提供:ことりっぷ
全国各地にある名産の織物や染め物、手仕事をほどこした布で作られる暮らしのアイテム。地理的条件や時代背景などに合わせて生まれ、育まれ、長く愛され続けています。今回はそんなすてきな布こものに出会えるまちを全国から5つまとめてご紹介。その土地の空気にもふれ、自分の暮らしに取り入れる楽しみを見つけに出かけてみませんか?
【青森】緻密で温かな刺し目にうっとり。「津軽こぎん刺し」
「モドコ」と呼ばれる40種類ほどの基礎模様を組み合わせる。津軽でもエリアごとに独特の柄がある
弘前市や青森市、五所川原市など、青森県津軽地方に伝わる伝統工芸「津軽こぎん刺し」。農民の麻の着物の保温と補強のために生まれた刺し子技法の一種です。織りの目を数えながら木綿の糸で刺す幾何学模様は、機械のように緻密でありながら温かみも感じる仕上がり。
手頃なくるみボタンからがま口、インテリアアイテムまで、いろいろな布こものが揃う
弘前市にある「弘前こぎん研究所」は、津軽こぎん刺しの歴史と魅力を伝え、研究や制作を行う施設。商品も購入できるほか、作業場やギャラリーも設けられ、事前に予約すれば見学できます。市内には研究所とコラボしたアイテムを扱うセレクトショップや、インテリアにこぎん刺しを取り入れたカフェや宿なども。さんぽを兼ねてぜひ探してみましょう。
【山形】モダンなアレンジもすてき♪「米沢織」
米沢駅から車で15分ほど、築100年の古民家をリノベーション。車で数分の場所に工場もある
江戸時代の中期、米沢藩9代藩主・上杉治憲(鷹山)公が産業に発展させた「米沢織」。織物の先進地だった新潟・小千谷の技術者を招いて導入した麻織物が始まりで、現在はあらゆる素材や染め方・織り方を組み合わせた高品質な生地で、国内外の信頼を集めています。
伝統色と上品な小紋柄がすてきながま口。ほかにもコースター、ストールなどふだん使いしやすいアイテムが揃う
江戸時代から続く米沢織の織元の直営店「鷹山堂(ようざんどう)Fabric&Coffee」は、敷地内の蔵で貯蔵・焙煎した本格コーヒーをいただけるカフェを併設したコンセプトショップ。“米沢織のある生活”をテーマに、米沢織の特徴である「細番手・先染め・紋織り」をモダンにアレンジしたオリジナルブランド「米織小紋」のアイテムがずらりと並びます。
【山梨】千年続く“ハタオリマチ”富士吉田のリネン
工場の隣にある直営のショールーム。予約すれば工場、ショールームとも見学できる
平安時代の「延喜式」に記録が残るなど、1000年以上前から織物の一大産地だった富士吉田市。「郡内織物」や「甲斐絹」と呼ばれる高品質な織物で知られますが、近年は工場ごとにオリジナルブランドを立ち上げ、工場見学やワークショップなどの合同イベントを定期的に開催するなど、新しい取り組みでも注目を集めています。
本場フランスなどの認証機関で認められたリネンを使い、日本の暮らしに遭う色やサイズで生産している
その中のひとつ「テンジンファクトリー」は、リネンを中心とする天然繊維の布製品をたくさん作り出している企業。糸への負担が少ない昔ながらの織機を使い、なるべく手作業で裁断や縫製を行った風合いのよいアイテムが揃います。
【岡山】毎日の生活で“育てる”楽しみを味わえる「倉敷帆布」
古民家を再生して2008年4月にオープンした美観地区店。周辺のさんぽと合わせて訪れたい(写真・森昌史)
古代から船の帆や産業用品として使われ、キャンバスとも呼ばれる厚い布・帆布。抜群の耐久性や通気性を持ち、心おきなく日常づかいできるのが魅力です。綿の栽培がさかんだった倉敷は、国産帆布の約7割を生産する一大産地です。
オリジナルの「セルヴィッジトート」。使うほどに味わいが増すのも楽しみ(写真・森昌史)
倉敷に1888年に誕生したメーカーが「倉敷帆布(旧バイストン)」。創業当時と同じ規格や製法を大切に、現在は製造が終了したシャトル織機で空気を含ませながらゆっくり織り上げています。美観地区にある直営店では、バッグやキッチンツール、雑貨、小物などを販売。市内にはオリジナルトートを作れる本店などもあります。
【愛媛】お気に入りの一枚に出会いたい「今治タオル」
200色に染めた巻き糸の展示も人気の「タオル美術館」
明治時代から130年ほどにわたって製造を続ける日本一のタオルの名産地、今治市。糸を撚る・染める・タオルを織るなど、200もの工場が集まっています。瀬戸内海の豊かな自然や温暖な気候、やわらかな水などに恵まれ、上質なタオルを生産しています。
オリジナルブランドの先駆け、「コンテックス」のタオル。古いタオル工場を改造した直営ショップも必見
おなじみのブランドロゴは、厳しい品質基準を満たした証。その上で各メーカーの個性が光ります。市内には専門店のほか、タオル美術館や、体験施設「Imabari towel LAB」などもあり、今治タオルをさまざまな角度から知ることができます。さわって選べるお店や好みに合わせて選んでくれるタオルソムリエなどの力も借りて、運命の一枚を見つけましょう。
いかがでしたか?
今回は、過去に「ことりっぷweb」で紹介した中から、すてきな布こものに出会えるまちをまとめてご紹介しました。メニューや営業時間、定休日などの情報は、各記事の公開時点のものですので、事前に確認しておでかけしてくださいね。
ことりっぷオンラインストアでも、「地域のよいもの」を販売中

「ことりっぷオンラインストア」には、"旅のプロ"ことりっぷ編集部が、取材時や旅先で見つけた、「愛着をもっていつまでも使い続けたくなる、地域のよいもの」が大集合。
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文:高柳涼子
