漆器や和紙、打刃物、眼鏡など、多彩なものづくり文化が息づく福井県の越前鯖江地域。
産地に根付く職人の技や街の魅力を紹介する新たな観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」が、2025年7月14日に鯖江市内にオープンしました。
国内外で高く評価される“匠の技”の集積地・越前鯖江
福井県鯖江市、越前市、越前町からなる越前鯖江地域は、古くからものづくりが盛んなエリアとして知られています。伝統工芸では漆器、和紙、たんす、打刃物、焼物が有名なほか、地場産業でも眼鏡や繊維の分野で高い知名度を誇り、さらにこれら全ての産地が半径10km圏内に集積しているのが特徴です。
このうち約700年の歴史を持つ越前打刃物は、その見事な切れ味から、国内外の料理人たちからの信頼が厚く、世界のトップシェフにも愛用者が多いと言われています。
また、冬の閑農期を乗り切るため、明治時代に地元の小さな農村から始まったとされる眼鏡づくりは、今では海外のラグジュアリーブランドも注目する世界的産地へと成長しました。
越前鯖江の産業観光を発信する地元の観光地域づくり法人「SOE(ソエ)」では、普段立ち入ることのできない職人の工房を開放する見学やワークショップなどのオープンファクトリーイベント「RENEW(リニュー)」を実施しています。
2015年の開始以来、来場者は年々増加していて、今では3日間で約48,000人が訪れることもある盛況ぶりなのだとか。
また、この取り組みを契機として、地域では作り手自身が商品を販売するファクトリーショップが次々に誕生。現在は40を超える店舗が産地に軒を連ね、作り手と使い手が直接交流できる場面が増えてきています。
ものづくり旅の出会いをつなぐ新たな観光案内所
今回オープンした観光案内所「Craft Invitation」は、ものづくり文化を感じる旅の発信地として、観光客はもちろん、クリエイターやバイヤーも利用できる「産地の窓口」がコンセプト。
地域を訪れる人たちと作り手をつなぐ産業観光の拠点施設で、1階に案内所、2階にはSOEのオフィス(通常非公開)が入っています。
案内所でひときわ目を引く約5メートルのカウンターは、約200年にわたり鯖江市内で越前漆器を作り続ける「漆琳堂(しつりんどう)」が手がけた特製の漆塗り。手前側は伝統的な朱色で塗られ、奥に向かうほど徐々に淡い色彩へと変化するグラデーションが、空間に奥行きと鮮やかさをもたらしています。
カウンターでは、越前鯖江を知り尽くすスタッフから、地元の見どころやおすすめの飲食店、工芸品を扱うショップなど、ローカルな情報をたっぷり教えてもらえます。
室内の壁には、漆を塗る前の器「木地」が積み重ねられています。
創業102年を数える市内の「曽明(そうめい)漆器店」の倉庫に眠っていたデッドストック品を“棚柱”として使用したという個性的なデザインで、見ているだけで自然とものづくり旅へのワクワク感が高まってきます。
カウンターを照らすランプシェードは、市内の丸物木地師「ろくろ舎」が、曽明漆器店の木地を加工して作ったもの。
光の透け具合まで計算して削り出されたという、職人技を感じるペンダントライトが、訪れた人をやさしく迎えてくれます。
そのほか、一般非公開の2階オフィススペースでも越前和紙の障子などが用いられるなど、地元ものづくり文化を感じられる工夫が建物の随所に取り入れられました。
世界でここだけ! “漆塗り”の自転車で街巡り!
「Craft Invitation」では、一風変わったレンタサイクルのサービスが用意されています。
街乗りにぴったりの自転車ブランド「tokyobike(トーキョーバイク)」に、漆琳堂が4つの漆塗りの技法(真塗り、溜塗、和紙貼り、刷毛目)を施した、その名も「URUSHI BIKE」です。
世界中でここだけの特別な“漆塗り自転車”で、越前鯖江の街並みをゆったりと散策できます。
SOEでは、地元のものづくりや観光スポット情報を発信するローカルメディアも運営しています。特製のガイドブックは案内所でも購入できるので、福井を訪れた際には、旅のお供としておすすめです。
古くから数々の匠の技が受け継がれてきた職人の里、越前鯖江。ものづくりの魅力の一端を感じられる観光案内所を起点とし、世界に誇るメイドイン福井のクラフトマンシップに触れる旅へと出かけてみませんか?
Craft Invitation(クラフト インビテーション)
- 住所
- 福井県鯖江市片山町7-10-4
- 営業日
- 月~金曜日 ※定休日はHPを確認
- 営業時間
- 10:00~17:00
- アクセス
- 北陸自動車道「鯖江」ICから車で約10分
- 詳細
- 「Craft Invitation」公式サイト
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