提供:北日本放送
富山市北部の岩瀬エリア。日本海沿岸や北海道の米や魚を上方へ運ぶ北前船の寄港地として江戸時代から栄え、明治期に建てられた廻船問屋や土蔵などが建ち並ぶノスタルジックなまちなみが観光客にも人気のスポットです。
そんな岩瀬には、この地域に古くから言い伝えられる話にちなんだ名物の“だんご”があります。それが「飛だんご」です。
江戸末期創業 伝統の味を受け継ぐ「七福亭」
「飛だんご」を販売しているのは、港の灯台の役割を担っていたとされる「常夜燈」をモチーフにした富山港展望台から200mほど、富山市岩瀬港町にある七福亭です。
創業は江戸末期と言われ、飛だんごを作り続けて150年以上の老舗だんご店です。
板塀に白い壁、昔ながらの町家風が残る佇まい。
店内もふらっと立ち寄ってベンチに腰かけてお茶やだんごを味わいたくなるようなすっきりした雰囲気。テーブルに置かれたうちわや季節の花々にほっとひと息つける空間が広がっています。
富山米100% 黒砂糖の風味香るあんこ&きな粉
こちらが、名物「飛だんご」。名前の由来は、今から数百年前のある伝説にちなんでいると言われます。
鬼退治伝説にちなむ“魔除け”の飛だんご
言い伝えでは…
岩瀬の海岸にはうっそうとした松林が続いていて、恐ろしい魔物が住みついていたそうな。その魔物退治に出かけた大村城(東岩瀬地区にあった)の城主・轡田豊後守(くつわだぶんごのかみ)が、雲間から飛んできた“だんご”を食べるとたちまちに力が湧き、魔物を退治することができた…とか。
この伝説にちなみ、岩瀬では魔除けや厄除けとして“飛だんご”を食べるようになったと言われています。
「昔は、飛びだんごを作っているお店がこのあたりに数軒あったんですけどね。今は、うちだけ」
こう話すのは、「七福亭」で50年以上にわたってだんごを作り続ける古部昌子さんです。
「だんごには地元のコシヒカリ100%、うるち米を使ってます。米粉を熱湯でこねたあと、2時間ほど蒸して、お餅にようについていきます。生地を少し休ませたあとに、もう1回、ついていきます」(古部さん)
手間暇をかけて丁寧に作られる飛だんご、作業は深夜2時から始まるんだそう。「そうしないと、朝8時の営業に間に合わないもんだから」と、古部さんがやさしくほほ笑みます。
仕込みは深夜2時 朝の開店時からひっきりなしに
注文を受けてから、黒砂糖入りの手作りあんこときな粉をまぶして完成。
弾力のある食感とお米のおいしさをしっかりと楽しむことができます。あんこもきな粉も黒砂糖のコクのある風味と甘味があり、だんごとのバランスが絶妙です。
地元の人はもちろん、市外から訪れる人も多く、朝8時の開店からお客さんはひっきりなし。店内で食べることもできますが、手土産にする人も多く、中には50~60個まとめて買っていく人もいるんだとか。
添加物は一切なし やわらかさが保てる夏の約3か月だけの味覚
添加物は一切入っておらず、すぐに固くなってしまうため、冬期間の販売は行っていません。
「昔は5月から販売してたんですけど、体力も衰えてきたから7月からにさせてもらってます」(古部さん)
2025年は、7月1日から10月10日までの営業です。伝統の味を守り続ける古部さんの地元愛もたっぷり。午前中で売り切れてしまうことも多いそうですが、港町の散策と合わせて楽しんでみては?
七福亭
- 住所
- 富山県富山市岩瀬港町36
- 営業時間
- 8:00~(なくなり次第終了)
- 定休日
- 日曜日、水曜日、木曜日
- 電話番号
- 076-437-9605
※この記事は、2025年7月17日に放送したKNBラジオ「とれたてワイド朝生!」をもとに、同日に北日本放送「nan-nan」で公開された記事を転載したものです。
