大阪駅は、関西国際空港や京都・神戸・奈良へもアクセスしやすい、関西最大級のターミナル。駅周辺には百貨店や大型商業施設、ホテルが集まり、観光やショッピングの拠点としてにぎわうエリアです。
その北側に位置する「うめきた」は、大阪駅周辺エリア(梅田)の北側にあることから名付けられた再開発エリア。JR大阪駅に直結する「うめきた公園(グラングリーン大阪)」をはじめ、新しい商業施設や話題の飲食店が集まった、いまの大阪を象徴するスポットです。
一方、JR大阪駅から徒歩約10〜15分の中崎町(なかざきちょう)は、昭和の面影が残るレトロな街並みが特徴です。古民家カフェや雑貨店が点在し、駅前の高層ビル群とは対照的な落ち着いた雰囲気が広がります。
大阪駅を起点に、進化を続ける「うめきた」と昭和の空気が漂う中崎町へ。新旧の魅力が交差するエリアを歩きながら、大阪の“今”と“昔”を体感する街歩きコースをご紹介します。
進化を続ける再開発エリア「うめきた」
2000年代初頭から再開発が進められてきた「うめきた」は、かつて旧国鉄(JR)の梅田貨物駅があったエリア。大阪駅に隣接する抜群の立地でありながら、長年大規模開発が行われずに残されていたことから、「大阪最後の一等地」とも呼ばれてきました。
2013年には第1期開発として「グランフロント大阪」が開業。さらに第2期として、2024年9月に「グラングリーン大阪」が先行まちびらきし、広大な都市公園を中心とした新たな街づくりが進んでいます。
都会のオアシス「うめきた公園」
大阪駅北側の再開発エリアに誕生した「グラングリーン大阪」は、都市公園「うめきた公園」を中心に商業施設やホテル、オフィスなどが集まる大規模複合施設です。
中核となる「うめきた公園」は約45,000平米の広さを誇り、ターミナル駅に直結する都市公園としては世界最大級。都心にいながら、自然を身近に感じられます。
公園は南北2つのエリアに分かれており、南側の「サウスパーク」には芝生広場を中心とした開放的な空間があり、北側の「ノースパーク」には文化施設や森、滝などの自然豊かな空間が整備されています。
芝生広場のまわりには木々が植えられ、噴水のある水盤や腰かけられる段差も整備されており、まさに都会のオアシス。天気の良い日にはピクニックをしたり、座って読書をしたり、子どもが水に親しんだりと、思い思いの時間を過ごせます。
テイクアウトフードが充実「TALKS」
芝生広場で青空ランチを楽しむなら、テイクアウト専門店「TALKS」へ。
北欧の家庭料理・スモーブローをはじめ、アサイーボール、カレーやチキンオーバーライス、ブッダボウルなど、軽めのものからしっかりランチまでそろうのでシーンに合わせて利用できます。
おすすめは、スモーブロー2つに、サラダとフライドポテト、ドリンクがついたセット(2,500円)。
スモーブローとはライ麦パンに魚介や肉、野菜などを乗せたデンマークの伝統的なオープンサンドです。見た目にも華やかでヘルシーなセットはピクニックにもぴったり。
アルコール含めドリンクメニューも充実しているので、青空の下で乾杯するのも楽しいですよ。
TALKS
- 住所
- 大阪府大阪市北区大深町5-94 グラングリーン大阪 うめきた公園 サウスパークB棟
- 営業時間
- 9:00〜22:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)
- 定休日
- なし
- アクセス
- JR「大阪」駅から徒歩約2分
- 公式サイト
- TALKS
クリエイティブの発信基地「VS.」
うめきた公園の北側「ノースパーク」は、文化施設や豊かな自然が広がるエリア。その中でも注目したいのが「VS.(ヴイエス)」です。
建物は建築家・安藤忠雄氏が設計監修を手がけた、キューブ型の洗練されたデザインが印象的な空間。「VS.」は単なる“文化施設”ではなく、“文化装置”という考え方を掲げています。館内で生まれるアートやテクノロジー、アイデアを建物の中だけにとどめず、社会へと広げていくことを目指しているためです。
館内では、アート展示や音楽ライブ、ワークショップなど、多彩なイベントを随時開催しています。約1,400平米の地下空間には本格的な音響システムが備えられ、足を踏み入れた瞬間から非日常の雰囲気に満たされます。
静かに作品を鑑賞するミュージアムのような雰囲気になったり、ライブハウスやクラブのように盛り上がる空間になったりと、イベントごとに違った雰囲気を体感できます。最新の開催情報は公式サイトでチェックしてください。
VS.
