいやきや・南原喜一さん:
お茶は川根茶を使っています。抹茶で色づけして、味は川根茶を一緒に生地に練り込んで出します。そうすると香りがすごくいいのです
川根茶を練り込んだ生地の中には、たっぷりのあんこ。
あんことお茶の組み合わせは絶妙で、まるでおだんごとお茶をセットで楽しんでいるようでした。
意外な名物 たい焼き店のラーメン
抹茶たい焼きと人気を二分するのが、「らーめん(750円)」です。
たい焼き店なのにラーメンというギャップはありますが、一口すすると思わず「おいしい!」と声が出るほどの優しい味わいです。
たいやきや・南原喜一さん:
鶏のスープなんですけど、決して沸騰させません。沸騰させちゃうと色が濁ってしまうのです。スープに透明感があっていいでしょう?
沸騰寸前でコトコトとじっくり火にかけるのがポイントです。
細麺がこのスープと絶妙に絡み合い、すっきりと飲みやすく、深いうま味が楽しめるラーメンとなります。
お持ち帰り用も販売しているほどのメンマは、柔らかくてみなさんが欲しがるのも納得でした。
たい焼き店のラーメン 誕生秘話
ところで、なぜたい焼き店でラーメンを出すようになったのでしょうか。
たいやきや・南原喜一さん:
お昼時にたい焼き買いに来る人がいて、たい焼きを待つ時間に何か食べたいなと言われました。それから始めたのがラーメンと焼きそばなんですよ
たい焼きを買いに来たお客さんの「何か食べたい」という声から生まれたメニュー。
お客さんのニーズに応えた結果、今ではたい焼きと並ぶ人気メニューになったのです。
家山駅から徒歩5分の場所で65年も地元に愛され続ける「たいやきや」。たい焼きとラーメンという異色の組み合わせながら、どちらも絶品で地元の人々の胃袋をつかんで離さない理由がよくわかりました。
たいやきや
- 住所
- 静岡県島田市川根町家山668-3
- 営業時間
- 10:00~13:30
- 定休日
- 火曜日・水曜日・木曜日
- 電話番号
- 0547-53-2275
※この記事は、2025年5月18・24・26日にテレビ静岡「テレしずWasabee」で公開された記事を転載したものです。
