開湯1200年の歴史を持つ山梨県の下部温泉郷。武田信玄の隠し湯としても知られるこの地に、創業97周年を迎えた老舗「下部温泉郷 下部ホテル」があります。
自家源泉を含む3種類の源泉を、12の湯舟で楽しめる湯めぐりの宿で、山里の食材をふんだんに使ったバイキングや、毎晩行われる太鼓ショー、釣り堀での渓流魚釣りなど、子どもから大人まで夢中になれるアクティビティも充実。四季折々の自然に囲まれた里山で、心も体も満たされる滞在がかないます。
目次
- ・アクセス、チェックイン
- ・客室
- ・温泉
- ・水のラウンジ
- ・アクティビティ
- ・夕食
- ・和太鼓ショー&餅つき大会
- ・朝食
アクセス、チェックイン
最寄り駅から徒歩1分、アクセス良好な里山の宿へ
「下部ホテル」へは、新宿駅から特急を乗り継いで約140分、JR身延線の下部温泉駅から徒歩約1分という好立地。車の場合は下部温泉早川ICから約5分と、東京や名古屋方面からのアクセスもスムーズです。
到着すると、立派な松に両脇を守られた、堂々としたたたずまいの宿が出迎えてくれました。玄関脇の梅の木も風情を添えています。
エントランスを入ってすぐ左手に広がるのが「火のラウンジ」。ソファが並び、チェックイン前後や滞在中のひとときをゆったりと過ごせる空間です。大きな窓の向こうには緑が広がります。
テーブルの中央にはガラスに囲まれた炎がゆらゆらと揺れ、その暖かみのある動きがくつろぎの時間を演出しています。
チェックインの時間より早めに着いたので、ラウンジ奥の喫茶コーナーで遅めのランチを(土・日・祝日は2階の食事処で提供)。
名物の「富士山チーズ ボロネーゼ」(Sサイズ 1,100円)は、温泉水で茹でたもちもちの生パスタに熟成チーズがたっぷり盛られ、冠雪した富士山を思わせる見た目にも楽しい一皿です。お腹も満たされ、旅の始まりに心が弾みました。
客室
プレミアム和風ツイン
客室は、和室を中心に多彩なタイプがそろっています。今回宿泊したのは、西本館8階にある定員2名の「プレミアム和風ツイン」。10畳の畳敷きにシモンズ製のローベッド2台とソファを備えたお部屋です。
窓際にはマッサージチェアも設置されていて、湯上がりにくつろぐには最高の空間です。
水まわりはシャワーブースのみのシンプルな造り。POLAのボディソープ、シャンプー、コンディショナーが備え付けられていて、洗面台にもクレンジングフォームや化粧水、乳液、各種アメニティがそろっています。
窓からは山々とJR身延線の線路が見え、ときおり走る列車の姿に旅情が募ります。のんびりと里山の風景を眺めているだけで、穏やかな気持ちになりました。
最上階の8階は近くの木にアオサギが営巣していることから「蒼鷺(あおさぎ)フロア」と名付けられています。目の高さにアオサギの巣があり、運が良ければ間近でその姿を観察できますよ。この日もかわいい顔を見せてくれました。
温泉露天風呂付スイートルーム
西本館7階の「松風」と「羽衣」は、2024年に新設された最もグレードの高い客室。約80平米ある和モダンな空間で、最大6名まで利用できます。
セミダブルのツインベッドが置かれたリビングルームに10畳の和室を備え、ファミリーやグループでもゆったりと過ごせる造りです。こちらのお部屋からも山々や電車が見え、清々しい眺望が広がります。
大きな魅力は、なんといっても陶器の露天風呂です。風にあたり、鳥の鳴き声を聞きながら好きな時間に湯に浸かれる至福のひとときは、露天風呂付き客室ならでは。プライベートな湯浴みを心ゆくまで満喫できます。
パノラマビューツイン
8階・蒼鷺フロアの「パノラマビューツイン」は、10畳の広さで定員2名。角部屋ならではの二方向に窓が広がる開放的な造りが特徴で、ツインベッドと座り心地のいいソファ、マッサージチェアを備えています。