- 住所
- 大阪府大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪 うめきた公園 ノースパーク
- 営業時間
- イベントにより異なる
- 定休日
- イベントにより異なる
- アクセス
- JR「大阪」駅から徒歩約4分
- 公式サイト
- VS.
関西の名店グルメが集まる「タイムアウトマーケット大阪」
自然やアートに触れたあとは、「タイムアウトマーケット大阪」でランチタイムを。「うめきた公園」の南側に隣接する「グラングリーン大阪 南館」の地下1階にあるフードホールです。
ポルトガル・リスボンで誕生した「タイムアウトマーケット」は、世界的シティガイドメディア「Time Out」が手がけるフードホール。地元で高い評価を受けるシェフや人気店を厳選し、一つの空間に集めるスタイルが特徴のグルメスポットです。
現在は世界各地に展開しており、アジアでは「タイムアウトマーケット大阪」が初進出。国内外の実力派グルメを一度に堪能できる、新しい食の発信地として注目を集めています。
約3,000平米の広さに、総席数は約800席。開放感のある空間に、個性豊かな17の名店と2つのバーが集まっています。
神戸牛や奈良県産大和牛を使った料理が味わえる「#肉といえば松田」、奈良の果物を生かしたデザートが評判の「Seiichiro,NISHIZONO」など、実力派の人気店が出店。ミシュラン星付きシェフの一皿や、京都の老舗による甘味まで、一度に味わえるのが魅力です。気になるメニューをいくつか注文して、友人や家族とシェアできるのも良いですね。
また、館内では音楽ライブやDJイベントも日常的に開催。音楽を楽しみながら食事ができるのも、このマーケットならではの醍醐味です。
タイムアウトマーケット大阪
- 住所
- 大阪府大阪市北区大深町5-94 グラングリーン大阪 うめきた公園 サウスパークB棟
- 営業時間
- 9:00〜22:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)
- 定休日
- なし
- アクセス
- JR「大阪」駅から徒歩約2分
- 公式サイト
- タイムアウトマーケット大阪
KITTE大阪
JR大阪駅西口直結、旧大阪郵便局の跡地に誕生した商業施設「KITTE(キッテ)大阪」も、2024年7月にオープンした人気の新スポットです。
郵便局にちなんだ「切手」と「来て」、2つの意味を重ねてこの名前が付けられました。
「UNKNOWN(アンノウン)」というコンセプトのもと、まだ広く知られていない日本各地の“いいもの”が集結しています。
なかでも2階フロアは「ええもん にっぽん めぐり」をテーマに北海道や石川県、広島県、鹿児島県など、厳選された15の都道府県のアンテナショップが並び、各地の名産品やご当地グルメに出会えます。
各地の名物や特産品に加え、知る人ぞ知る人気商品もラインナップ。その土地ならではの味や個性に触れながら、実際に現地を訪れなくても、日本各地を旅しているような気分を味わえる空間です。
各地の酒蔵で作られている日本酒や焼酎も取りそろえています。
広島県のショップ「ひろしまIPPIN」には厳島神社の鳥居が設けられていたり、島根県のショップ「IZUMO SHIMENAWAYA(出雲しめなわや)」には出雲大社の大しめ縄が置かれていたりと、個性豊かな内装も注目です。
各アンテナショップには、その土地の名産や人気商品を熟知したスタッフが常駐しているので、どれにしようか迷ったら気軽に聞いてみましょう。
「IZUMO SHIMENAWAYA」では、店長さんが一番人気の商品は松江の茶葉だと教えてくれました。お土産としてはもちろん、「前茶 勾玉」(951円)は普段使いのお茶として、「玉露白折」(1,093円)は来客用としてまとめ買いする人も多いそうです。
