羽田空港から飛行機で約1時間と、都心からアクセスしやすい能登は、短い滞在でもリフレッシュできる旅先。九十九湾沿いに建つ「洞窟風呂の宿 百楽荘」は、海洋深層水を使った神秘的な青い光に包まれる洞窟風呂や、能登の食材を使った会席料理が楽しめる宿です。
さらに、宿専用の釣り桟橋や無料で利用できるゲームラウンジに加え、敷地内にはフォトスポットが点在する森もあり、散策しながらさまざまな景色を楽しめます。温泉や食事、アクティビティを通して、日常を離れた時間を過ごせるのが魅力です。
目次
スムーズなアクセスと心ほどけるお出迎え
「洞窟風呂の宿 百楽荘」へは、羽田空港からのアクセスもスムーズ。のと里山空港まで飛行機で約1時間と、気軽に訪れることができます。空港からは、予約制の「ふるさとタクシー」(片道1,800円)を利用するのがおすすめ。30分ほどで宿まで直接送ってもらえます。
建物の前には空に向かって枝を広げる大きな松の木が立ち、重厚感のある和の建築と緑が美しく調和。周囲には清々しい空気が広がり、落ち着いたたたずまいが感じられます。
館内に入ると、和の趣とモダンな要素が心地よく溶け合うロビーが広がります。
漆に金で孔雀を描いた装飾パネルや縄文杉の丸太を使ったテーブルなど、こだわりの調度品が並び、上質で落ち着いた雰囲気を演出しています。
到着後は、落ち着いた個室に案内され、プライベートな空間でゆっくりとチェックインができます。
手続きをしている間には、もち粉ときな粉を使った能登町を代表するお菓子「笹乃雪」と、輪島・千枚田で育った玄米棒茶が提供されます。甘みと香ばしさが広がり、ほっとくつろげるひとときです。
廊下に設けられた棚には、色とりどりの浴衣がサイズごとに並んでいます。滞在中は、何度でも自由に選んで着替えられるのもうれしいポイント。朝は淡い色合い、夜は華やかな柄と、時間や気分に合わせて選べます。
絶景と上質に包まれる客室
Jr.スイート[露天風呂付き]
この日宿泊したのは、露天風呂付きのJr.スイート。広さ50平米で最大5名まで泊まれる、ゆとりある客室です。和モダンなリビングは、和室とソファスペースが一体となった、おこもり感のある造り。
カウンターには、ロイヤルコペンハーゲンなど世界の名窯から集められたデミタスカップが並びます。また、スイートルーム宿泊者限定の特典として、冷蔵庫にはビールやサワーなどのフリードリンクも用意されています。
お気に入りの一杯を手に、テラスへ。目の前には、木々が連なる景色と、その合間からきらめく九十九(つくも)湾が広がります。潮風が頬をなでるテラスは、誰にも邪魔されない特別な時間が過ごせる場所です。
露天風呂には、能登小木港沖の水深320メートルから汲み上げた海洋深層水を使用。保温性や保湿性に優れ、湯上がり後も温かさが続くのが特徴です。九十九湾を渡る風に吹かれながら、心身ともにくつろげます。
あわせて注目したいのが、宿オリジナルのバスアメニティ「MERFOND(メルフォンド)」。フランス語で「海」を意味する「MER」と、「深い」を意味する「PROFOND」を組み合わせた名称で、能登の海洋深層水が配合されています。
太陽光の届かない深海で育まれた海水はミネラルが豊富で、自然由来の成分が髪や肌にしっとりとなじみます。
広々とした洗面スペースも、この客室の魅力のひとつ。木のぬくもりを感じる空間にタオルが整えられ、お風呂上がりもゆったりと過ごせます。さらに、スイート以上の客室には宿オリジナルのスキンケアラインも用意。薬草由来の成分で肌がしっとりと潤います。
ベッドルームは、仕切りのない開放的なレイアウト。リビングでくつろいで、眠くなったらそのまますぐベッドへインできるのが最高です。
お部屋には、シンプルな浴衣も用意されています。宿オリジナルの湯かごは使い勝手がよく、温泉への移動にも便利です。
スタンダード
スタンダードタイプの客室もバリエーションが豊富で、用途や好みに合わせて選べるのが魅力。中でも、九十九湾を望む海側の客室では、開放感あふれる景色が広がります。
テラスに出ると、九十九湾の景色が一面に広がります。エメラルドグリーンの入り江と対岸の木々が視界いっぱいに広がり、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。
洞窟風呂で味わう、非日常の湯浴み
海洋深層水 洞窟風呂
「百楽荘」を訪れたら外せないのが、海洋深層水を使った洞窟風呂。エレベーターで地下約30メートルへと降りると、岩肌がむき出しのトンネルが静かな暗闇の奥へと続いています。
この洞窟は、約50年前に当時77歳の石工職人が長い年月をかけて掘り進めたと伝えられており、その歴史に思いを馳せながら、非日常の空間をゆっくりと味わえます。
