提供:ことりっぷ
愛知が誇る名城・犬山城。目の前に広がる通りは、碁盤の目のようになっていて、城下町の面影を残す風情ある街並みが広がっています。今回はその一角に開業した宿泊施設をご紹介します。
400年続く酒蔵や町屋をリノベーションした客室は、当時の意匠が感じられる空間。古田織部作と伝わる庭園が残る邸宅は食事処になっていて、庭を眺めながら朝食や夕食をいただくこともできます。
この地の歴史や伝統を感じながら、特別な宿泊体験をしてみませんか。
国宝犬山城。その城下に広がる歴史ある町へ
木曽川を望む崖の上に建つ、犬山城
木曽川沿いの風光明媚な景色が広がる愛知県犬山市。川沿いの丘の上にそびえる犬山城は、現存する最古の木造天守閣が残り、国宝に指定されています。
その目の前に広がる通り沿いにはかつての城下町の面影を残す古い町並みもあり、犬山伝統の木造建築をリノベーションした飲食店や商店も。町並みににぎわいを生み出しています。
現在15代目がその味を守る「小島醸造」の店内に宿のフロントがあります
今回訪ねたのは、城下町に残る歴史ある建物に滞在することができるという宿泊施設。
400年以上前から現在も秘伝の酒造りを続けているという蔵元「小島醸造」や、「真野家住宅主屋」など、登録有形文化財になっている貴重な建物を、その意匠を保存しながらリノベーションして作り上げられました。
犬山の歴史と伝統を感じられる癒しのホテル
格子戸とべんがら塗の塀が美しい「小島醸造」の外観。その入口を入ると15代目の女将さんが店番をする番頭台がありその横に「宿-SHUKU-」のフロントがあります。
さらに奥へといくと天井が吹き抜けになったラウンジが。蔵元ならではのどっしりとした造りの柱や梁、広い三和土や土壁が残っていて、代々守られてきた場所であることを感じさせる佇まいです。
「宿-SHUKU-」のコンセプトは、心と体を健やかに溶きほぐす時間を過ごしてもらうこと、という支配人の平野さん。「小島醸造」の忍冬酒は、徳川家康にも愛されたという薬酒。そんな体をいたわる酒を造り続けてきた場所にちなみ、サービスやしつらいの随所に、薬膳酒の蔵元とのつながりを感じることができます。
チェックイン時のウエルカムドリンクは、忍冬酒にスモークの香りを添えたカクテル。甘くまろやかな味わいに、心が溶きほぐされるようです。
忍冬酒にスモークの香りを添えたウエルカムドリンク
ラウンジにはお茶とハーブや漢方が並ぶコーナーがあり、その日の気分や体調に合わせて組み合わせてお部屋でブレンドティーを楽しむことも。
お部屋には忍冬酒に使われる薬草、スイカズラなどを配合した入浴剤も置いてあり、日本古来の薬草でリラックスタイムを過ごすことができますよ。
ラウンジには薬膳ティーが楽しめるコーナーも
暗くひっそりとした雰囲気も心地いい。伝統建築への敬意を込めて作り上げた空間
客室主屋101は吹き抜けになっていて、階段の上にも居室が広がります
客室は6棟あり、そのうち2棟が「小島醸造」の敷地内にあります。客室も蔵元に残る建物をそのまま活かしたデザインとなっていて、もともとの意匠に合わせて木材や建具を選び、快適な空間となるよう設計。
「古民家には地域の歴史が詰まっているので、今の住宅にはない魅力をぜひ感じてほしい」という平野さん。実際に宿泊することで、格子戸から差し込む光、古木ならではの色合いなど、かつての日本人の美意識や自然素材と共にある暮らしにも思いを馳せることができますよ。
104 蔵のエントランス
客室主屋101は、屋根裏に寝床がある、酒蔵で働く人々がかつて暮らしていた部屋。間取りはそのままに、手すりや天窓を付け居住性を高めながら客室にしていて、隠れ家のような不思議な空間になっています。
古蔵をまるごと貸し切りできる客室は、重厚な扉の奥にバスルームやベッドルームが。古材や白木などさまざまな木材を使っていて、木の香りや風合い、ひっそりとした蔵の空気に心癒されます。
蔵の2階にあるベッドルーム
残りの4室は徒歩5分ほど離れた本町通り沿いにある「真野家住宅主屋」の中にあります。ここには客室のほかベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと犬山城」もあり、パンのいい香りで目覚めることができそうです。
「パンとエスプレッソと犬山城」では忍冬酒を使ったチャイやエスプレッソなど、アレンジドリンクを提供しているので、ぜひ楽しんでみてくださいね。
「真野家住宅主屋」に掲げた暖簾が目印。町に溶け込んだ客室は散策にも便利
犬山焼や代々受け継がれた器が彩る季節の料理
古田織部作と伝わる庭園が広がる「日本料理 古今」
「小島醸造」は城下町の中でも広大な敷地を誇り、酒蔵の店舗、製造所のほか、庭園や茶室を有する数寄屋造りの邸宅なども。犬山城主の庇護を代々受けてきた名家であることが随所に感じられます。
邸宅から望むことができる庭園は古田織部作とされ、今もドウダンツツジなど季節の植栽が彩ります。
季節の蒸物。古い犬山焼の器など、小島家に残る器も使われています
この数寄屋造りの邸宅は料理店として営業していて、宿泊者の夕食や朝食処となっているのはもちろん、ランチやディナーは宿泊者以外も利用可能。
出汁を丁寧に引くことを大切にした、季節を感じる会席料理をいただくことができますよ。

こちらでいただける朝食は、地元の食材を使った和定食。
粘りの強い地元の自然薯「夢とろろ」入りの玉子焼きには、麹醤油を添えて。野菜の焚き合わせや雑穀ご飯など、体をいたわる食事を用意しています。
犬山城から発展した町の歴史を、肌で感じられる体験を
ラウンジには犬山祭の提灯をモチーフにした照明が
ラウンジには犬山祭の山車に飾られる提灯をモチーフにした照明が飾られていますが、こちらは実際に犬山祭の祭提灯を作る職人さんにオーダーしたものなのだそう。
ほかにも赤絵が美しい犬山焼で作られた洗面台など、犬山に今も息づく伝統文化を宿の随所に取り入れている「宿-SHUKU-」。町を象徴する登録有形文化財に宿泊するという貴重な体験は、きっと特別な時間になるはずですよ。
名古屋から電車で約30分ほどで行くことができる犬山市ですが、宿泊してゆったりと町を感じる旅をしてみませんか。