そのほか、「KITTE大阪」3階には全国各地の逸品を集めたセレクトショップが並び、4・5階には関西を中心とした多彩なグルメがそろったレストランフロアが広がります。ショッピングも食事も満喫できる、見どころ満載のスポットです。
KITTE大阪
- 住所
- 大阪府大阪市北区梅田3-2-2
- 営業時間
- 店舗により異なる
- 定休日
- 1月1日、施設点検日
- アクセス
- JR「大阪」駅 西口直結
- 公式サイト
- KITTE大阪
昭和レトロと新しい感性が息づく中崎町
大阪の最新スポットを満喫したあとは、レトロな街並みが残る中崎町(なかざきちょう)へ。梅田(大阪駅周辺)から東へ徒歩約15分とアクセスしやすい場所にありながら、昭和の雰囲気が今も色濃く残っています。
SNS映えする飲食店やおしゃれなカフェも多く、どこか懐かしい風景と新しいトレンドが自然に溶け合うユニークなエリアです。
築100年以上の建物を再生したカフェ「yatt中崎」
2024年3月にオープンした「yatt(ヤット)中崎店」は、築100年以上の歴史ある建物をリノベーションしたおしゃれなカフェ。
壁に貼られたタイルやアンティークの家具など、随所にセンスが光ります。
人気メニューは、濃厚でクリーミーなマスカルポーネ風味のソフトサーブクリームに、自家焙煎の浅煎りエスプレッソをかけて食べる「Lolo」(ベーシック800円、チョコレート890円、キャラメル880円)。甘さとほろ苦さのハーモニーがたまらない逸品です。
店内で手作りする全粒粉のスコーンと自家製プリンは、セットで付けることも可能。ドリンクと組み合わせてゆったり過ごすのも良さそうです。どれも甘さは控えめで、上質な素材の味わいや香りを感じられます。プラス100円で、かわいいうさぎ型のクッキーもトッピングできますよ。
1階はカウンター席と奥にテーブル席、2階はおしゃれな個室やソファ席、日当たりのいいテーブル席、3階は屋根裏部屋のような座敷と席のタイプが多彩なのもうれしいポイント。
ひとりでゆっくり過ごすのにも、誰かと一緒におしゃべりを楽しむのにもぴったり。さまざまなシーンで利用しやすいカフェです。
yatt中崎店
- 住所
- 大阪府大阪市北区中崎西1-10-11
- 営業時間
- 10:00~20:00(L.O.19:30)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 大阪メトロ「中崎町」駅から徒歩約4分
- 公式サイト
- yatt中崎店
昭和の空気が漂う「cafe 太陽の塔 別館」
「cafe 太陽の塔 別館」は、細い路地の奥にたたずむカフェ。3階建ての歴史ある建物をリニューアルした、赤みのある紫色の外観が目印です。
一歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたかのような気分に。
建物の雰囲気になじむクラシカルなアンティークソファや絨毯、モダンな壁紙などが配され、どこを切り取っても写真映えする空間です。
おすすめは、つぶらな瞳が印象的なオリジナルの「たぬきケーキ」(604円)。昭和時代に全国の洋菓子店で親しまれていた、どこか懐かしいスイーツを再現した一皿です。
愛らしい見た目だけでなく、顔はコクのあるバタークリーム、体はごろっと栗が入った濃厚なチョコガトーショコラ仕立て。見た目以上に食べごたえも十分。
「cafe 太陽の塔 別館」限定の「クリームソーダ」(814円)も外せません。そのほか、「ナポリタン」(1,265円)や手作りの「プリンアラモード」(1,081円)など、昔ながらの喫茶店メニューもそろいます。
店内は総席数約80席とゆとりがあり、広々とした空間でゆったり過ごせます。3階の個室(要予約)は、小さな子どもがいる家族連れや女子会などにもぴったりですよ。