洞窟風呂に到着したら、脱衣所の天井にも注目。ライトに照らされた岩肌には、円や線を組み合わせた模様が彫られており、洞窟を掘る際に使われたツルハシをモチーフにしたとも言われています。
いよいよ、洞窟風呂へ。湯気に包まれた岩の空間がそのまま浴場となり、露天風呂へ続くガラスの扉からはやわらかな光が差し込みます。頭上や左右には岩肌が広がり、地底の隠れ湯を見つけたようなワクワク感に包まれます。
洞窟の先には幻想的な青い光を放つお風呂が待っています。湯船に満ちるのは、ミネラルたっぷりの海洋深層水。お湯に身を沈めれば、まるで深海に浮かんでいるような感覚に。
サウナも洞窟内にあり、岩肌に囲まれた空間でじっくりと体を温められます。洞窟ならではの落ち着いた雰囲気の中でリフレッシュできます。
洞窟を抜けた先には、九十九湾を望む露天風呂。湯船は1〜2人用のコンパクトな造りで、景色を眺めながら心静かに過ごせます。
展望風呂
館内には、男女入れ替え制の大浴場がもうひとつあります。展望風呂からは九十九湾を一望でき、開放感あふれる湯浴みを満喫。広がる景色を眺めながら、気持ちもほどけていきます。
貸切風呂
館内には洞窟風呂や展望風呂のほかに、スイート専用を含む3つの貸切風呂も用意されています。その中の「碧波 AOBA」と「魚眠 GYOMIN」は、通常50分5,500円で利用可能。予約した客室やプランによっては、無料で利用できるのもうれしいポイントです。
「魚眠 GYOMIN」は、水深約120センチメートルの立ち湯が特徴。塩分を豊富に含む海洋深層水ならではの、やわらかな浮遊感を味わえます。奥には腰掛けスペースもあり、ひと息つきながら心地よく湯に浸かれます。
貸切風呂には、セルフサービスで楽しめる手絞りオレンジジュースも。その場で搾るフレッシュな果汁は、湯上がりの体にすっとなじみます。
館内も屋外も楽しめる、多彩なアクティビティ
多彩なお風呂に加え、館内にはさまざまな楽しみがあります。
軽く体を動かしたいときは、「Gameラウンジ –可惜夜 ATARAYO–」へ。木目調のシックな卓球台をはじめ、ビリヤードやダーツもそろい、友人グループやカップルで気軽に利用できます。
遊びの合間には、落ち着いた雰囲気のライブラリースペースへ。思わず手に取りたくなる本が並んでいます。
挽きたてのコーヒーを無料で楽しめるのもポイント。デロンギのマシンで淹れた香り豊かな一杯を片手に、本を読みながらくつろげます。
「Gameラウンジ」から外に出ると、敷地内の森へと続いています。その先にあるのが、フォトスポットが点在する「Art Forest(アートフォレスト)」。石畳の道が整えられているため浴衣のままでも歩きやすく、散策を楽しめます。
ウッドデッキには、迷彩柄の大きな額縁「浮自然 FUSHIZEN」が設置されています。正面に立つと、九十九湾に浮かぶ「蓬莱島(ほうらいじま)」がちょうど額の中に収まるように見え、思わず写真を撮りたくなるスポットです。
すぐ近くには、高台に設けられたデッキ「鳳 KAZE」も。下のソファでくつろぐことも、階段を上って高い位置から海を見渡すこともでき、思い思いの時間を過ごせます。
専用桟橋での気軽な釣り体験
九十九湾に面した「百楽荘」には、釣りが楽しめる専用の桟橋もあります。穏やかな入り江に設けられており、海を間近に感じながら気軽に釣りを楽しめるのが魅力です。
せっかくなので、釣りにもチャレンジ。一本釣りやサビキなど、好みの仕掛けを選んでチャレンジできます(釣りセットレンタル料 2,200円~2,750円)。このあたりではアジが狙えるほか、フグがかかることもあるそう。
スイート宿泊者だけの特別なラウンジ
湯浴みやアクティビティの後は、スイート宿泊者専用のプレミアムラウンジへ。時間帯によって内容が変わり、さまざまな過ごし方ができる空間です。
15:00〜18:00のカクテルタイムには、お菓子やナッツとともに生ビールをセルフサービスでいただけます。そのほか、ルイボスティーやオレンジジュース、飲める海洋深層水の用意も。
海や空、緑を眺めながら、ドリンクを片手にくつろげます。
目にも楽しい、彩り豊かな会席料理
待ちに待った夕食は、チェックイン時に利用した個室でいただきます。この日のコースは、能登の食材をふんだんに使った「九十九会席」。
最初に運ばれてきたのは、揚げたての里芋に、里芋を使った味噌を合わせた一皿。素材の持ち味を生かしたやさしい味わいが印象的です。
続いて登場したのは彩り豊かな八寸。ガラスのケースの中には木や緑があしらわれ、その上に料理が並ぶ、自然を感じさせる演出です。
輪島産カリフラワーのすり流しや、やわらかく仕上げた能登牛のしぐれ煮のほか、能登ふぐのたたきジュレ、バイ貝の松前漬けなど、地元の山海の幸が並びます。
次に運ばれてきたのは、九谷焼の美しい器。蓋を開けると白い煙がふわりと立ちのぼり、まるで玉手箱を開けたようなワクワク感に包まれます!
