夏の陽ざしが強くなるこの季節。そんな中でも、森の中に差し込む木漏れ日や木陰に身を置くと、暑さがすっと引いていくような涼しさを感じることがあります。葉音や土の匂い、やわらかな風。そのひとつひとつが、呼吸を落ち着かせ、心身を穏やかにととのえてくれるようです。
今回は、全国各地のサウナを旅するしきじの娘・笹野美紀恵さんが、暑さを忘れて深呼吸したくなるような、森のサウナ宿を紹介します。自然の静けさに身を委ねるような、ととのいの夏旅へ出かけてみませんか。
自然人村(東京・あきる野市)
東京の森で、ととのうぜいたく
東京・あきる野市にある自然に囲まれたサウナスポット「自然人村」。ここには、 日常からそっと切り離されたような、静かでやさしい時間が流れています。 森の中に手づくりで設置されたバレルサウナは、薪のぬくもりとやわらかな熱に包まれて、気がつけば自然と呼吸が深くなるような感覚。ロウリュには季節のあじさい茶が使われていて、ほんのりとした香りと蒸気が、自然のリズムへと心をほどいてくれます。
そして、夏のととのいを一気に非日常へ連れていってくれるのが、目の前に流れる渓流。熱をたっぷりためた体で川に身を沈めると、肌に走る冷たさに思わず声が出てしまうほど。川の音、葉のざわめき、鳥や虫の声すらも、ととのいの一部になっていきます。腰を下ろして空を見上げると、揺れる木漏れ日と風のやわらかさが、静かに肌を なでていきます。
宿泊はテント、バンガロー、ロッジから選べて、時間帯ごとに変わる光や音、空気の違いをじっくり感じられるのも、この場所ならではの楽しさです。
朝の澄んだ空気の中で 入るサウナは、前日とはまったく違った感覚があって、思わず深呼吸したくなるような気持ちよさです。東京にいながら、ここまで自然に身を委ねられるとは思っていなくて。気づけば、何も考えずに、ただ気持ちいいってことだけを味わっていました。
笹野さん:あじさい茶のロウリュウは、香りのやわらかさがすごく印象的でした! 川の冷たさも気持ちよくて、自然そのままの環境でととのえるってやっぱり気持ちいいですね!
自然人村
- 住所
- 東京都あきる野市深沢198
- 総部屋数
- 4室
- アクセス
- JR「武蔵五日市」駅より車で約5分
古民家宿 るうふ 清之家(千葉・南房総市)
150年の古民家でととのう、夏のやすらぎ
千葉・南房総市の静かな集落にたたずむ「古民家宿 るうふ 清之家」は、築150年の一棟貸しの宿。足を踏み入れると、周囲の自然や建物に漂う木の香りに、自然と呼吸がゆるやかになっていきます。
敷地の先には森が広がり、どこか懐かしく落ち着いた空気が流れていました。敷地内の貸切サウナは、やわらかな熱が体をじんわりと温め、思わず長く入っていたくなるような心地よさ。セルフロウリュには針葉樹を使ったアロマウォーターが使われていて、森林の香りがやさしく広がります。
しっかり冷たい水風呂で火照った体をクールダウンしたあとは、湯船の正面に置かれたととのい椅子へ。目の前には森の景色が広がり、風や鳥の声とともに、心も静かにととのっていくのを感じました。
囲炉裏のある土間や、地元食材を使った料理、古民家のつくりそのものが、どこか暮らすようにととのうという感覚を思い出させてくれます。夜のしんとした静けさも、朝の澄んだ空気も、すべてがこの土地のリズムの中にある。そんな自然との距離の近さが、るうふ清之家の魅力です。
笹野さん:土間のひんやりした空気や、木の香りがふっと落ち着かせてくれるんですよね。昔の家で自然を感じながらととのう時間って、やっぱり特別だなって思います!
古民家宿るうふ 清之家
- 住所
- 千葉県南房総市和田町小川1135-1
- 総部屋数
- 1室
- アクセス
- JR「和田浦」駅より車で約15分
and FOREST勝浦 竹の離れ(千葉・勝浦市)
竹林の木漏れ日に包まれて
一棟貸しの夏サウナ宿、千葉・勝浦の山あいにたたずむ「and FOREST勝浦 竹の離れ」は、 一棟まるごと貸切で過ごせる、完全プライベート型のサウナ宿です。360度を竹林に囲まれたこの場所には、街の喧騒とは無縁のやさしい時間が流れています。
サウナ室はセルフロウリュができる高温タイプ。しっかり熱を感じたあと外に出ると、竹林から差し込む木漏れ日とそよ風が火照りをやさしく冷ましてくれて、自然の呼吸と自分のリズムが重なっていくような感覚になります。
外気浴スペースにはととのい椅子が用意されていて、揺れる葉音や鳥の声がふと耳に入り、思わず深く息を吐きたくなるような静かで豊かな時間が流れています。
夜になると、ライトアップされた竹林が幻想的な景色に変わり、サウナ後の余韻をまた違った表情で包み込んでくれます。温泉やキッチンも備わっていて、滞在そのものが心と体をととのえてくれるような空間です。日常からふっと離れたいとき、 光と静けさに身を委ねたくなる、そんな夏のととのい宿です。
笹野さん:まわりが全部竹林で、自分たちだけの空間ってぜいたくすぎますよね!他の音が何も入ってこないから、ととのう感覚がすごくクリアになりそうです!
and FOREST勝浦 竹の離れ
- 住所
- 千葉県勝浦市佐野853
- 総部屋数
- 1室
- アクセス
- JR「総元」駅から徒歩で約6分
夏の暑さが続く中、森の中へ一歩足を踏み入れるとひんやりとした風がすっと肌をなで、やわらかな光が差し込みます。木漏れ日の下で深呼吸をしていると、心も体も自然とゆるんでいくのを感じます。川の冷たさに驚いたり、竹の葉が揺れる音に耳を澄ませたり。古民家に漂う木の香りに、そっと心が落ち着いていきます。自然のひとつひとつが、静かにととのうきっかけをくれるようです。
ただ汗を流すだけではない、 森のリズムと静けさに寄り添いながらととのう時間。この季節にしか出会えない、やさしい森のサウナ旅へ。少しだけ足をのばして体験してみませんか。