cafe 太陽の塔 別館
- 住所
- 大阪府大阪市北区中崎西2-4-36
- 営業時間
- 10:00〜18:00(フードL.O.17:00、ドリンク・ケーキL.O.17:30)
- 定休日
- 年末年始
- アクセス
- 大阪メトロ「中崎町」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- cafe 太陽の塔 別館
レトロポップな雑貨にときめく「green pepe」
中崎町の街並みに溶け込む「green pepe(グリーン ぺぺ)」は、昭和レトロ雑貨を扱う専門店。店頭に置かれたカプセルトイが目印です。
店内には、店主が厳選した1970〜80年代の生活雑貨や家電、ファッション小物などがずらり。宝探しをしているような気分になります。
いま見ると新鮮に感じられるアイテムや、思わず懐かしさがこみ上げる品々がそろい、眺めているだけでも心が弾む空間です。
なかでも、食器や鍋などのキッチン用品が充実。ブランドものやキャラクターデザインのグラスなど、コレクター心をくすぐるアイテムもそろいます。一点ものや入荷限りの商品が多いため、気になるものを見つけたら早めに手に入れておきたいところです。
green pepe(グリーン ぺぺ)
- 住所
- 大阪府大阪市北区中崎3-1-12
- 営業時間
- 月~金/12:00~18:00(水曜日は17:00まで)
土・日・祝日/12:00~19:00 - 定休日
- 火曜日 ※臨時休業あり
- アクセス
- 大阪メトロ「中崎町」駅から徒歩約2分
- 公式サイト
- グリーンぺぺ
インドの家庭直伝のカレー専門店「サッチェズカリー」
大阪には粉ものやうどん、串カツなどの名物がありますが、実はスパイスカレーの激戦区としても知られています。
本格的な一皿を味わうなら、「green pepe(グリーン ぺぺ)」から南へ少し歩いた場所にある「サッチェズカリー」へ。毎年インドの家庭にホームステイし、現地の味を学んでいる女性オーナーが営むカレー専門店です。
一番人気は定番の「キーマカリー」のほか、「今週のノンベジカリー」「今週のベジカリー」の3種をプレートにまとめた「3種盛」(1,300円)。
「キーマカリー」は豚ひき肉がたっぷり使われており、水気は少なめで濃厚かつスパイシーな一皿。取材日に提供されていた「今週のベジカリー」は新じゃがを使ったカレー、「今週のノンベジカリー」はココナッツフィッシュのカレーでした。
どちらもスパイスのバランスが絶妙で、素材そのもののおいしさがしっかりと感じられます。香ばしい玄米との相性も抜群です。
店頭には、珍しい「ミックススパイス」(400〜550円)の自動販売機も設置されています。クミンやコリアンダー、ターメリックなど、カレーの基本となるスパイスをバランスよくブレンドしたものです。
「サッチェズカリー」のレシピも付いているため、自宅でも手軽にお店の味を再現できます。持ち帰って、スパイスカレー作りに挑戦してみてください。
サッチェズカリー
- 住所
- 大阪府大阪市北区神山町14-23 シャトー東梅田1F
- 営業時間
- 火~木/11:30~15:00、18:00~21:00
土/12:00~15:00
日・祝日/12:00~15:00、18:00~21:00 - 定休日
- 月・金曜日、ほか不定休
- アクセス
- 大阪メトロ「中崎町」駅、または「扇町」駅から徒歩約5分
進化を続ける「うめきた」から、昭和の面影が残る中崎町へ。歩くエリアが変わるたびに景色や空気感ががらりと変わり、大阪の奥深さを実感できます。
見どころもグルメも尽きない大阪は、日帰りでは回りきれないほど。宿泊して時間にゆとりを持ちながら、街歩きや食べ歩きをゆっくり満喫してみてはいかがでしょうか。
取材・文/加藤 絵里子 撮影/玉川 美保