中には、能登ブリや鯛、サワラなどの新鮮なお造りが並びます。中でも「真鱈(まだら)の子漬け」は、甘だれで味わう漁師町ならではの一品です。
さらに印象に残ったのが、能登ブリと大ぶりのなめこを使った囲炉裏焼き。石川県白山市生まれの「でけえなめこ」は、通常の約30倍という規格外のサイズ。
口に運ぶと、表面はなめらかで、噛むほどにシャキッとした食感が感じられます。一般的ななめことはひと味違う、食べごたえのある一品です。
お口直しは涼やかな酢の物。ぷるんと滑らかな白子を、めかぶやミョウガ、スダチの爽やかな香りと合わせてさっぱりといただきます。
能登を代表する食材、能登牡蠣は鍋料理で。小ぶりながらもギュッと凝縮された旨みは、まさに牡蠣好きにはたまらない味わい。クリーミーなコクと磯の香りが、温かいおだしとともに口の中でほどけていきます。
締めは、珠洲(すず)市産「きずな米」を使った香箱ガニの炊き込みご飯。カニの身と外子がたっぷりと混ぜ込まれ、もっちりとしたご飯に旨みがしっかりと染み込んでいます。
デザートには、春らしいいちごが登場。いちごには金箔ならぬ銀箔があしらわれ、見た目にも華やかです。トッピングされた能登大納言の甘みがジューシーないちごとよく合い、最後まで大満足な会席でした。
バータイムで締めくくる夜
食後は、再びプレミアムラウンジへ。21:00以降はバータイムとなり、赤・白ワインも用意されます。
この時間帯には、カナッペや野菜スティックなどのおつまみも提供。ラグジュアリーな空間でグラスを傾けるこの時間が、旅の夜をより上質なものにしてくれます。
部屋に戻ったら、夕食会場の出口にさりげなく置かれていた「ふき味噌のおにぎり」をいただきます。小ぶりで食べやすく、軽くお腹を満たすのにちょうどよい一品で、満ち足りた気持ちのまま眠りにつきました。
重箱で味わう、能登の朝の味覚
翌朝は、お部屋の露天風呂を満喫したあと、夕食と同じく個室の食事処へ。
能登の食文化が詰まった重箱が用意されていました。蓋を開けると、糠いわし(こんかいわし)やイカの麹漬けなど、地元の食材を使った小鉢が並びます。能登ふぐやハタハタの焼き物もあり、朝からしっかりと味わえます。
ご飯は白米かお粥から選べるのもうれしいポイント。体にしみわたるような味わいで、一日を気持ちよく始められます。
デザートは宿特製のプリン。なめらかな口当たりが特徴で、能登のあら塩とカラメルをお好みで加えて味わえます。
コーヒー好きなら、朝食限定の一杯にも注目。珠洲市の人気店「二三味珈琲」で焙煎されたコーヒーもいただけます(別途有料)。能登の地で親しまれてきた味わいは、旅の余韻とともに印象に残ります。
都心からアクセスしやすい立地にありながら、多彩な過ごし方がかなう「百楽荘」。特別感のある滞在で、心身をリフレッシュできます。何度でも訪れたくなる、そんな魅力を感じられる宿です。
洞窟風呂の宿 百楽荘
- 住所
- 石川県鳳珠郡能登町越坂11-34
- アクセス
- 能登空港よりふるさとタクシーで約30分(要予約)
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 客室数
- 26室
- 駐車場
- あり/25台(無料)
取材・撮影・文/安藤美紀