窓の外には雄大な景色が広がります。西を向いているため、夕暮れ時には夕日が沈む美しい景色を客室から独り占めできます。
温泉
個性豊かな3種の源泉と12の湯舟
お部屋でひと息ついたあとは、さっそく温泉へ向かいます。
「下部ホテル」の源泉は、敷地内から湧き出る単純硫黄泉の自家源泉、古くから湯治場として親しまれてきた下部温泉共同泉、しもべ奥の湯高温源泉の3種類。2つの大浴場と貸切風呂1つを合わせて12の湯舟があり、大浴場は朝5:00に男女が入れ替わるので、滞在中にさまざまなお風呂を巡ることができます。
「ほたるの湯」は、7つの浴槽を持つ大浴場。下部地域では初夏に自然繁殖のゲンジボタルを観賞できることから、この名が付けられたのだそう。内湯の壁には趣のあるタイル画が施されていて、壱の湯と弐の湯に分かれています。
左手の壱の湯は共同泉で、泉質はアルカリ性単純泉。戦国時代、武田信玄が川中島の合戦で上杉謙信から受けた傷を癒やしたと伝えられる歴史ある湯です。右手の弐の湯は、昭和63(1988)年に掘削された「下部ホテル」の自家源泉で、硫黄の香りがふわりと漂います。
内湯から屋外に出ると、中庭を囲むように4つの露天風呂とサウナが配置されています。1人でゆったりと浸かれるサイズの陶器風呂は、地下200メートルからくみ上げた天然水を沸かしたもの。
隣の岩露天は、武田信玄の城郭をイメージした野趣あふれる造りで、共同泉が絶え間なく注ぎ込まれています。
檜風呂はアルカリ性単純泉のしもべ奥の湯高温源泉で、じんわりと体の芯から温まる心地よさ。草木が茂る中庭に面していて、爽やかな風を感じながら湯浴みを楽しみました。このほか、水風呂のような低温泉風呂もあり、高温のサウナとの交互浴でリフレッシュできます。
「松ぼっくりの湯」は、天井にも窓が設けられた、明るく開放感のある大浴場。名前の由来は、敷地内の松林で松ぼっくりがたくさん採れることから。内湯の壱の湯は刺激の少ない共同泉、弐の湯は“美肌の湯”である自家源泉です。
こちらも、3つの露天風呂が中庭を囲む造り。共同泉の岩露天は山間の秘湯のような風情で、自然を体感しながら湯に浸かれます。隣の低温泉風呂は35度以下に保たれていて、温まりすぎた体をやさしくクールダウンしてくれます。
八角形の湯舟が趣のある八角檜風呂。中央から42度前後のしもべ奥の湯高温源泉が流れ込んでいて、落ち着く大きさと露天の開放感につい長居してしまいます。
湯上がりには、地元・山梨の企業であるシャトレーゼのアイスのサービスも。
貸切風呂の「竹とんぼの湯」は、もともと大浴場だった場所を改装したもの。約30名が入れるほどの広さで、ゆったりとした時間を過ごせます。事前予約制なので、前日までに電話かメールで申し込みを(15:00~21:00、40分3,300円)。泉質は共同泉で、大きな湯舟はよく見るとかわいいハート形をしています。
スロープが設けられ、専用の車いすに乗り換えて、そのまま浴場に入ることができるバリアフリー設計。誰もが気兼ねなく、一緒に温泉を楽しめる心遣いがうれしいですね。
水のラウンジ
足湯とフリードリンクで湯上がりもゆったりと
湯めぐりのあとにぜひ立ち寄りたいのが「水のラウンジ」です。
下部の天然水やデトックスウォーター、山梨県産南部茶などの各種ドリンクのほか、生ビールやワイン、レモンサワー、ハイボールといったアルコールを自由に味わえます(ソフトドリンク15:00~20:30、アルコール類15:00~18:00)。
外には足湯もあり、ドリンクを飲みながらくつろげます。錦鯉が泳ぐ自然庭園を眺めながら、冷たい生ビールで喉を潤しました。
アクティビティ
釣り、温泉ゆで卵づくり…体験も盛りだくさん!
「下部ホテル」はアクティビティも充実。敷地内の釣り堀でニジマスやヤマメ、イワナなどの渓流魚を釣ることができます(14:00~17:00、1竿2,000円・3尾まで)。竿を垂らして待つ時間も楽しいひとときです。
ウキが沈んだ瞬間に竿を立てるように動かすのがコツだそう。初心者ながら、一匹釣り上げることに成功しました! 釣った魚は夕食時に炭火で焼いてもらえるので、自分で釣った魚を味わうという特別な体験が待っています。
釣り体験を時間いっぱい楽しんだら、ロビーで温泉ゆで卵づくりにも挑戦。用意されている卵を自家源泉の硫黄泉に入れ、5~20分ほど待って好みの固さに仕上げます。紅塩をつけて食べるとほんのり硫黄の香りが漂い、しみじみとしたおいしさです。
夕食
山と海の幸が勢ぞろい!ライブ感あふれるバイキング
夕食は、お食事処「山のかまど」にてバイキングスタイルで。和・洋・中とバリエーション豊かな約50種の料理が並びます。目の前で仕上げる牛モモ肉のミニステーキや、地元・身延町名物の湯葉天丼など、ライブキッチンも見逃せません。
山梨は海なし県ながら静岡と隣接しているため、実はマグロの消費量が全国上位なのだとか。新鮮なマグロやサーモンの刺身といった海の幸や、ビーガンカレー、ビーフシチューなど、老若男女問わず楽しめるラインナップです。
ラーメンや蕎麦、山梨県のブランド米・梨北米(りほくまい)など主食もさまざま。もちろん、山梨名物のほうとうもありました。
釣り堀で釣った魚も、香ばしく炭火で焼かれてテーブルに運ばれてきました。もし釣れなくても、ライブキッチンの炭火台には塩焼きのヤマメが並んでいるのでご安心を。
ズワイガニやエビイモの煮物など季節のメニューも充実。春は山菜料理が並ぶそう。手が込んだ料理の数々に、ついお皿を重ねてしまいます。
テーブルで食事をしていたところ、特製パスタのワゴンサービスがまわってきました。目の前で濃厚なチーズを絡めて提供してくれます。
別途有料でアルコールも注文でき、山梨ということで特にワインのこだわりは格別です。ワインの国際資格を持ち、甲州ワインに惚れ込んで韓国から来日したというスタッフの鄭硯俊さんが、自らワイナリーを訪ね、生産者のストーリーを聞いて試飲を重ねたうえで選んだ約20種がそろいます。
ワゴンで席までやってきてくれるので、直接おすすめを聞きながら選べるのも楽しく、自分好みの一杯と出合えるはずです。
和太鼓ショー&餅つき大会
毎晩開催!迫力の太鼓ショーと餅つき体験
夕食後のお楽しみが、昭和62(1987)年から毎晩続けられている「信玄出陣太鼓」と「千本杵餅つき」です。スタッフのみなさんが代々受け継いできた太鼓の演奏は迫力満点! お腹の底に響く太鼓の音が、会場の熱気を一気に高めます。
続く餅つきは、宿泊客も参加できる体験型のイベント。歌と手拍子に合わせて、リズミカルに杵(きね)を持ち上げてお餅をついていきます。
できあがったお餅はきな粉がまぶされ、その場で振る舞われます。おはぎのように米粒の食感が残されていて素朴なおいしさ。太鼓ショーの迫力と餅つきのにぎわいで、まるでお祭りのような楽しい夜でした。
朝食
地元食材たっぷり、意外な組み合わせもおいしい朝ごはん
朝食も「山のかまど」にて、和洋約50種のメニューが並ぶバイキングを。夜とはラインナップがガラリと変わり、なかでもクロワッサンサンドやフレンチトーストなどパンの種類が豊富で、見た目も華やか。どれを食べるか迷ってしまいます。
ヤマメの干物の半身をクロワッサンに挟んだ「山女魚サンド」は、「下部ホテル」でしか味わえない名物。干物の旨みとサクサクのクロワッサンの組み合わせが、意外なほどよく合います。
ライブキッチンでもヤマメの干物を網焼きにしてくれるので、炊きたての梨北米と合わせるのもいいですね。具材などリクエストに合わせて目の前で焼いてくれるオムレツも、朝からぜいたくな気分にさせてくれます。
専用の機械を使って自分でバンズをトーストし、オリジナルのバーガーが作れる楽しいコーナーもありました。
焼きたて自家製食パンのワゴンサービスもあり、厚め・普通・薄めと好みの厚さをリクエストできます。山梨・勝沼の農園「千果園」の手作り無添加ジャムがおいしさを引き立てます。季節によって種類が変わり、この日は果肉たっぷりの桃のジャムでした。
パンだけでなく、和食も充実。身延町特産の干し椎茸を使った醤油で食べる手作り豆腐、中に干しブドウを忍ばせたオリジナルの「甲州コロッケ」など、地元の食材にこだわったメニューがそろいます。あれもこれもと手を伸ばさずにはいられない、幸せな朝ごはんでした。
武田信玄の時代から湯治場として愛されてきた下部温泉郷に根を下ろし、まもなく1世紀。「下部ホテル」の魅力は、3種の源泉と12の湯舟を巡る温泉だけにとどまりません。豊富なメニューがそろうバイキング、毎晩開催される太鼓ショー、釣り堀や温泉ゆで卵づくりといった体験の数々が、滞在を何倍にも豊かにしてくれます。
次の旅先に迷ったら、ぜひ「下部ホテル」へ足を運んでみてください。心地よい温かなもてなしに包まれながら、心も体も思い切りリフレッシュできるはずです。
下部温泉郷 下部ホテル
- 住所
- 山梨県南巨摩郡身延町上之平1900
- アクセス
- JR「下部温泉」駅より徒歩約1分、中部横断道「下部温泉早川」ICより車で約5分
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 10:00
- 客室数
- 85室
- 駐車場
- あり/100台(無料※予約不要)
